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2008年6月

買ったレコード

スパイ大作戦 シーズン2(日本語完全版) DVD スパイ大作戦 シーズン2(日本語完全版)

販売元:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
発売日:2007/05/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

子供のころ、家に電蓄があったのだが、自分でレコードを買うようになったのは小学校6年生からだ。

記憶の限り記してみると・・・・

★最初に買ったものは「スパイ大作戦」。 大平透さんによる、「なお、このテープは自動的に消滅する」という例のナレーションが最初に入っていて、あのテーマが流れる。レコードの演奏はテレビで流れるものと少し違っていて、オーケストレーションが凝っていた。B面は「筋書きはこうだ」という曲で、番組中に流れる音楽、バーニーが現場で作業しているときなどに聞こえる曲だった。

昭和45年当時のドーナツ盤の値段は大体、450円くらいだった。

★その次は「走れコータロー」を買った。競馬中継のセリフが面白くて。でも覚えられなかった。B面がいい曲だったのだが、思い出せない。

★同じころ、「マンダム・男の世界」を買う。ジェリー・ウォレスの歌だが大ヒットしていた。ジャケットの写真はチャールズ・ブロンソンがアメリカの荒野に佇んでいるものだった。B面は「彼女の誇り」という、これもいい曲だった。

それから中学校にかけて順次記すると。

★「白い恋人たち」、フランシス・レイのあの曲。三拍子とハモンドオルガンが素敵だった。札幌オリンピックの影響でラジオなどに流れていて気に入ったのだろう。B面が記憶にない。

★「飛び出せ青春」のテーマ、青い三角定規の歌。最近、再結成の話がありましたが、なにかモメごとがあったみたいですね。これのB面も記憶にない。いい歌だったと思う。

★「出発の歌」、上条恒彦の歌でこれも当時ヒットていた。上条は「木枯らし紋次郎」のテーマで有名になり、続いてこのヒットとなった。これのB面もいい歌だった。が、記憶にない。

★映画「続・夜の大捜査線」のテーマ。映画は観ていないけど、この曲の出だしのカッコイイこと。

★「黒いジャガー」、これも結構ヒットしていた。エレキの奏法。「クォッ・クォッ・クォッケ・ケケケ」というのが面白くて。アーティストは誰だったっけなー。映画音楽なんですが。

--- アイザック・ヘイズ、「黒いジャガー」(「シャフト」) ---

http://jp.youtube.com/watch?v=tZzBrxj-Gjo

★シカゴの「クエスチョンズ・67,68」。これも大ヒットしていた。シカゴはこの後もいい曲を連作していた。今は彼らもエレーじいちゃんでしょうな。

★初めてアルバイトして買ったのが、初めてのLPで、「クインシー・ジョーンズ」のアルバム。テレビ「アイアンサイド」のテーマが入っているヤツ。このアルバムの中の2曲が後に、テレビ「ウィーク・エンダー」に使われていた。

「ドッタラッツ・ラッター・・・新聞によりますと」が「アイアンサイド」で、番組のエンディングの曲は「WHAT‘S GOING ON」だっただろうか。この歌もいいね。

と。以上。忘れないうちにメモしておいた。レコードはどこかにあると思う。

当時ヒットしていたものではカーペンターズやミッシェル・ポルナレフなどもあったが、さらにレコードを買う余裕がなかった。ラジオ放送で我慢していた。

クラッシックはショパンやモーツァルトを聞き始めていたが、たいていの作曲家のレコードは家にあったので買うこともなかった。

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「へんな体験記」のなぞ

 ドルーピー ドルーピー君サーカスへ行く編 ドルーピー ドルーピー君サーカスへ行く編
販売元:ハピネット・オンライン
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テックス・エィブリーのことを古くは「カフカを読んだディズニー」といい、近年は「笑いのテロリスト」というらしい。

フレッド・クインビー制作・エィブリー監督のアニメは私の子供のころテレビ放映が始まり、「トムとジェリー」とともにあらゆる世代でお馴染みである。

その作品の一つに1951年制作の「へんな体験記」・原題「SYMPHONY IN SLANG」がある。

これが永年、ナゾの作品であった。当時のアメリカのスラングをそのまま鵜呑みにして映像にしているのだが、そもそも無理な日本語吹き替えのため言語のニュアンスが分からない。

かねてから英語の字幕スーパーがあれば、あるいは原語で観ることができればと願っていたが、検索するとすぐ見つかった。以下が原語の映像。

http://www.dailymotion.com/video/x45xby_mgm-cartoon-symphony-in-slang-1951_shortfilms

この中のスラングでひとつだけ分かっていたのは、ドシャ降りの雨の表現を犬と猫が降ってくるというもので、以前職場にいたアメリカ人に聞いたものだ。

その時、もっとこのアニメのスラングについて映像を見せながら教えてもらえば良かったと悔やんでいる。

そして、この原語のスラングを詳細に分析したサイトを見つけた。

http://homepage3.nifty.com/elevator/cartoon/symphony-t.html

これには感服いたします。永年のナゾがこれ分かりました。

英語の表現でも日本語と共通のものがあるのは、やっぱり言葉は違っても同じ人間、同じ人情ということか。

「彼女に背中を向けられた」、「金を湯水のように使った」、「体が燃えた」「真っ青になり目の前が真っ暗になった」などは日本語と同じだ。

「猫にベロを取られた」・・・しゃべれなくなったというのがあるのは、アメリカでも猫を使った表現が多いのだろう。日本では猫がついたものは「どろぼう猫」などロクな言葉ではないが、アメリカでも同様らしい。

