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2008年7月

キャリー

キャリー (特別編) (ベストヒット・セレクション) DVD キャリー (特別編) (ベストヒット・セレクション)

販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2007/10/24
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洋画メモ、NO,37、DVDレンタル

1976年、ユナイテッドアーティスツ、ビスタサイズ、98分

監督- ブライアン・デ・パルマ、撮影- マリオ・トッシ、

音楽- ピノ・ナジオ

出演- シシー・スペイセク、パイパー・ローリー、

エイミー・アーヴイング、ジョン・トラボルタ、ウィリアム・カット

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スターウォーズが流行っているころ、映画館の予告でこの映画を知った。 当時、「ああ、またエクソシスト系の同類映画が来たな」という程度でしか思っていなくて、観る気はなかったが、スティーヴン・キングが原作ということを後で知り、永年気になる存在ではあったので、観ることにした。

キングの原作物では初めての映画ということで、やはりイジメ問題がキーとなっている。 この人の作る話にはこういう問題を抱えた人物がよく出てくる。

キングのインタビューを主体としたドキュメンタリーを観たことがあるが、その中で彼は「高校時代が楽しかったという人が信じられない。私の人生にとってあの期間はマイナスだった」というようなことを述べていた。

多分、彼もイジメにあったのだと思う。それがこの映画の原作に、思春期の女性という立場に換えて反映されている。

映画の予告での印象は、なぜ女の子が血まみれなのか分からなかったが、ようやく状況が分かった。

サイキックにより、物が燃えたり、何かが動いたりというのは、当時より少し前の超能力ブームにより、特に目新しいものでもない。

そのキャリーがサイキックを発揮する場面では、キャリーの顔と超常現象の部分とが画面で2分割されていて、私は映画予告だけの見せ方だと、永年思っていたのだけれども、映画の本編でもそのとおりだった。

私はどうもこういうテクニックは苦手である。2分割は「大空港」などの電話のシーンなどに使われているが、映画が安っぽく感じられてしまう。編集を逃げているように思えてしまう。

実際、特典映像のデ・パルマのインタビューで、彼はこのやり方は失敗だったと言っている。

音楽は、サイキック・シーンでは「サイコ」のシャワーシーンで使われたバイオリンの「キュン・キュン」という音がモロ・モノマネで使われていて、ヒドイなと感じたが、デ・パルマ監督はバーナード・ハーマンを音楽監督に希望していたらしく、それが彼の急逝でかなわなくなり、急遽、ハーマンを尊敬していたピノ・ナジオに依頼したということだ。

だから、あの「キュン・キュン」はハーマンへのオマージュと言えなくもない。

また、登場した高校の名がベイツなのは「サイコ」からとったそうだ。

シシー・スペイセクや母親役のパイパー・ローリーの体当たりの演技がいい。

トラボルタが自然で即興的な演技で感心した。彼女ら彼ら、若い俳優たちはこの映画によりスターダムに昇った。 特に女性の一部の人は冒頭のシャワーシーンでフルヌードを披露していて、その度胸には感服してしまう。

今観ると、それほどの大作映画に見えないが、この映画以降に使われたホラー物の数々の脚本やカメラのテクニックの元を発見できる。

物語の終盤、なんとか終わってよかった、安らかに眠ってください、という油断を与えた瞬間、ショックを起こさせるのはこの映画が始めだろうか。

この映画の特典映像で、一つ撮影技術を覚えた。それはスプリット・ジオスターレンズというもので、画面の中央で近距離のアップのレンズとロングのレンズを接着させたかのようなレンズによる撮影テクニックで、強制的にパンフォーカス撮影をさせる手法だ。(パンフォーカスというよりもダブルフォーカスといったほうがよい)

それを使ったシーンは体育の先生が、グランドで女子生徒をシゴイているときや、教室の授業のときなどがある。

パンフォーカス撮影は「市民ケーン」などで有名だが、レンズの絞りを最大に絞っても、あまりにも一方がアップの場合は撮影が困難で、このレンズを使えば、まるで合成したかのように、極端な奥行きの撮影ができる。 ただしアップレンズ側の背景はボケボケになってしまい、2分割されていることが良く分かる。

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U・ボート

U・ボート ディレクターズ・カット DVD U・ボート ディレクターズ・カット

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2005/01/26
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特撮メモ、NO,21、DVDレンタル

