« あなただけ今晩は | トップページ | 昼下りの情事 »

シフラの演奏

 ピアノ作品集/Cziffra Plays Transcriptions ピアノ作品集/Cziffra Plays Transcriptions
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

ジョルジ・シフラと言えば、ハンガリー出身のビアニストで「リストの再来」と言われた人だ。

ピアニストのなかで、リスト弾きは沢山いるのだが、中には巨匠の雰囲気を装うためか、わざと難曲をゆっくり弾いて「どうです、味わいのあるリストの演奏でしょう」と、ゴマカシてしまっている人もいる。

リストのピアノ曲というのは、晩年の作品を除き、はっきり言って名人芸で、原色的イメージの単純なものであって、超絶的にできるだけ早く、大きな音を出して弾くのが正しい。

そんなピアニストがいる中で、シフラは文句無く、正真正銘のリスト弾きだ。

彼は速く弾けるものは出来るだけ速く、大きな音が出せるものは出来るだけ大きな音を出して演奏した。

また、可能な限り、難しく編曲して弾いた。この原曲をピアニストが編曲して演奏するというのは、19世紀では普通のことであり、作曲家も公認のことで、リスト本人もそうだった。 ただし、ショパンは、自曲の演奏はオリジナル通り弾くことを望んだ作曲家だった。

私の子供のころのリストの演奏レコードというと、ほとんどシフラだった。東芝EMIのエンジェルレコードというのが、彼の演奏のものだった。

そのレコードの中で、リストではなく、ハチャトリアンの「剣の舞」の録音があり、彼のアレンジによるこの演奏が、まったくKICHIGAIじみているというか、人間技を超えたデーモニッシュな編曲と演奏で、数十年も前から驚嘆していたのだが、その演奏の楽譜がユーチューブで見つかったので、メモをする。親切に演奏に合わせて楽譜が動いてくれる。

http://www.youtube.com/watch?v=7PNMfluyxyk

さらに、この演奏を自動ピアノで弾いた演奏があったので、これもメモしておく。

鍵盤とハンマーのすさまじい動きが良く分かる。

http://www.youtube.com/watch?v=Sn8y0u-Gt8A&feature=related

追記:オリジナルの楽譜では、伴奏のバス音は和声が厚いが、自動ピアノ演奏では単なるオクターブ音になっている。

|

« あなただけ今晩は | トップページ | 昼下りの情事 »

ピアノ」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。今回はこちらのカテゴリーにコメントを寄せさせて頂きます。

先日、シフラの演奏でリストの「エステ荘の噴水」を聴く機会がありました。どちらが上か下か、優劣は兎も角、とあるピアニストの同タイトルの演奏と聴き比べてみると、確かに技巧面での早さが際立っていました。私は管弦楽、オーケストラは少しは聴き齧っているものの、ピアノ鑑賞は実はつい最近の話になります。ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を耳にして漸くピアノの持つ独特の音色の魅力に関心を持った次第です。

そして、何よりも上手く補完するかたちで墨さんのピアノ関連のコラムを拝見し、一層傾聴の姿勢が固まりつつあるようです。墨さんは私のクラシックへの態度に関して過分に褒めて下さいますが、私は正直音楽の理論も知らず詳細な解析も勿論出来ません。書き込まれた「楽譜」からは作曲者の意図は何も読み取れない、という事ですね。極めて「感覚的」に漠然と聴いている状態に過ぎません。

直感的な理解でも、奏でられる音楽からの様々な刺激は決して嘘でも偽りでもありませんし、自分なりの趣味、として今後も嗜んでいこう、と思っています。その為のガイド、指針として墨さんのコラムはミニチュア撮影、特撮関連と同様に参考とさせて貰っています。

今更ながら、様々な方面に鋭い視点を向け、深い薀蓄を持たれている墨さんには、色々教えて頂いています。様々なコラムから学んで私なりの見識を深めていけたら良いな、と厚かましくも思っています。