なお、以下は日本語版の映像。台本作家の苦悩がよく分かる。

http://jp.youtube.com/watch?v=C0FN3oE9bw0

私も生まれつき「せこいガキ」だったが、大金持ちの家に生まれたわけではなかった。

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灰とダイヤモンド

 灰とダイヤモンド 上 灰とダイヤモンド 上
販売元:セブンアンドワイ
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洋画メモ、NO,31,NHKBS

1958年、ポーランド映画、白黒、スタンダード、103分

原作- イェジー・アンジェイエフスキー

監督- アンジェイ・ワイダ、 撮影- イェジー・ウォイチック

出演- ズビクニェフ・チブルスキー(マチェク)、エバ・クジジェフスカ(クリスチーナ)

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ワイダ監督のドキュメンタリーをNHKBSで放送したので、これを機会にと、彼の監督作品で以前録画しておいたものを観た。

ほんとうは「地下水道」を観たかったのだが、録画していなかった。

ポーランド映画は実は初めて観る。ポーランド語がサッパリ分からない。ロシア語に近いので、ダー、とニェットくらいは分かるがもともとロシア語すら分からない。 音の雰囲気としては、ロシア語はサシスセソ、ナニヌネノ、の音韻が多いような感じだが、ポーランド語ではそれにプラス、ザジズゼゾの言葉が聴こえる。アルファベットだとZ(ゼット)が付く言葉。

ただ、ところどころ英語も含めたヨーロッパ語共通の単語がチラットで出くるのでその部分は目立つ。 例えば共産主義者の「コミュニスタ」とか友人の「カンパニ」など。

尚、電話の呼び出しはこの国でも「ハロー」だった。

内容は大変、文学的でセリフに含蓄がある。だから一度観ただけでは消化しきれない。字幕スーパーに頭が追いつかない。「灰とダイヤモンド」のタイトルもポーランドの詩人の碑文から来ている。この文章がまた文学的。

撮影が秀逸で、夜のシーンが多いのだが、室内の撮影も野外の撮影も照明とアングルが良い。「第三の男」の影響もあるかもしれない。

過去のワイダ監督のインタビューでは、一部に雨のシーンを取入れたのは黒澤映画からの影響だと本人が言っていた。

ラストシーンのゴミ捨て場でのマチェクの惨めな死に方も、黒澤映画の「酔いどれ天使」や「野良犬」の影響を感じる。

マチェクを演じた俳優はサングラスを始終かけているが、それを外すとたいへんイケメン。ところが今の感覚ではセンスが悪いといえるサングラスのおかげで顔をスポイルしてしまっている。

終盤、マチェクは偶然、出会い頭にぶつかった兵隊に持っている拳銃を見せてしまい、逃走。 射殺されるのだが、どうもここの部分の脚本が弱い。銃を所持しているからといってマチェクは逃げ出すことはないし、兵隊もその理由で、同じポーランド国民に向って発砲する権限はない。時間的に見て、マチェクがシチューシカを殺害した事実はまだ警察にも軍隊にも通報されていないはずだ。

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エアポート‘05

エアポート ’05 DVD エアポート ’05

販売元:アルバトロス
発売日:2005/10/07
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洋画メモ、NO,30、レンタルDVD

2004年、米国、アルバトロス、LBビスタ、98分

監督- ジェイ・アンドリュース、

出演- アントニオ・サバド、マイケル・パレ

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レンタル店で「大空港」と一緒に借りたのがこの映画で、最新の航空パニック映画で、航空ファンとしてどれだけ劇中にいい加減な描写がしてあるかをチェックするという、小姑的発想の目的で観た。

タイトルに「エアポート」と冠してあるが、これは日本の配給会社がかってにつけたもので、ジョージ・ケネディーが連続出演しているエアポート・シリーズとは全く素性の違う映画である。 原題はクラッシュ・ランディングだったと記憶する。

予想していた通り、脚本、演出、CGはC級で、映画学科の卒業制作というレベルであった。音楽はマアマアだった。

おかしな描写は以下の通り。

●冒頭、プロペラ機(プアなCG)が道路に不時着するのだが、主翼が電柱に衝突しても全く破損せず、当たった電柱のほうが折れていた。飛行機の機体というのは地上の建築物と比較すれば紙のようなもので、翼は折れ、コナゴナになる。

●この主人公のパイロットは不時着するというのにシートベルトをしていない。

●金持ちの娘の誕生パーティーを、チャーターした747ジャンボのラウンジで催すのだが、離陸前に既に料理や酒などの食器がバーのカウンターに並べてある。離陸や上昇中にひっくり返っちゃうでしょうが。

●747の二人のパイロットがシートベルト(両肩に2本掛けるタイプ)をしていない。 

 なお、車の運転シーンでも役者はベルトをしておらず、これはアメリカの映画倫理委員会かなにかの規定で着用が決まっているのではないだろうか。極悪非道の悪党でも、映画の中ではちゃんとシートベルトをしているのをよく見かける。