1981年、配給コロンビア、ビスタサイズ?、209分、画質良

原題- Das Boot

脚本・監督- ウォルフガング・ペーターセン、撮影- ヨスト・ヴァカーノ

音楽- クラウス・ドルディンガー

ミニチュア撮影- Ernst.Wild、特撮監督- Karl.Baumgartner

出演- ユルゲン・プロホノフ、ヘルベルト・グレーネマイヤー、クラウス・ヴェンネマン

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1997年のディレクターズカット版を観た。209分は長い長い。

もともとは全6話のテレビ番組として制作されたそうで、それを編集して映画にされた。だから撮影されたフィルムは山ほどあった訳だ。

その撮影にはなぜだかフジフィルムが使われている。

音楽はテレビの災害や事故などの「衝撃映像」シリーズなどのエンドミュージックに使われているお馴染みのもの。

リアルな狭い潜水艦内の撮影は手持ちカメラを使用しているが、ステディカムは使っていない。カメラのブレはそれほど気にならず、狭い艦内をうまく撮影している。通路を走る映像は、自分も乗員になったような臨場感がある。でもこの撮影ではカメラマンも何度もコケてNGを出したのではないだろうか。

撮影するのに照明が問題となるが、艦内各所にわざと照明ランプをつるしてカバーしていた。だから実際のUボートにはあんなに沢山の照明は無いはずだ。深海潜行中はバッテリー駆動であり、電気がもったいないので。

潜水艦映画というとやはり艦長の苦悩と、狭い艦内での乗員の心理的葛藤が描かれるのが定石で、それに水圧の恐怖が加わる。たいてい精神的におかしくなる人物が一人いる。

それにしてもこの映画ほど、潜水艦内の描写をリアルにしたものは後にも先にも無いと思う。 いたるところに食料をつるした艦内セットはもちろん、全長60メートルの実物大レプリカは、潜水はできないものの、大変な制作費がかかっている。

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実物大レプリカは海面走行のみの撮影に使用。荒れた外洋でのシーンではそのレプリカかミニチュアか、どちらを使ったか判断できない。それだけ優れた撮影と言える。

潜水と浮上するシーンには、私の見た限り10メートル前後のミニチュアを使用している。潜水のカットと浮上のカットはともに実際の海で撮影していて、圧倒的実写感がある。特撮と気が付かない人がいるかもしれない。

水中シーンでの撮影は同サイズのミニチュアを使用しているのか、これも判断できない。紺色の水中ではなく、緑色をしていて視界も良くなく、はっきり見えないがかえって不気味な実写感がある。 

追記:ユーチューブでのメイキングの説明によると、ドイツ語なのであくまで推察だが、水中撮影でのミニチュアのサイズは6メートルと言っている。また外海で撮影されたものは8メートルと聞こえた。

メイキングオブ「U・ボート」、パート1

http://jp.youtube.com/watch?v=pjcLPEmDK2I&feature=related

これに反して日本映画でのこの種の特撮では、明るすぎるうえ水中でなくスタジオで小さい模型を使って撮影しているので、海中の実写感に乏しい。

駆逐艦などの船底を水中から俯瞰するカットではハイスピード撮影されてなく、実写感に欠けていた。他のシーンがいいので残念なカットである。

水中での爆雷による爆発ファィヤーボールの撮影はすばらしかった。スタジオ撮影では絶対表現できないリアルな映像。

イギリス貨物船が炎上爆発するシーンは標準的な特撮。ハイスピート撮影が適切。ただし、ミニチュアが小さく残念。2メートル前後のミニチュアだった。すこしでも大きいほうがいいのだが。

港の夜景のミニチュア特撮も良かった。デレク・メディングスの遠近法を巧みに使った撮影に近い。

浮上した潜水艦ブリッジでの撮影はフロントプロジェクション使用。実際の海上で撮影したみたい見える。ただしバックスクリーンに汚れがあるのが分かった。

ドイツの名も知れない特撮スタッフがすばらしい仕事をしている。

名ばかり知られている日本の特撮監督は、観るに耐えない特撮シーンを、恥ずかしげもなくカットせずに本編に入れてしまう。

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チャレンジャーの空中爆発

ディスカバリーチャンネル スペース・シャトル 発射までの舞台裏 DVD ディスカバリーチャンネル スペース・シャトル 発射までの舞台裏

販売元:角川書店
発売日:2004/10/22
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7月23日に日本テレビで放送された「ザ!世界仰天ニュース」で、スペースシャトル・チャレンジャーの事故を、アメリカの再現ドラマを元に分析していたが、なにを今更と感じた。

あんなことはトックの昔に検証され済みであり、原因は周知されていることだ。しかも、過去にドキュメンタリーや再現ドラマで、技術者とNASAの軋轢の話も繰り返し放送されている。