勿論、ピアノへの見識の向上も例外ではありません。今私もロマン派のピアノ作品を聞き込んでいますので、宜しくご教授下さい(笑)。

最後まで厚かましくそれではまた。

投稿: ワン | 2010年3月18日 (木) 00時00分

ワンさん。こんばんは。いつもコメントありがとうございます。上述のユーチューブのページは無効になっていて見られません。残念です。
私のCDにシフラの弾く「エステ荘の噴水」があったかどうか忘れてしまいましたが、あの曲もリストが作曲したものでも重要な曲だと感じています。偶然にも私はつい最近、NHKの「名曲探偵アマデウス」でこの曲を小山さんの演奏で再び耳にしたものでした。この曲は後の印象主義に影響を与えていますが、同じ水の流れを描写した曲としては「泉のほとりにて」のほうが気に入っています。この曲もぜひお聴きください。リストは音楽史上、演奏技巧と調性の概念で重要な功績をあげていますが、若い頃の作品では単細胞的・・・いやショーモナイ曲も出版していて、例えばシフラも録音していますが「半音階ギャロップ」などにはその名人芸だけの内容にアキレテしまいます。こういう曲は「どうだ、この曲が君たちに弾けるか」という挑発的な意味もあるのですが、シフラはそれに応えていておもしろいですね。ユーチューブにはシフラがこの曲を弾いている映像がありましたので、消されていなければご覧いただけます。
私はショパンの曲でしたらほぼ100パーセント、リストでしたら60パーセントはなんとか記憶していますので、なにかワンさんのお役に立てるようでしたら、またお尋ねください。
音楽は楽譜を見ながら聴くよりも、ワンさんの仰る「感覚的」鑑賞法がもっともふさわしいと思います。

投稿: アラン・墨 | 2010年3月18日 (木) 21時36分

ユーチューブでシフラの弾く「半音音階ギャロップ」がみつかりましたのでご覧ください。http://www.youtube.com/watch?v=tmq5JBpFf9w
上述の「剣の舞」の映像も新しくアップしました。

投稿: アラン・墨 | 2010年3月18日 (木) 21時43分

こんにちは。ご親切に色々とお気遣いありがとうございます。今後もしもリストやショパンに関する疑問がある折には、質問させて頂きますね^^

シフラの夫々の演奏、早速聴かせて頂きました。どちらも早弾きが際立ってシフラの技巧ぶりが伺えます。「剣の舞」は比較的有名な作品と思いますが、「半音階ギャロップ」は耳慣れない旋律が逆に目新しく感じられます。

思うに“ひたすら技巧に走った”・・・表現として恐らく、単細胞的という印象が強いものと思われます。確かに徹頭徹尾余裕も余韻もない曲調に貫かれていますね。

かなり以前になりますが、ロバート・ゼメキス監督作品の「ロジャー・ラビット」のメインタイトル(確か)のピアノの曲調が「半音階~」と少々重なりました。「ロジャー~」はアニメーションキャラクターと実際の俳優を当時のSFX技術で組み合わせ、「共演」させた異色のサスペンスコメディですね。作風に合わせて使用された音楽も“騒々しく慌しい”コメディタッチに統一されています。

作者と弾き手の意図はともかく、「半音階~」もは“騒々しいまでに”軽く(下手すると軽薄な)明るめのタッチが奇妙なユーモアを醸し出している内容だな、と私は思いました。

投稿: ワン | 2010年3月21日 (日) 13時02分

ワンさん。こんばんは。
「半音階ギャロップ」・・・原語にグランドと入っているので「大半音階ギャロップ」と言うのでしょうか。たしかにアニメ・カトーンに使うと似合いそうですね。この曲を弾くのはシフラくらいしかいないかもしれません。「ロジャー・ラビット」は観たのですが、アニメが本編とうまくシンクロしていること以外はあまり印象にありません。アメリカのギャグやアニメに精通していないと面白くないかもしれませんね。私はフレッド・クインビーの制作したお馴染みのアニメは少しは知っているのですが。
リストの作品ではソナタ・ロ短調が一番気に入っている作品です。名人芸を披露するだけの作品も楽しんでいます。ホロヴィッツが自分で編曲して演奏しているハンガリアン・ラプソディー2番は曲のお終いのほうの部分では腕が三本あるように聴こえて、驚いてしまいます。

投稿: アラン・墨 | 2010年3月21日 (日) 22時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/412224/22181602

この記事へのトラックバック一覧です: シフラの演奏:

« あなただけ今晩は | トップページ | 昼下りの情事 »