●キャプテンがタワーとの無線交信をしている。これはコ・パイの役。

●離陸開始でパワーレバーをフルパワーの位置からアイドルに戻している。ここでは爆笑してしまった。

●このパワーレバーが2本しかなく、コクピットはエンジンが四つの747ではない。このエラーはキムタクがコ・パイ役となったテレビドラマでもあった。離陸のときの実写映像も747ではなかった。767か777だった。

●台風によって悪化した気象条件により、無線交信が不能になったと説明しているが、こんなことはありえない。デリンジャー現象という太陽活動による無線障害の説明にすべき。脚本家に知識がない。取材をしていない。

●一発の銃弾で燃料漏れが起こり、ガス欠・飛行続行不能となるが、タンクはいくつにも分割されていているので、そのうちの一つが漏れても航続距離が少し短くなるだけである。

●不時着では、火災を心配する地上の軍人のひとりに、「燃料はカラだから大丈夫だ」とチーフが言っているが、燃料タンクはカラになったほうが気化して爆発し易く危険である。

飛行機以外のミス。

テロリストがトランクに隠れた主人公に向って自動拳銃を発射するのだが、連続で50発ほど撃っていた。このいい加減さにはあきれた。

弾倉を入れ替えるときが、もっともアクションの盛り上がりや脚本の面白さを発揮できるところなのだが。

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バッハのプレリュード

バッハ:平均律クラヴィーア曲集 Music バッハ:平均律クラヴィーア曲集

アーティスト:グールド(グレン)
販売元:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
発売日:2004/11/17
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ピアノを弾かなくなって久しいが、時々酔っ払うと鍵盤の前に座って音を鳴らすことがある。

ピアノという楽器は音が既に準備してあって、大変便利な楽器であり、ネコでも音を出すことができる。

というわけで、一応、私でも音は出せる。

最初ハノンの練習曲の中にある、ハ長調の音階のユニゾンを弾く。この音階の鍵盤はすべて白鍵だけだが、実はこれが一番弾くのが難しい。これはショバンも発言していることである。

弾くのが優しい音階は、黒鍵が多く含まれるもので、フラットが五つの変ニ長調やシャープが五つのロ長調などが、もっとも弾きやすい。親指をくぐらせ易いからだ。

音階の練習だけでなく、ハノン先生の作ったこの指のハードトレーニングの曲集は実にすばらしいもので、三日練習をサボッていても、1時間も弾けば、指は元通りになり、再びピアノと仲良しになれる。 ただし、子供にとっては、このレッスンはチェルニーとともに拷問に近く、せっかく買ってやったピアノがタケモトピアノに引き取られてしまう原因となっている。

つっかえながら10分も音階をさらった後は、必ずバッハのプレリュードの一番を弾く。

この曲は後に作曲家のグノーが「アベ・マリア」として編曲し直し、すばらしい効果をあげている。あれはまさに音楽の実用新案と言ってもいい。

この曲を正確に言うと、「程よく調律された鍵盤楽器のための曲集」の第一部・プレリュード1番というところか。日本では平均律クラヴィア曲集と言われているが、これは誤訳である。1オクターブを平均に12で割っても3度と6度の和音はどの調性でもちっとも平均に響いていない。

このやさしいプレリュードは、あらゆるピアニストの演奏で何度聞いても、また、私のヘタクソな演奏で何度弾いても飽きない。

それがたいへんドラマチックで、映画音楽みたいに聞こえる。いや映画そのものというか、まるで黒澤映画のように明快な起承転結がある。

途中、不協和音になる部分、22小節から23小節は、ドラマの転換部分であり、そこから27,28小節に至っては劇的終局、クライマックスとなる。

また、いろいろな弾き方を楽しめる曲で、グールドのようにスラーとスタッカートを併用して弾いたり、そのドラマチックな部分はフォルテにして、ペダルを踏まずに音のピントをはっきりさせたりして、表現を拡大させることが出来る。

ペダルの使い方もようようで、まったく踏まずにバス音を強調させてもいいし、一拍目で踏んで3拍目で踏みなおす、あるいは第一拍目ごとに踏みなおすという、いろいろな方法がある。

ちなみに私は23小節はペダルを放して右手の「シ」と「ド」の不協和を濁らないように弾いている。この部分はテンポを遅くし、フォルテで弾けば、音のフォーカスがはっきりし、次ぎのシーンへ期待をもたせることが出来る。

この曲集はフーガとセットで48曲あり、第2部と合わせれば、なんと96曲もあるのだが、この一番最初のプレリュード一曲だけで、既に銀河系・小宇宙といってよく、キャパシティーは無限だ。

後年の作曲家の巨匠たちも、どれだけこの曲でインスピレーションを受けたかわからない。

ショパンのエチュードの作品10の1番、ハ長調はこの曲を参考にしているが、彼はバッハに敬意を表しているのを感じる。

そんな、おおげさに言えば、「2001年宇宙の旅」のモノリスのようなこの曲が、ちょっとピアノをカジリ始めたオトーサンでも弾けてしまうのだ。

もし神さまからピアノは1曲しか弾いてはいけないと宣言されたら、私は迷わずこの曲を選ぶだろう。

---- ユーチューブ、デビット・エドワード・スミスの演奏 ----

http://jp.youtube.com/watch?v=DAZ8KNsZSCg

 

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ルシアンの青春

ルシアンの青春 DVD ルシアンの青春

販売元:紀伊國屋書店
発売日:2006/07/29
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洋画メモ、NO,29,NHKBS