番組の中では固体ロケットブースター(Solid.Rocket.Booster)のことを「打ち上げロケット」と呼んでいて、これには笑ってしまったが少し腹もたった。

ちょっと視聴者をバカにしているのではないだろうか。スペースシャトルが初飛行してから四半世紀以上たっているが、世界的にも日本でも、あの2本のロケットブースターは「固体ロケットブースター」、あるいは略して「SRB」と呼ばれて広く知られているはずだ。

それを分かりやすく説明しようと思ったのか、視聴者のほとんどは知らないと思ったのか「打ち上げロケット」とまるで幼児にでも教えるような言い方をしている。

番組の台本作家のオニイサン。あなただけが知らなかったんじゃないの。

そのうえ番組では、事故原因はブースターのOリングからの「燃料モレ」という解説をしていて、これは間違っている。

固体の燃料(砂けしゴムのような形態)が直接もれる訳がなく、実際は「燃焼ガス」が漏れたのである。もう少し科学的に、できれば理系の先生などに台本をチェックしてもらいたい。

ところで、この固体燃料ブースターとしては世界最大のSRBの推力は、1本で1120トンあり、ジャンボジェット11機ぶんのパワーをもつ馬鹿力のもので、計算上は2本だけの燃焼でシャトル全体を持ち上げることができるしろものだ。

液体水素と液体酸素を燃焼させるオービターの三つの液体ロケット・メーンエンジンは全推力510トンで、SRBと同時燃焼でシャトルのバランスを保ち、全体の上昇加速を受け持つ。

そのときのシャトルの姿勢を人間が立っている姿に例えれば、、前かがみになったオジイチャンが杖をついている様に似ていて、2本の足がSRBであり、杖がメーンエンジンだと思えばよい。

なお、日本のH2シリーズのロケットも二本のSRBだけで充分上昇できるパワーを持っている。 ただし、上昇中に液体メーンロケットが停止すればミッションアボート。打ち上げ失敗。 SRBの燃焼だけで海上に移動させ墜落させることになる。

これはたぶんスペースシャトルも同じ状況となるだろうが、高高度であれば、オービターを切り離し飛行場に着陸できるかもしれない。

その場合、オービター軌道操作エンジンは宇宙の真空中で作動するように作られているので、大気中の飛行には使えない。やっぱりグライダーとして降りてくるしかない。

追記: 高高度でミッション・アボートの場合、シャトルをブースターから切り離しても、ペイロードが重く、滑走路に着陸できないかもしれない。

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アパートの鍵貸します

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洋画メモ、NO,36,DVDレンタル

1960年、ユナイテッドアーティスト、白黒、シネスコ、125分、画質良

原題- THE APARTMENT

アカデミー作品賞、監督賞

脚本- ダイアモンド、ワイルダー、制作・監督- ビリー・ワイルダー

撮影- ジョセフ・ラシェル、音楽- アドルフ・ドイッチ

出演- ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン、フレッド・マクマレー

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「あなただけ今晩は」はこの映画を観てから観るべきだったと感じた。観る順番を間違えた。

レモンとマクレーンのコンビは次元を換えて後のその映画で再登場する。

今まで全くのお笑い映画だとばっかり思っていたが、けっこうしっとりとした恋愛物だった。可笑しいシーンは沢山あるのだが。

コンパクトの鏡やテニスラケット、バーカウンターに並べたマティーニ?のオリーブ?、拳銃の音に似せたシャンパンの栓の音など小道具の使い方が粋だが、どうしたらああいう脚本が書けるのだろうか。日本の脚本家にはとてもこうは書けないような気がする。

ドクターの言葉がバクスターの行動のキーとなっていて、「人間らしく生きる」という日本語の訳が、英語のセリフのニュアンスからうまく字幕に表現してあるだうか。このへんはもう一回観なければ私も分からない。

レモンがスパゲッティを調理しているシーンのタイミングが絶妙だが、多分何回もテイクを重ねたと思う。NGテイクが観られたら面白いだろう。

そのときの彼の歌が面白くてまた笑ってしまう。「ミスターロバーツ」のときも、まるでポパイの歌うスイングのような歌が面白くて笑ったものだ。

マクレーンの涼しい青い瞳を見たかったのだが、あいにく白黒映画で残念だった。(パッケージの写真は色つきなのに)、この頃の彼女は少し太って見えた。

睡眠薬を大量に摂取したときの治療はああいうものなのだろうか。

音楽はやっぱりどこかで聞いたことがある曲。

1959年当時のアメリカのオフィスを見られて勉強になった。そろそろIBMの電算機が職場に進入し、リストラされるのではという危機感を表現しているシーンがあった。

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イージーライダー

イージー★ライダー DVD イージー★ライダー

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2006/12/20
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洋画メモ、NO,36、レンタルDVD

