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東海道四谷怪談

東海道四谷怪談 DVD 東海道四谷怪談

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2008/01/25
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邦画メモ、NO,31,NHKBS

1959年、新東宝、シネスコサイズ、カラー、76分、画質普通

監督- 中川信夫、原作- 鶴屋南北、

撮影- 西本正、音楽- 渡辺宙明

出演- 天地茂、若杉嘉津子、江見俊太郎、池内淳子

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面白かったー。2回観ました。堪能しました。

映画だけど、御ひねりをステージに投げてやりたい。今なら500円玉を包んでやればいいだろうか。

お岩さんのことはなんとなく知っていたけれど、ストーリーは全然知りませんでした。 話は作者の脚色によって違うらしいのだけれど、とりあえず鶴屋南北の作を今回、勉強しました。

映画は始めに芝居の舞台を見せてくれます。 「これは映画だけれど、半分は芝居だと思って観てください。」というわけである。

ということで、舞台のように話の幕切れがあり、そのつながりは完全な省略主義。 言ってみれば説明不足が多々ある。 

でも、「お岩さんの話はみなさんお馴染みでしょう。細かい説明は野暮ですから省略します。」という制作方針。これはかえって大胆ですっきりしている。

完全に舞台芝居かというとそうではなく、華麗な映画テクニックを見せてくれる。

冒頭のお岩の父の惨殺シーンでは、溝口映画のようなワンショット長廻しで緊迫感ある映像を見せてくれる。

それに、もう50年前の映画でありながら、近年のホラー物の基本がある。

音楽なら、シンコペーションのような間を使ったカメラの使い方、つまりフェイントを使ったドッキリシーンや、地面から手や顔が這い出してくる演出は、後年のハリウッド映画がマネしているのではないかと思うほど。

光と影の使い方がすばらしい。原色・赤の使い方もいい。

下から仰ぎ見るカメラ、上から覗き見るカメラ。等々、飽きない撮影も楽しめる。

この映画で撮影監督の西本正氏というテクニシャンを知った。

音楽は怪談芝居のような単純なヒュー・ドロ・ドロではなく、暑苦しい胡弓の音を使った「怨念」を感じるもので、ユニークだった。オープニングでは歌舞伎の邦楽を使っていた。

また天知茂(この人が武士をやると、どうも平手造酒をイメージしてしまう)をはじめ、あまり知られていないお岩さん女優の迫真の演技(赤ん坊をかかえているので何度もNGが出たでしょうね)、それに直助の男優さんも演技がよかった。

原作がそうだと思うが、お岩を殺めた伊右衛門が完全な悪党ではなく、心底では咎めていて、お岩に詫びを乞うているのは、いかにも日本の話らしい。外国の話では、こういう展開は絶対ありえないことである。

ローテクでもこれだけ怖い映画ができることに感嘆した。

それに、怖い一方、人の情けやお岩を不憫に想う日本人の心情・やさしさを刺激しているのがウマイナー。

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コメント

お岩さんが不憫で抱きしめてあげたいとのコメント、きっと感謝して今晩あたりお礼に伺うかも…、ひゅ~どろどろ。
あぁ、なんか自分で書いてて怖くなっちゃった(笑)。
歌舞伎の四谷怪談、演出がこわ~ございます。

投稿: バルおばさん | 2008年8月14日 (木) 01時42分

パルさん。こんばんは。
ほんと、あんなかわいそうな話とは知りませんでした。
歌舞伎では「忠臣蔵」とセットで演じられるんですね。
篠田監督の映画でもありましたね。観てみようかと思います。
バケ猫映画は観ていませんです。
黒澤の「椿三十郎」に出ていたバアちゃんがやっていたのですね。これも観たいな。
お岩さんが出てきたら、さっそく皮膚科と整形外科の偉い先生に診せてあげます。

投稿: スタンリー | 2008年8月14日 (木) 19時55分

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