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キャリー

キャリー (特別編) (ベストヒット・セレクション) DVD キャリー (特別編) (ベストヒット・セレクション)

販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2007/10/24
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洋画メモ、NO,37、DVDレンタル

1976年、ユナイテッドアーティスツ、ビスタサイズ、98分

監督- ブライアン・デ・パルマ、撮影- マリオ・トッシ、

音楽- ピノ・ナジオ

出演- シシー・スペイセク、パイパー・ローリー、

エイミー・アーヴイング、ジョン・トラボルタ、ウィリアム・カット

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スターウォーズが流行っているころ、映画館の予告でこの映画を知った。 当時、「ああ、またエクソシスト系の同類映画が来たな」という程度でしか思っていなくて、観る気はなかったが、スティーヴン・キングが原作ということを後で知り、永年気になる存在ではあったので、観ることにした。

キングの原作物では初めての映画ということで、やはりイジメ問題がキーとなっている。 この人の作る話にはこういう問題を抱えた人物がよく出てくる。

キングのインタビューを主体としたドキュメンタリーを観たことがあるが、その中で彼は「高校時代が楽しかったという人が信じられない。私の人生にとってあの期間はマイナスだった」というようなことを述べていた。

多分、彼もイジメにあったのだと思う。それがこの映画の原作に、思春期の女性という立場に換えて反映されている。

映画の予告での印象は、なぜ女の子が血まみれなのか分からなかったが、ようやく状況が分かった。

サイキックにより、物が燃えたり、何かが動いたりというのは、当時より少し前の超能力ブームにより、特に目新しいものでもない。

そのキャリーがサイキックを発揮する場面では、キャリーの顔と超常現象の部分とが画面で2分割されていて、私は映画予告だけの見せ方だと、永年思っていたのだけれども、映画の本編でもそのとおりだった。

私はどうもこういうテクニックは苦手である。2分割は「大空港」などの電話のシーンなどに使われているが、映画が安っぽく感じられてしまう。編集を逃げているように思えてしまう。

実際、特典映像のデ・パルマのインタビューで、彼はこのやり方は失敗だったと言っている。

音楽は、サイキック・シーンでは「サイコ」のシャワーシーンで使われたバイオリンの「キュン・キュン」という音がモロ・モノマネで使われていて、ヒドイなと感じたが、デ・パルマ監督はバーナード・ハーマンを音楽監督に希望していたらしく、それが彼の急逝でかなわなくなり、急遽、ハーマンを尊敬していたピノ・ナジオに依頼したということだ。

だから、あの「キュン・キュン」はハーマンへのオマージュと言えなくもない。

また、登場した高校の名がベイツなのは「サイコ」からとったそうだ。

シシー・スペイセクや母親役のパイパー・ローリーの体当たりの演技がいい。

トラボルタが自然で即興的な演技で感心した。彼女ら彼ら、若い俳優たちはこの映画によりスターダムに昇った。 特に女性の一部の人は冒頭のシャワーシーンでフルヌードを披露していて、その度胸には感服してしまう。

今観ると、それほどの大作映画に見えないが、この映画以降に使われたホラー物の数々の脚本やカメラのテクニックの元を発見できる。

物語の終盤、なんとか終わってよかった、安らかに眠ってください、という油断を与えた瞬間、ショックを起こさせるのはこの映画が始めだろうか。

この映画の特典映像で、一つ撮影技術を覚えた。それはスプリット・ジオスターレンズというもので、画面の中央で近距離のアップのレンズとロングのレンズを接着させたかのようなレンズによる撮影テクニックで、強制的にパンフォーカス撮影をさせる手法だ。(パンフォーカスというよりもダブルフォーカスといったほうがよい)

それを使ったシーンは体育の先生が、グランドで女子生徒をシゴイているときや、教室の授業のときなどがある。

パンフォーカス撮影は「市民ケーン」などで有名だが、レンズの絞りを最大に絞っても、あまりにも一方がアップの場合は撮影が困難で、このレンズを使えば、まるで合成したかのように、極端な奥行きの撮影ができる。 ただしアップレンズ側の背景はボケボケになってしまい、2分割されていることが良く分かる。

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コメント

キャリー、怖かったですね。今風に言うとキレルと怖い?
最後のシーン、当時は町の映画館で見たので薄いドアの向うから観客が一斉に「ギャオエ~!」と叫んだので、待ってる私はもうドキドキでした。

投稿: バルおばさん | 2008年7月31日 (木) 00時18分

DVDの写真、恐いですね~。
キャリーは悪魔の化身とかではないのに、怨念の力で大惨事を引き起こしましたね。同級生のイジメも原因でしょうが、あの母親が一番、問題ありでした。この映画は血の量がハンパじゃなくって・・・恐かったです。

投稿: マーちゃん | 2008年7月31日 (木) 00時47分

ご無沙汰しております。
この映画、「ユナイト映画パラサイコシリーズ」第一弾だったのですよね。
「オードリー・ローズ」「家」の3本が製作されました。いや実際の
ところは、たまたま3本作られて営業か宣伝サイドでシリーズの
ようにされただけかもしれませんが・・・。でも3本ともロードショーで
見てしまいました。まんまと宣伝に乗せられたかな。(笑)
しかし、一番、印象に残っているのはこの「キャリー」ですね。
とにかくラストシーンだけで映画史に残る映画だと思いました。(笑)

投稿: BIGSTONE | 2008年7月31日 (木) 01時25分

パルさん。こんばんは。
ほんとにキレる映画でしたね。
今だと直接刃物を使うのでもっと怖いですね。
理解のあった先生までも誤解のため殺されますね、
こういうところの脚本は甘くないですね。さすがですね。
映画館の外で悲鳴が聞こえましたか、アトラクションのオバケ屋敷の効果がありますね。
ジェィソンの映画のラストもあんな感じでした。

投稿: スタンリー | 2008年7月31日 (木) 20時20分

マーちゃん。こんばんは。
あの母親が問題でしたね。
それにいったいどうやって生活していたのでしょうか。
最後では家が崩壊していきますが、キャリーの力ではないようですね。そこがちょっと説明不足ですが、続編も検討されていたかもしれません。
あの血は豚のものとは映画を観るまで知りませんでした。
トラボルタはどうやって採血したのでしょうか。笑
撮影ではシロップを使ったそうで少し甘かったそうです。
DVDの写真は違う映画のように見えますね。

投稿: スタンリー | 2008年7月31日 (木) 20時27分

BIGSTONEさん。こんばんは。おひさしぶりです。
あ ユナイトではそういう企画だったのですか。
私は「家」は見ました。
デ・パルマ監督は低予算で制作したと言っていましたが、
いずれの映画もそんな感じですね。
でも「オードリー・ローズ」は観ていません。
ラストは今の観客だったら「なにかあるだろうな」と勘ぐるでしょうね。当時だからショックだったかもしれません。
とはいえ私もドキッとしました。

投稿: スタンリー | 2008年7月31日 (木) 20時36分

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