1969年、コロンビア、ビスタサイズ?、94分、カットによって粒子が粗い。

制作- ピーター・フォンダ、監督- デニス・ホッパー

撮影- ラズロ・コヴァック

出演- ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン、

カレン・ブラック、ルーク・アスフォー

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マスターフィルムが紛失していたそうで、幸いみつかりDVD化された。

ただし、カーニバルの夜間撮影での増感現像のシーンを除き、時々フィルムを拡大トリミングしたような荒い粒子のカットがある。さらに色合いが古い絵葉書のようなカットもある。これはDVD化での問題かもしれない。

34万ドルの予算で600万ドル稼いだ作品だそうだが「いやー面白かった」と言う作品ではない。

根本的にラリッている映画なので、「そこんとこヨロシク」というものだと思う。

「2001年宇宙の旅」のスターゲートコリドーのシーンが始まると「グラス」を吸い始める連中が、1年たって再びラリながらこの映画を観たのだろうか。

ロードームービーというのはいいもんだ。バイク版「世界の車窓」という感じ。だからフォンダとホッパーが野宿しているシーンになると少しがっかりしてしまう。ずーっとハーレーで走っていたいんですな。そういう映画があってもいいと思う。

最近は大型二輪の教習所での免許取得も楽になり、また高速道二人乗りも緩和されたおかげで、道路ではハーレーが繋がった親子のダイコクネズミのように走り回っている。ライダーはたいてい、50代以上のいいオッサンで、やはりこの映画が頭の隅に焼付けられていてハーレーにあこがれているのだろう。

アマノジャクの私はこれだけハーレーだらけになると全く乗る気にならない。 

またVツインOHVエンジンの「ドタバッタン・バッタン」という排気音も私の好みではない。

しかし、二輪・限定解除の試験の合格率が5パーセントの頃に、アメリカから個人輸入したハーレーに乗っていたライダーはたしかにカッコヨカッタ。

この映画ではフォンダのチョッパーは前輪にブレーキが無く、ちょっとスピードを出すのは怖そうだ。車にせよ二輪にせよ、ブレーキは前輪が70パーセント担っているのだ。あの後輪ブレーキしかないバイクではせいぜい時速60キロしか出せないだろう。 ま もともとスピードを求めるバイクではないのだが。

撮影はカーニバルのシーンから始まったそうで、これはもう即興もいいとこ、完全なゲリラ撮影で混乱している。

前半のシーンも、何かギコチナク、出演者の演技も堅いが、ジャック・ニコルソンが出でくるところから画面や演技が締まってきた。

彼の自由に関するウンチクのセリフは印象にある。「アメリカは自由のためなら殺人も平気だ」という言葉は40年たった今でもまったくその通りだ。

キリスト教に関する思わせぶりのシークエンスが多いが、知識の無い私には意味が分からない。

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妻の心

成瀬巳喜男 演出術―役者が語る演技の現場 成瀬巳喜男 演出術―役者が語る演技の現場

販売元:ワイズ出版
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邦画メモ、NO,30、NHKBS

1956年、東宝、スタンダード、白黒、97分、画質普通

制作- 藤本真澄、脚本- 井手俊郎、監督- 成瀬巳喜男、助監督- 梶田興治、

撮影- 玉井正夫、音楽- 斎藤一郎、

出演- 高峰秀子、小林桂樹、三好栄子、千秋実、中北千枝子、根岸明美、三船敏郎、

田中春男、杉葉子、加東大介、沢村貞子、北川町子、塩沢登代路、本間文子、土屋嘉男

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東宝の知ってる俳優さん、好きな俳優さんばっかりで、その顔ぶれを観るだけで満腹しました。

高峰秀子さんはほとんど和服で登場。地味な生地で清楚。似合っている。この女優さんの半生は、たいへん気の毒な私生活だったことを最近知った。女優業もイヤイヤ仕方なしにしていたということらしい。

成瀬映画にめずらしく三船が出演、野武士やヤクザや侍でなく、背広でバッチリきめた銀行員というインテリ役で、アクションのない彼もまたいい。

高峰とは心では惚れあっているのだが、声に出して言えない。このデクノボー的演技が、黒澤映画でのダイナミックさとは対称になっていて、また違う三船の顔が見られた。私生活での三船も不器用な人物でこのキャラに近いのではないか。

