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チャレンジャーの空中爆発

ディスカバリーチャンネル スペース・シャトル 発射までの舞台裏 DVD ディスカバリーチャンネル スペース・シャトル 発射までの舞台裏

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7月23日に日本テレビで放送された「ザ!世界仰天ニュース」で、スペースシャトル・チャレンジャーの事故を、アメリカの再現ドラマを元に分析していたが、なにを今更と感じた。

あんなことはトックの昔に検証され済みであり、原因は周知されていることだ。しかも、過去にドキュメンタリーや再現ドラマで、技術者とNASAの軋轢の話も繰り返し放送されている。

番組の中では固体ロケットブースター(Solid.Rocket.Booster)のことを「打ち上げロケット」と呼んでいて、これには笑ってしまったが少し腹もたった。

ちょっと視聴者をバカにしているのではないだろうか。スペースシャトルが初飛行してから四半世紀以上たっているが、世界的にも日本でも、あの2本のロケットブースターは「固体ロケットブースター」、あるいは略して「SRB」と呼ばれて広く知られているはずだ。

それを分かりやすく説明しようと思ったのか、視聴者のほとんどは知らないと思ったのか「打ち上げロケット」とまるで幼児にでも教えるような言い方をしている。

番組の台本作家のオニイサン。あなただけが知らなかったんじゃないの。

そのうえ番組では、事故原因はブースターのOリングからの「燃料モレ」という解説をしていて、これは間違っている。

固体の燃料(砂けしゴムのような形態)が直接もれる訳がなく、実際は「燃焼ガス」が漏れたのである。もう少し科学的に、できれば理系の先生などに台本をチェックしてもらいたい。

ところで、この固体燃料ブースターとしては世界最大のSRBの推力は、1本で1120トンあり、ジャンボジェット11機ぶんのパワーをもつ馬鹿力のもので、計算上は2本だけの燃焼でシャトル全体を持ち上げることができるしろものだ。

液体水素と液体酸素を燃焼させるオービターの三つの液体ロケット・メーンエンジンは全推力510トンで、SRBと同時燃焼でシャトルのバランスを保ち、全体の上昇加速を受け持つ。

そのときのシャトルの姿勢を人間が立っている姿に例えれば、、前かがみになったオジイチャンが杖をついている様に似ていて、2本の足がSRBであり、杖がメーンエンジンだと思えばよい。

なお、日本のH2シリーズのロケットも二本のSRBだけで充分上昇できるパワーを持っている。 ただし、上昇中に液体メーンロケットが停止すればミッションアボート。打ち上げ失敗。 SRBの燃焼だけで海上に移動させ墜落させることになる。

これはたぶんスペースシャトルも同じ状況となるだろうが、高高度であれば、オービターを切り離し飛行場に着陸できるかもしれない。

その場合、オービター軌道操作エンジンは宇宙の真空中で作動するように作られているので、大気中の飛行には使えない。やっぱりグライダーとして降りてくるしかない。

追記: 高高度でミッション・アボートの場合、シャトルをブースターから切り離しても、ペイロードが重く、滑走路に着陸できないかもしれない。

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