1973年、フランス、イタリア、西ドイツ、140分

監督- ルイ・マル、撮影- ドニーノ・デリ・コリ、

音楽- ジャンゴ・ラインハルト楽団、アンドレ・クラヴォ、イレネ・ド・トレベール

出演- ピエール・ブレーズ、オロール・クレマン、オルガー・ローヴェン・アドラー

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洋画オンチで、特にフランス、いやヨーロッパの映画はサッパリなのだが、とりあえずこの映画の監督を覚えた。

この監督は、クストーの海洋ドキュメンタリー映画の助手をしていた人で、「死刑台のエレベーター」の監督だということだ。キャンディス・バーゲンの旦那だったこともあるという。

この映画は公開当時、雑誌の「スクリーン」か「ロードショー」に紹介されていて、あの当時気になっていた映画である。

タイトルも耳に心地よく、記憶しやすい。ただし原題はラコーム・ルシアンという、人の名前だけで「青春」と言う意味は無く、日本で配給会社が入れたものだろう。

雑誌の紹介記事に載っていた写真は男女のヌードだったはずだ。だからよけい記憶していたわけだ。

最初、観ていて眠かったが、フランスの田舎の風景がよかった。セミが鳴いている。 

このセミという昆虫はヨーロッパでもフランスからスペインあたりにしか生息していないと聞いている。 ドイツから上ではセミの存在すら知らない人もいるようで、日本映画でセミが鳴いているシーンに出くわすと、変なノイズが録音されていると苦情を言う人もいるという。

出演のピエール・ブレーズは公募された素人俳優で、やはり主人公と同じ、田舎住まいの若者なのだろう。鶏やうさぎのシメ方が堂に入っていた。そういうこともオーディションの条件だったのだろう。

銃や拳銃の音が「タン・タン・タン」と乾いた音で実際の銃声に近く、現実的で恐ろしく聞こえた。ハリウッドや日本の映画で使われる銃声の効果音はすべてインチキで、ただカッコヨク聴こえるように作り上げたニセモノの音である。

ルシアンは最初レジスタンスを志願するが、叶わないとなると、運命のイタズラも作用し、逆方向のゲシュタポの片割れになってしまう。

その運命のイタズラとは自転車のタイヤがパンクし、外出禁止の夜10時過ぎに街に着いてしまったことだ。そこでドイツ警察に引っ張られ、組織に入らされてしまう。

こういうことは今の日本のワケェー連中でも十分ありえることで、最近のムゴイ犯罪に至るきっかけも、それに近いことがあるかもしれない。黒澤映画「野良犬」の遊佐もそうかもしれない。

ヤダヤ人の仕立て屋の娘・フランスとの出会いは少し不自然な感じがした。彼女のルシアンへの態度がフラフラしていて、観ているこちらも煮えきれない。

ルシアンとフランス、その祖母との逃避行中で「その後ルシアンは死刑となった」というテロップでプッツリと映画は終わる。

映画の処理としてはそれでよかったのか私にはわからないが、物足りなかった。これもフランス・ニューシネマの終わり頃の作品だということか。

フランスはピアノを弾いていたが、最初はシューマンの「謝肉祭」の「前口上」の数小節を弾き、その後ベートーベンの「月光」の第三楽章の練習、そして第一楽章を弾いていた。

三人の逃避行中、廃屋を見つけて隠棲するが、ルシアンとフランスが野原で戯れているとき、唐突にフルートの音、あるいはそれに近い吹奏楽器による不可思議なメロディーの音楽が流れる。

あの音楽は、まもなくルシアンの人生が終わるという、最終楽章かもしれない。

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大空港

大空港 DVD 大空港

販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売日:2007/06/14
Amazon.co.jpで詳細を確認する

洋画メモ、NO,28,DVDレンタル

1970年、ユニバーサル、シネスコ、137分、画質良

原題- AIRPORT

原作- アーサー・ヘイリー、監督- ジョージ・シートン、

撮影- アーネスト・ラズロ、音楽- アルフレッド・ニューマン(遺作)

出演- バート・ランカスター、ディーン・マーチン、ジーン・セバーグ、

ジャクリーン・ビセット、ヴァン・ヘブリン、ジョージ・ケネディ、

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映画ではリンカーン空港となっているが、撮影に使われた空港はミネアポリスのセントポール空港で、映画ではランウェイはたしか3本だったと記憶しているが、現在は4本ある理想的な設備の空港である。

空港は滑走路が4本あって、それが井桁状に向いていれば風向きに対して最も理想的な空港といえるのだが。

映画では22滑走路は、住宅の騒音問題が発生しているが、セントポール空港をグーグルアースで見てみると、現在はどの滑走路も住宅地に面しており、この問題は進行形のようである。

ボーイング707という旅客機は私が生まれたころ就航された飛行機で、いまだ世界のどこかを飛行しているご老体だが、スマートな機体でファンには人気が高い。

エンジンは、現在ではほとんど旅客機に使われていない、ターボファンというメカのもので、昔、日本でも就航していたDC-8(707にソックリ)や727、旧型737機に使われていたのと同じタイプの細長いジェットエンジンである。

このエンジン音はやかましく、バリバリ・ドロドロと騒音を撒き散らす。この飛行機よりはるかに巨体のジャンボジェットより騒音が大きい。また多少煙も吐く。

だから、この映画のように、たとえ離着陸を29滑走路に換えても騒音は同じようなものだと思う。

なお、「もうすぐジャンボが就航される」というセリフがあったが、ファンジェットエンジンのボーイング747がくれば、図体のわりに低騒音なので、住民も驚くのではないだろうか。ストも終わるかもしれない。