二人が茶店で雨宿りしているときの目の演技がいい。

裸の大将から総理大臣までこなす小林桂樹さんは高峰の夫役なのだが、今回は意志の弱い人物を好演。社長シリーズでの秘書のように「ハイーッ」と言って走り回るのでなく、まったくボソボソした人間なのだが、やっぱりなんでもできる俳優さんだ。

成瀬映画定番の金の工面に困る話。借金して予算100万円で喫茶店を開業するのが話しの柱となっている。高峰と小林が、裏の空き地でテーブルやカウンターの位置を想像するシーンは黒澤の「素晴らしき日曜日」を思い起こす。

最近亡くなった根岸明美さんが、ごく普通の娘さん役で出演している。洋服を着ていてもたいへんグラマー。

甲斐性のない千秋実の夫をもつ中北千枝子さんは成瀬映画のレギュラーと言ってもいい。この人はこういう情けない夫を持っているか、子供を連れた未亡人、あるいは離婚した役がほとんど。

加東大介、沢村貞子の兄弟は喫茶店経営の夫婦として出演。ふたりともコズルイ役も結構、映画では多いが、今回は全くの善人、喫茶店の開業のため調理を勉強する高峰をやさしくバックアップする。 この喫茶店のシーンはこの映画で唯一明るく楽しい。この二人の息がぴったりで、実の兄弟であることは観客も分かっているので、このキャスティングは監督かプロデューサーの作戦かもしれない。

塩沢トキさんがちよっとオテンバな芸者役で朗らかな顔を見せてくれる。このころは登代路という名だった。基本的に美人で、たしか東宝ニューフェースの応募で狭き門をくぐって女優になった人である。

喫茶店の開業のシーンはなく、高峰と小林がなんとなく、よりを戻して、二人の笑顔で終わりとなるが、文学的センスの無い私は開店シーンまで見たかった。

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原子力潜水艦浮上せず

ディスカバリーチャンネル Extreme Machines 原子力潜水艦 DVD ディスカバリーチャンネル Extreme Machines 原子力潜水艦

販売元:角川書店
発売日:2002/11/21
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洋画メモ、NO,35,NHKBS

1978年、ユニバーサル、テクニカラー、シネスコ?、110分

原題- Gray Lady Down

制作- ウォルター・シリッツ、監督- ディヴィット・グリーン、

撮影- スティーブン・ラーナー、音楽- ジェリー・フィールディング

出演- チャールトン・ヘストン、ディヴィット・キャラダイン、スライシー・キーチ

スティーブン・マックハッティ

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「スターウォーズ」が流行っているころ公開されていたのを思い出す。映画館に掛けられた看板まで記憶しているが、分かりやすい率直な邦題ゆえ、あえて観なかったものだ。それにどこかで、ミニチュア特撮が良くないと聞いたような気がする。だから観るまでもないかと捨てていた作品だ。

だが、放送されたのを機会に録画して観ることにした。

やはり潜水艦や潜水艇のミニチュア特撮は「レッド・オクトーバー」や「Uボート」などと比較してレベルの低い撮影だった。

ミニチュアが小さすぎる。潜水艦は恐らく3メーター位のサイズ、潜水艇にいたっては30センチくらいのものだろう。その小さい潜水艇がプワプワとクラゲのように深海を動いていて水圧を感じない、重量感がない。

「Uボート」で使われた潜水艦ミニチュアなど、10メートル近い大きさのもので、圧倒的実写感があったものだが。

ただし、ちゃんと水槽の中にミニチュアを沈めて撮影されていて、そういう所はしっかりとしていた。

が、いかんせん、ミニチュアが小さいので、あちこちから噴出す空気の泡が大きくて、巨大感がない。

とはいえ、円谷英二やその弟子たちのように、スタジオの中にニセモノの海中を作って撮影するものよりはマシだった。

映画の内容については、盛り上がりに欠けていた。観終わって「なーんだ、これだけの話」というもの。

キャラダインのキャラもいつもとおり、上官に逆らうスタンドプレイタイプの人間で、これはもうヒーローのステレオタイプと言っていい。あの当時の映画だから許せるが、今となっては、映画では使い古しの人間像だ。自己犠牲もカビ臭い。第一、キャラダインが一人で潜水艇に乗り込んだところで、自分の命を犠牲にするだろうということが予想できて、先がミエミエだった。

実際に存在する救命艇にしても、メカ的な紹介が一切無く、救出もウソみたいである。 潜水艦にドッキングした際のハッチ部分の接合のシカケや通路の排水方法なども見せれば、緊迫感が増したと思う。

ただチャールトン・ヘストンが、時々、弱い面を見せる人間だったのがよかった。

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昼下りの情事

昼下りの情事 [スタジオ・クラシック・シリーズ] DVD 昼下りの情事 [スタジオ・クラシック・シリーズ]

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洋画メモ、NO,34、NHKBS

1957年、MGM,スタンダード、白黒、134分、画質良

原題-、Love in the Afternoon

脚本- ダイアモンド、ワイルダー、監督- ビリー・ワイルダー

撮影- ウィリアム・C・メラー、音楽- フランツ・ワックスマン

出演- ゲーリー・クーパー、オードリー・ヘプバーン、モーリス・シュバリエ

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「魅惑のワルツ」、Fascinationは、この映画の曲だとばかり思っていたが、1932年に作られた曲とウィキで分かった。短い曲だが、一瞬、休符で停まるフレーズのところが素敵だ。

ファッシネーションの意味は「魅惑」という抽象的表現よりもあこがれて「ポーッ」とすることであり、実際にヘプバーンがポーッとしているシーンがいくつかあった。

最初から中間部にかけては、少々退屈だった。それにヘプバーンのヘアスタイルがどうも私の好みでない。

彼女は20歳くらいの設定だったと思うが、当時26歳で、音楽学生に見えない。どこかの夫人という感じだ。

それにパリのコンセルヴァトワールに通ってるにしては、チェロが下手くそで、あれでは実際の音楽院の学生も怒るのではないか。

クーパーは当時56歳ということで、これも少し老けて見える。

私立探偵の父親もクーパーに負けず魅力的な人物で、晩年のチャップリンのように、落ち着いた紳士だった。フラナガンに自分の娘の報告をするシーンは感情的にならず、特に印象にある。 彼のフランス語ナマリの英語がいい。

追記:この父親のセリフで「娘がうつ伏せに寝ているのは恋をしている証拠だ」というのが有名。

その探偵事務所にクーパーがやってくるところからエンディングにかけて俄然面白くなる。駅のホームでのシーンなど、ちょっしたドンデンガエシもあり、脚本が粋だ。これが平凡な脚本だと、そのまま別れとなって、ジ・エンドマークとなるところだ。

相変わらずワンちゃんが出てくる。

マリアンヌが楽譜立てに広げたフラナガンのゴシップ記事の中に、市民ケーンのモデルとなった新聞王が死去したというタイトルの日本語記事があり、その写真はフラナガンが風呂に入って日本の芸者に背中を流してもらっているものだった。

しかも「記者」の文字が「設者」となっていた。映画の冒頭で東京を大都市として紹介しているのなら、日本語ぐらいちゃんと調べてほしいですな。 「007は二度死ぬ」の風呂のシーンはこの写真の影響があるのではないだろうか。

クーパーが使っていた録音機が不思議で、当時あんなコンパクトなテープレコーダーがあったのだろうか。アンプ部分は当然真空管式で、あのころのソニーのデンスケなどデカクテ重かったものだが。それに巻き戻ししないで再生していて、マイクはスピーカーの代わりもしているようだ。

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シフラの演奏

 ピアノ作品集/Cziffra Plays Transcriptions ピアノ作品集/Cziffra Plays Transcriptions
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ジョルジ・シフラと言えば、ハンガリー出身のビアニストで「リストの再来」と言われた人だ。

ピアニストのなかで、リスト弾きは沢山いるのだが、中には巨匠の雰囲気を装うためか、わざと難曲をゆっくり弾いて「どうです、味わいのあるリストの演奏でしょう」と、ゴマカシてしまっている人もいる。

リストのピアノ曲というのは、晩年の作品を除き、はっきり言って名人芸で、原色的イメージの単純なものであって、超絶的にできるだけ早く、大きな音を出して弾くのが正しい。

そんなピアニストがいる中で、シフラは文句無く、正真正銘のリスト弾きだ。

彼は速く弾けるものは出来るだけ速く、大きな音が出せるものは出来るだけ大きな音を出して演奏した。

また、可能な限り、難しく編曲して弾いた。この原曲をピアニストが編曲して演奏するというのは、19世紀では普通のことであり、作曲家も公認のことで、リスト本人もそうだった。 ただし、ショパンは、自曲の演奏はオリジナル通り弾くことを望んだ作曲家だった。