キャプテンのディーン・マーチンは相棒のシックスマンス・チェックのために副操縦席にすわっていて事故に遭う。これはシックスマンス、つまり6ヶ月ごとに行われる機長への試験であり、現在ではシュミレーターで行われている。

映画では707の着陸の際に、空港からの誘導を受けるが、ちょっと疑問だ。

1970年当時ならば、707という古い機体でもILS(縦と横の誘導電波に乗っていく方法)で着陸できるはずである。管制官の指示で右に向けだの、高すぎるだのというやりかたは1950年当時の映画「戦略空軍命令」で見られる時代錯誤のものだ。

また電波高度計もあるはずで、コ・パイ役のマーチンはその計器を見ながら機長に「ファイブハンドレット」・「ワンハンドレッド」・「フィフティ」と順次高度を伝えなければならない。

さらに着陸決定高度の200フィートあたりになったらマーチンは「ミニマム」と発しなければならない。

707に詳しくないので、判断できないが着陸後、逆噴射はしていないようだ。あのエンジンはファンエアをエンジンナセル表面に直接吹きだしていて、逆噴射装置の設置は無理なのかもしれない。たしかパワーレバーも絞っていたようだ。

そうすると車輪のブレーキとエアブレーキで制動をかけるのだが、雪面ではきびしい。映画のように滑走路ギリギリ停止かもしれない。

爆発した機体の穴の部分を写していたが、ブリキの板をひっぺがしていたような描写は航空関係者から失笑を買うだろう。絶対、あんな風にはならないはずだ。

尚、この映画の707のクルーにはフライトエンジニアがいて3人体制であったが、就航した1958年当時はもう一人、ナビゲーターが居たはずである。つまり1970年当時は、707にも既に慣性航法装置(INS)が搭載されてナビゲーターは不要なのだろう。それならば、なおさらILSも搭載されてるはずである。

ああ、飛行機の話で終わってしまった。

707の着陸ギアが雪に埋まって、脱出を難儀している車輪のアップの映像は、私はミニチュア特撮だと見た。もし実写だったらエンジンが動いていて撮影クルーが危険である。

707が雲海に飛んでいるシーンのミニチュア特撮は日本の映画のようにお粗末であった。

だがケネディがヤケクソにエンジンを吹かして707の脱出を試みているシーンは実写映像で迫力があった。

無賃乗船のバアちゃん(アカデミー助演賞)の澄ました顔が鼻持ちならなかったが、仕組んだ芝居とはいえ、ビセットにビンタを喰わされて気持ちが良かった。

シネマスコープ画面の広さを利用して、電話のシーンでは左右の二重舞台で両方の人物を見せてくれたが、こういう手法は、ちょっと映画が軽くなってしまうように感じた。

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「ベストハウス」の嫌な音

民放のテレビ番組で「ベストハウス」というのがありますね。

いろいろなカテゴリーにおいて、ベスト1・2・3を決める楽しい番組です。

私の好きなカテゴリー、ジャンルはやはり自然科学や工学的なもので、思わず眼を皿にして観てしまいます。

そのビジュアル的なものは、時にはBBCが撮影した素晴らしい映像があり、これはNHK教育の海外ドキュメンタリーで放送される貴重な映像と同じ、ファンタステックなものばかりで、見逃せません。

と、映像はいいのですが、この番組で使われる効果音が、私は嫌なのです。

どんな効果音か・・・・ つまりこういうものです。

映像を紹介するのにアナウンサーの言葉が流れますが、同じ言葉がテロップで画面の中央にフラッシュされていますね。

例えば

「スタンリー・メタボリックは岐阜の土肥中に住んでいた・・・・」

というテロップが出てると同時にこんな音が聞こえるのです。

♪・チリン・チリン・リリリリリリリーリリリーン。

これです。この音が嫌なのです。私は大嫌いなのです。癇に触ります。

また、グラスの淵を指で擦ったような音。

♪・キィーンンンンンンンンンン。

という効果音も、同じ場面で使われますね。あの音も癇に障ります。

チリン・チリンという音の発生源は、長い糸に薄い鉄板を何枚も通して、引っ張って共鳴音を出す楽器?なのですが、私はあの音を聞くのはイヤです。みなさん、あの音好きですか。

こういう音を使い出したのは、私は日本テレビが最初だと思います。恐らく、タケシと所の「世界丸見え・・・」という番組あたりからではないでしょうか。

民放の一社が始めると、民放のサルマネ戦略により、各放送局でも使いだし、今に至っています。嘆かわしい。恥ずかしい。

たまには、他局とは違う、耳に心地良い効果音を生み出してほしいですな。

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風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ DVD 風の谷のナウシカ

販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
発売日:2003/11/19
Amazon.co.jpで詳細を確認する

日本テレビは簡単に視聴率がとれるためだろうか、ジブリ作品を毎年繰り返し放映している。

しかも「さあ、お待ちかねの宮崎作品ですよ」という、まるで初めて放送するかのように、前宣伝では感じてしまうのだが、少なくとも新聞のテレビ欄には再放送の(再)をつけるべきだ。