私の子供のころのリストの演奏レコードというと、ほとんどシフラだった。東芝EMIのエンジェルレコードというのが、彼の演奏のものだった。

そのレコードの中で、リストではなく、ハチャトリアンの「剣の舞」の録音があり、彼のアレンジによるこの演奏が、まったくKICHIGAIじみているというか、人間技を超えたデーモニッシュな編曲と演奏で、数十年も前から驚嘆していたのだが、その演奏の楽譜がユーチューブで見つかったので、メモをする。親切に演奏に合わせて楽譜が動いてくれる。

http://www.youtube.com/watch?v=7PNMfluyxyk

さらに、この演奏を自動ピアノで弾いた演奏があったので、これもメモしておく。

鍵盤とハンマーのすさまじい動きが良く分かる。

http://www.youtube.com/watch?v=Sn8y0u-Gt8A&feature=related

追記:オリジナルの楽譜では、伴奏のバス音は和声が厚いが、自動ピアノ演奏では単なるオクターブ音になっている。

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あなただけ今晩は

あなただけ今晩はビリー・ワイルダー あなただけ今晩はビリー・ワイルダー

販売元:DVD-outlet
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洋画メモ、NO,33、NHKBS

1963年、ユナイテッドアーティスト、シネスコ、パナビジョン、146分、画質良

原題- IRMA La DOUCE

脚本- I.A.L・ダイアモンド、ワイルダー、

監督- ビリー・ワイルダー

撮影- ジョセフ・ラシェル、

音楽- アンドレ・プレビン・アカデミー音楽編曲賞

出演- ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン、ブルース・ヤーネル

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原題のDOUCEの意味が分からない。フランスのパリが舞台で、タイトルがフランス語なのに、出演者は全員英語をしゃべっているのはいかがなものか。

ジャック・レモンの変装など、親しい相手には分かってしまうでしょうが。

レモンが市場で重労働をして、またイルマのアパートに忍び込むのだが、体に浸み込んだ肉や魚の匂いでイルマもすぐ気が付くでしょうが。 それに街娼とポン引きの話なんて不謹慎である。・・・・・・

「まあまあ、かたいこと言わないで、これだから日本人は困る、たかが映画じゃないか」

と、ワイルダーの声が聞こえそうだ。

1963年当時の日本人では、実際にあのような批評があったかもしれない。学校の先生とかPTA、とくに手塚治虫の漫画を弾劾した、「荒唐無稽」という言葉しか知らない貧しい精神の人々など。

実際、荒唐無稽と言われればそうかもしれないが、脚本の元となったものはミュージカルだそうで、喜劇だとしても、ありえないような少し飛んだ話はそのせいかもしれない。 ワイルダーはミュージカルが嫌いなんだそうだが、歌にするところをテンポのいい会話とシャレたセリフでミュージカル的楽しさを演出している。

ジャック・レモンが、フランスのお巡りさんの恰好をして前から歩いて来る、初登場のシーンでもう笑ってしまう。チャップリンのような、出てくるだけでおかしい、そういう雰囲気を持っている人だ。

シャーリー・マクレーンが素敵で、彼女の涼しい眼差しと下着姿にコロッといってしまった日本人男性はけっこういるのではないか。彼女が芸者になった映画は観ていないけれど、スナップを見るとけっこう似合っていた。

音楽が「グレート・レース」的、バカ騒ぎのような曲で楽しい。おなじみのものだが、この映画の曲とは知らなかった。

ダイアモンドと組んだワイルダーの脚本が素晴らしいというのが大方の意見であるが、たしかにセリフにせよ画面にせよ、見逃せないし、聞き逃せない。ただし、英語が少し分かっていた方がもっと楽しいかもしれない。

ワイルダーの映画を劇場で観ている最中、トイレに行くのは野暮なことだ。

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アニメのピアニスト

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ユーチューブ・サーフィンをやっていると、思わぬ映像に出くわし、もうけた気分になれる。

最近は「トムとジェリー」制作の元となった、

「ミルキーウェイ」1940年作品、http://jp.youtube.com/watch?v=V2URYX9nfQA

やアヴェリー作品の未見のものまで発見して大喜びしている。

あの当時のアメリカのアニメのキャラクターたちは、よくピアノを弾いている。 リストの「ハンガリアン・ラプソディー2番」に関しては、三匹の動物たちが弾いていた。

★まずはミッキー。1929年の作品

http://jp.youtube.com/watch?v=o5zdHAspBAQ&feature=related

出だしはラフマニノフの前奏曲。その後リストを弾いている。当時ラフマニノフは健在で、彼は「私のこの曲はどこでも弾かれているが、ミッキーの演奏が一番良かった」と言っている。

★そしてWBのバックス・バニー。1946年作品。

http://www.imeem.com/superaton/video/TlKn7kQt/rhapsody_rabit_animation_video/

これがなんと「トムとジェリー」のアカデミー賞作品「キャット・コンサート」の前年に公開されていた。 リストの曲だけでなく8ビートのジャズや「チョップスティック」まで弾いている。 トム・ジェリの作品は、この作品の影響を受けたことは大である。

しかも、前に指摘したことがあるが、グランドピアノの内部の描写で、ハンマーが上から下に降りて弦を叩くという構造上の間違いまで一緒だ。

だが、作品の出来具合としては、やはりトム・ジェリの作品のほうが優れていると私は感じた。 さすがアカデミー賞を取るだけあって、構成が卓越している。 似ているシーンがたくさんあるが、モノマネに終わっていない。 それに対してバックス・バニーの方はカット割が荒削りだ。ネズミのキュラクターも貧弱に感じる。

★そしてこれが「トムとジェリー」の1947年、アカデミー賞作品。

http://jp.youtube.com/watch?v=fqxZ3AYjuJo

オープニング・タイトルで流れている曲は、ショパンの24の前奏曲の24番目をオーケストレーションしたもの。

ウッドペッカーもピアノを弾いていたのを記憶している。これから探してみよっと。

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皇帝円舞曲

 Movie/皇帝円舞曲 Movie/皇帝円舞曲
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洋画メモ、NO,32、NHKBS

1948年、パラマウント、テクニカラー、スタンダード、106分、画質良

原題- The Emperor Waltz

監督- ビリー・ワイルダー、撮影- ジョージ・バーンズ、

音楽- ビクター・ヤング

出演- ビング・クロスビー、ジョーン・フォテーン、ローランド・カルヴァ

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ワイルダー監督は現在ポーランド領のオーストリア出身で本名はザームエル・ヴィルダーということをウィキで知った。私はずっとイギリス出身と思い込みをしていた。ビリーは母親からつけられたあだ名だという。西部劇映画からとったという。アメリカに渡ってからは英語に苦労したらしい。

この映画はワイルダー唯一のミュージカルだそうだ。私は最初、ミュージカルと思わなかったので、クロスビーがヨーデルを歌いだしたシーンではちょっとタモリ的にズッコケタ。

ワイルダーの映画は回想シーンで始まるものが多いのだそうで、この映画もそういうスタイルだった。

ビング・クロスビーはたいしてハンサムでもなく、最初の登場も、何かに腹を立てているらしく、眉間にシワを寄せていて、いい印象ではなかった。しかし、あの甘い歌声を聴くと、女性は伯爵令嬢のようにウットリとしてしまうだろう。男性の私はただ悔しいだけだったが。

ジョーン・フォンテーンは確かに素敵な美人だが、肩パットの入った衣装のため、いかつい体格に見えてしまっていたのが少し残念だ。この人、日本生まれで、聖心女子学院に3年いたという。日本語はある程度わかるんでしょうな。大変頭のいい人らしい。

ワイルダーはヨーロッパで新聞記者をしていたとき、フロイトにインタビューに行き、門前払いされたという。そのためであろう、ドイツ語ナマリの獣医が犬にフロイト的精神分析をする傑作シーンがあり、徹底的に彼をオチョクッテいる。そのときの犬のプードルが病に苦しんでいる演技をしているのもおかしい。

クロスビーの犬が蓄音機のラッパを覗くシーンがあり、おなじみのアングルに誰もが笑うだろう。パラマウントという会社はRCAとつながっていましたっけ。

オーストリア皇帝が機知にとんだ、理性的な人物として描かれている。ワイルダーは、やはり国を離れても祖国の皇室に畏敬の念があるのだろう。だが側近の人物や護衛などがスキマだらけで頼りない。戦争ではあっけなく侵略されてしまう祖国への皮肉かもしれない。

ミュージカル映画ではあるが、MGMのように飛んだり跳ねたりのスタントもどきの派手なシーンはなく、あっさりしたものだった。

使われていた音楽はシュトラウスの「皇帝円舞曲」、ハイドンの「皇帝」、ロッシーニの「ウィリアム・テル序曲」、アーサー・プライヤーの「口笛吹きと犬」、まだ何かあったかもしれない。あ クロスビーの歌。

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