いまさら、と言ったら失礼だが、ジブリ作品はわざわざテレビの前に集合して見るまでもなく、レンタル屋に何十巻と並んでいて、200円くらいの出費で好きな時にCM無しの、しかももっと鮮明な映像が観られる。

それにどの家庭でも、宮崎作品のアニメはとっくの昔に録画して保存してあるだろう。 民放の安直な番組編成に疑問を感じる。

さて、今回の「風の谷のナウシカ」の視聴率はどのくらいだったのだろうか。フライデーナイトに再びテレビの前に鎮座し、もう古典となったこのアニメを、コマーシャルを我慢しながら観た奇特な方は何人いたのだろうか。

実は私がそうだった。

特にこの作品は宮崎作品の中でも、好きなものではなかったのだが、テレビ画面にしては、あまりにもデジタルリマスターされた映像と色がすばらしかったので、つい終わりまで見てしまった。

この映画は「スターウォーズ」のように、長大なストーリーの一エピソードらしいのだが、私は詳しいことは知らない。個人的には、あの化け物のキョシンヘイが世界を破壊していた時代の話も知りたいものだ。

私の好きな魅力的なシーンはやはり、腐海の描写で、月並みな表現ではSFにおけるセンス・オブ・ワンダーと言える。 雲海の下での立体的な構造、しかももう一つ下界があるという二段構造。 そこを大型の昆虫が縦横に飛んだり、フワフワ浮いている描写は、宮崎演出の「落っこちそうな」感覚と相まって、いつもゾクゾクしてしまう。

その中でも、腐海に不時着した少年に、ワラジムシのでかいようなヤツの大群が飛びかかって襲うところ。 

その少年を、ナウシカがジェットグライダー(名前を忘れた)で救出し、巨大空飛ぶムカデに襲われるところがもっとも好きなシーンである。

ちなみに私はムカデが大嫌いで、空港にある、コンテナをたくさん牽引して走っている車両を見ただけで、ムカデを想像しゾッとするくらいだ。

まだまだ魅力的なシーンがある。戦車のメカ、そのキャタピラの動き。

ナウシカのジェットグライダーの排気口からの飛行機雲・・・排気口の少し後ろから湧き出して発生している。

「未来少年コナン」で登場したギガントに似た巨体飛行物体の描写と、その不時着シーン。夜間飛行時の光のシルエット・・・「未知との遭遇」のマザーシップを思わせる。

キョシンヘイの塊の描写、不完全で出現したドロドロの体形・・・あのドロドロのすばらしいアニメートは「もののけ姫」や「千と千尋」でもお馴染み。

声優の家弓氏が吹き替えている軍人参謀のなげやりな態度。

きりがない。まだいっぱいある。でもこのへんで終わり。

逆に恥ずかしいシーン。

それは宮崎アニメに登場する少女たちがよく行うアクション、両腕を水平に伸ばし、手を垂直に立てるしぐさで、旅客機の主翼の先端についているウィングレットのようなカッコウをするのが私にはハズカシイ。

・・・これはドクタースランプ・アラレちゃんのアクションでもあるが、アラレちゃんがやるにはカワイイのだが、可憐な少女が、あえて可憐なしぐさをするのは見ていてハズカシイ。

目しいのオババの演技・セリフもオーバーアクションぎみで、少しハズカシカッタ。

一つ気が付いたこと。

ユーチューブで観ることができる英語版では、ユパの声をTV「スタートレック・TNG」でピカード艦長を演じたパトリック・スチュアートが吹き替えている。

そのピカードの日本語吹き替えをしたのは声優の麦人氏だが、「風の谷のナウシカ」ではベジテ市長の声を担当している。 そのベジテ市長の英語版吹き替えは、「スターウォーズ」のルーク、マーク・ハミルが担当している。

英語版での「ナウシカ」の発音は「ナゥセェカ」と聞こえた。

最後に前々からズーッと気になっていたこと。

誰か教えてくださらぬか。ナウシカのワンピースの下は、何もはいていないのだろうか。

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蜘蛛女

 Olin / Medak/蜘蛛女 Romeo Is Bleeding Olin / Medak/蜘蛛女 Romeo Is Bleeding
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

洋画メモ、NO,27、民放深夜

1994年、ヘラルド配給、アメリカ・イギリス、110分

原題- ROMEO IS BLEEDING

監督- ピーター・メダック、 撮影- ダリウス・ウォルスキー、

音楽- マーク・アイシャム

出演- ゲイリー・オールドマン、レナ・オリン、アナベラ・シオラ

ジュリエット・ルイス、ロイ・シャイダー、マイケル・ウィンコット

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ゲイリー・オールドマンが好きな俳優で、彼の名前がテレビ欄に載っていたのでついつい民放の深夜映画を観てしまった。

深夜放送というとコマーシャルが5分以上続くこともあり、録画しても早送りに手間がかかりウンザリしてしまうが、今回はCMも自局の番組の予告のみの短いもので、大変良心的な編成であった。もちろん字幕スーパーであり、画質も良かった。日ごろ民放には辛口だが、ちょっと見直した。

本人のナレーションによる、過去の回想で話は進んでいくが、最初は退屈で、観るのを断念しようかと思ったが、オールドマンが演ずる人物というのが、いつもデ・ニーロに近い、危なそうなキャラで、展開に期待感もあり最後まで見てしまった。

オールドマンという役者に注目したのは「エアフォース・ワン」からで、あの救いようのない、撃ち殺してしまいたいほどワルのテロリストの演技でマイッテしまった。以後、「レオン」の狂った麻薬捜査官やベートーベン役など、悪党や嫌われる人物の芝居のウマサには舌をまく。本人はこんな役ばかりで、当時は嫌がっていたようだ。

この映画も、裏ではギャングと情報取引している小ズルイ刑事役で、やっぱり悪いヤツだが、レオンの捜査官ほどは狂っていない。一応常識はもっている人物であった。 今回の芝居も怒りや慟哭のシーンではやっぱり渾身の演技であった。

蜘蛛女という邦題なので、ホラーっぽいクリーチャーが出てくるのでは、という淡い期待があったが、それは化け物に近いモーレツなオバハンだった。

そのレナ・オリンという女優さんは1955年生まれなので、この映画の撮影時は38歳であり、映像ではたいへんスリムな体形のうえに色っぽいが、やっぱりオバハンである。この人の演技もスゴカッタ。まるでターミネーターのロボット。

いや「ターミネーター3」でトヨタソアラにのっていたネーチャンよりこちらのほうがすごいと思う。

映画では左腕を銃で撃たれ、そのすぐ後のシーンでは既に義手をしているのが唐突だ。左腕の切断手術をしたならば、半年くらいは入院であろうが、もう元気に歩きまわっている。これがホラーと言えばそうかもしれない。

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タクシードライバー

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洋画メモ、NO,26、NHKBS

1976年、コロンビア、114分

第26回カンヌ映画祭、パルムドール賞

制作- マイケル、ジュリア・フィリップ、監督- マーチン・スコセッシ、

撮影- マイケル・チャップマン、音楽- バーナード・ハーマン

出演- ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ハーヴェイ・カーテル

ジョディ・フォスター、アルバート・ブルックス

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アメリカン・ニューシネマにおける最後の作品ということだが、私はカテゴリーを気にしないで映画を観るので、特に意識せず楽しめた。 なお、ウィキペディアによると、信頼できない情報だが、アメリカン・ニューシネマという言葉を使っているのは日本だけらしい。

コロンブスの卵ではないが、このような手法の作品はスコセッシでなくとも誰かが制作しただろうと思う。

けだるいサックスの音楽はバーナード・ハーマン最後の作品であり、彼の過去のクラシック系のフルオーケストラの作品を思うと、ずいぶんと意表をつく音楽でユニークだ。

最初から劇的な場面もなく、始まってしばらくは淡々と話が進んでいくが、マイケル・チャップマンの撮影がいいのと、デ・ニーロがなにかヤバイことを始めそうな雰囲気と期待で席を立とうとは思わない。

タクシー内の撮影はフロント・プロジェクションなどを使わず、オールロケであり、フロントガラス前面からの撮影は撮影車からタクシーを牽引して撮影していると思われるが、パッセンジャー・シートからの撮影はどのようにしたのだろうか。夜間では、照明などの設置も難しいだろうと思うが、たぶんドアの外にカメラを固定し、撮影しているのだろう。

あるいは縦半分こにカットしたタクシーを車高の低いトレーラーに乗っけて撮影するという手も考えられる。このほうが安全だが。

スコセッシ自身が、妻の浮気現場にタクシーを連れていく客として出演しているが、映画の中ではデ・ニーロより危なそうな人間に見える。

彼の言葉が早口で、あれがブルックリン訛りというのだろうか。英語が聞き取りにくい。黒澤の「夢」では、ゴッホを演じたが、アメリカでの上映では彼のブルックリン訛りで笑いが起こったという。

さて、私はガンマニアではないのだが、彼の購入した銃をメモする。

・S.and.W、M29(マグナム44弾使用)  6発入り 350ドル

・38口径・スナブノーズ             6発入り 250ドル

・コルト25自動拳銃               6発入り 120ドル

・ワルサー38口径?自動拳銃        8発入り 150ドル 

さらに、でかいマグナム用のホルスター40ドルを支払っている。

ちなみにマグナム44という名の銃は無いそうで、知らなかった。

合計910ドルの出費だが弾の代金を入れると1000ドルというところか。 1975年当時のドルはいくらか覚えていないが、200円として20万円だ。 安いか高いか不明だが、それくらいの金は持っていただろう。

彼は現場でまずスナブノーズでスポーツの腹に一発見舞っている。

アパートの管理人にはマグナムを一発右手に当てる。

アパートまで追ってきたスポーツにマグナムを一発撃っている。

ここでデ・ニーロはマグナムを床に落としてしまう。まだ4発残っているのだが。

スナブノーズでまたスポーツに一発撃つ。管理人の右腕を一発撃つ。管理人の右手をナイフで刺す。

そこにメガネの男が来て、デ・ニーロは2発の弾を首と右肩に受け負傷、同時にスナブノーズを床に落とす。

キレれたデ・ニーロはコルト25で、ほぼ6発全弾メガネに撃ち込む。

すると管理人がしぶとく襲い掛かり、デ・ニーロは管理人がもっていたスナブノーズらしきリボルバーを奪い取り、頭にとどめを刺す。

呆然自棄となった彼は自殺しようと、管理人の銃で自分の頭に向け引き金をひくのだが、弾切れ。 

自分が袖にセットしていたワルサーもなぜか弾が入っておらず死ねなかった。

尚、コルトとワルサーは私にはバトルシーンでの見分けが難しく、使用の順番は逆かもしれない。

デ・ニーロはモヒカン刈りになるが、あれは「エクソシスト」などの特殊メークアーティストのディック・スミスによるものということだ。私は凝り性のデ・ニーロのことだから、本当にモヒカンにしたものとばかり思っていた。あれがカツラとは。

映画のエンドロール最後のページには亡くなったハーマンを讃え、再び彼の名前が刻まれている。

それには1911年7月28日--1975年12月24日となっているが、なぜか両日とも資料の日付とは1日ずれている。

           

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さよならジュピター

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特撮メモ、NO,20、DVD

1983年、東宝+イオ、ビスタサイズ、129分

制作・原作・総監督- 小松左京

制作-田中友幸、 監督-橋本幸治、 撮影-原一民、 

音楽- 羽田健太郎、 特技監督- 川北紘一

主演- 三浦友和、デイァンヌ・ダンジェリー、小野みゆき、レイチェル・ヒューゲット、

平田昭彦、ポール・大河、マーク・パンソナ、ウィリアム・M・タピア、

岡田真澄、森繁久弥

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公開時、観るつもりであったが、見逃した。

前々から観ておかなければならないと感じつつ、20年以上たってしまった。

制作発表された当時から撮影中は、私のみならず、多くの日本のSFファン、特撮ファン、「2001年宇宙の旅」ファンがこの映画に多大の夢と期待を持った。

結果は、私が思うには、我々ファンは戦争中、大本営発表の戦勝報告を聞かされた日本国民と同じであったと気づくことになる。

この映画は、脚本、演出、技術、音楽すべてにおいて不完全燃焼に終わっていると感じた。

脚本は盛り込みすぎで、1クール24本のテレビドラマを1本に無理矢理まとめたか、その予告編を観ているかのようだ。

演出は外国人俳優混成のため、ギクシャクしている。うまい演技と感ずる役者が一人もいない。

技術・特撮演出はあらゆる点においてハリウッドにとうてい及ばない。

音楽はチープで、特に宇宙空間のシーンでは音を消したほうが重厚に感じた。

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回転する遠心重力部がある宇宙船の登場は、予告編などにより、我々ファンの期待に添えるものだった。 

だが、本編を見てみると、宇宙船の模型が「2001」などに比較して、どうも硬質でソリッドな感じがしない。 これはひとえに照明のまずさが原因ではないか。コントラストがはっきりしなく、宇宙空間における太陽光線のメリハリが無い。

「2001」の宇宙空間の光と影の素晴らしい映像は、1コマ何十秒という露出撮影の結果だが、この映画ではどのように行われたのだろうか。たしかモーション・コントロールカメラを使っていて、「2001」制作当時より撮影はやり易いはずだがその効果が感じられない。

模型の凸凹の境に汚れを施しているが、逆にわざとらしさを感じる。

宇宙船が長方形の穴になったドックに進入するシーンは、まったく「2001」のモノマネで私は顔が赤くなった。少なくとも私だったらあんな恥さらしのシーンは造らない。オマージュにもならない。

火星にナスカ絵が現れるシーンは、洪水の流れなどのハイスピード撮影が適切でホットした。中野監督が担当していればもっと安っぽいシーンになっていただろう。

宇宙船とバックの木星などの合成が良くなく、境目がブルブルと揺れている。

木星の表面をドライアイスのスモークで覆うのもいたしかたない表現だと思うが、もっと超ハイスピードで撮影できなかったか。 ジュピターゴーストという魅力的な存在(まるでスタートレックに出てきそうな)は巨大感が感じられない。

その木星内の爆発音「ドッピューン」という怪獣映画にも使われていた効果音がチープに聞こえる。

巨大感といえば、よく指摘されていることだが、あるシーンでは何百メートルもある宇宙船がちっとも巨大に見えないことで、これは撮影に問題があるばかりでなく、川北監督の演出にも問題がある。

これは巨大で大質量の宇宙船(乗組員が中にいる)を、到底ありえないようなGによる急発進・方向転換させてしまうシーンを造ったことで、ミニチュア然に拍車をかけている。

また全体的に宇宙船の移動速度が速すぎるのもミニチュア然とさせてしまう要因である。

本編の撮影でもマズイところがたくさんあった。

一部に実際の建築物を使った撮影があり、粒子加速器などが写っていたり、どこかの廊下が使われているが、裸の蛍光灯が見えていて、22世紀にそれはないであろう。監督や撮影監督は何も思わないのだろうか。

宇宙船内の自動ドアの開閉音が、高周波音が混じっていて、これもチープに感じた。

小松左京というSF作家が制作に関与していながら、科学的にオカシなシーンも見られた。

三浦とマリアの情交シーン(これも「惑星ソラリス」のフェイク)では部屋の回転を止めて無重力状態にさせている。あの宇宙船の居住区はどういう構造なのだろうか、たしか全体が回転しているはずだが一部屋ごとに回転が制御できるのだろうか。そんな無駄な構造は宇宙船ではありえない。

妨害工作により、木星の核融合コントロール室が破壊されるのだが、無重力となって死体が宙に浮き上がっても、爆発した火花は落下していた。

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ゲバゲバの為ゴロー似のヒッピーが出演するシーンと三浦とマリアの情交シーンは、私はDVDを早送りして飛ばした。

ラストの小惑星でのお墓参りのシーンは、私は好きである。

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