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ルービンシュタインの音楽

ショパン:ピアノ・ソナタ集&幻想曲 Music ショパン:ピアノ・ソナタ集&幻想曲

アーティスト:ルービンシュタイン(アルトゥール)
販売元:BMG JAPAN
発売日:2007/11/07
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二十何年も前に亡くなったピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインの横顔写真を久しぶりに見たので、思い立ってこれまた久しぶりに彼のCDを聞いた。

彼の演奏で、私のお気に入りの一つはショパンのピアノソナタ3番で、戦後生まれの技巧派ピアニストの演奏と比較すれば、多少荒削りのところもあるが、やはり素晴らしい演奏だと思う。

特に第一楽章のシンプルな単音だけのテーマのフレーズの演奏は絶品で、天国にいるような幸福感を得ることができる。長いすにもたれかかって聞いていると、そのまま天に召されてもいいくらいだ。第三楽章となると、もう天国に来ているようだ。

先ごろ亡くなったチャールトン・ヘストン主演の映画「ソイレント・グリーン」の一シーンにエドワード・G・ロビンソンが、安楽死マシーンにかかるのに、ベートーベンの「田園」を聞きながら死んでいくところがあったが、私だったらこのCDをかけながら死んでいきたい。

彼の演奏ではショパンのワルツも素敵で、特に最晩年にイタリアで録音したものが、また天国的に素晴らしい。この演奏では原典版と、フォンタナ版との両方取り入れた解釈を行っていて、少し混乱するところもあるが、ユニークかつ端正な演奏で、ピアニストや練習生のお手本になるレコードだ。 

録音がメリハリが効いていて、ダンパーペダルの利かせ方がよく分かる。 ショパンのワルツの演奏では3拍目か、3拍目の少し手前で、ペダルを放さなければならないのだが、ルービンシュタインの演奏は楽譜に書かれたこの手法を忠実に守っていることが、この録音ではよく分かる。

若い頃、子供の頃に聞いた音楽、演奏というものは、本人にとっては人生の友となり、永遠のスタンダードとなることが多い。

私にとって、ルービンシュタインがラインスドルフと組んで1962年に録音した、チャイコフスキーピアノ協奏曲1番は、小学校6年の頃から、スタンダードになっている。

だから、その後、あまたの、違う演奏家のこの曲を聞いて来たが、その時もルービンシュタインより演奏が良くないな、この部分は遅いな、この部分は速過ぎるなと比較してしまうことになる。

ルービンシュタインは、ライバルの陰性で研ぎ澄まされたホロヴィッツと比較して、正反対の性格といってもよく、まったく陽性で、社交的で、ジョークの絶えない愉快な人物だった。抜群の記憶力の持ち主で、何十年前の何月何日の何時にこういうことがあったと、昨日のように思い出すことが出来る人である。

プライベートでは葉巻、酒、旨いメシ、女、旅行を愛したひとであり、天寿を全うして、天国に召されたピアニストでもある。

そういうキャラクターも音楽に幸福感を与える要素かもしれない。

ルービンシュタインの映画の仕事というと、シューマンの妻・クララを扱った映画で、クララを演ずるキャサリン・ヘップバーンのピアノの吹き替え演奏を彼が担当した。

一度観てみたいが、ソフトは手にはいるだろうか。その題名を知らない。

また彼の息子の一人は映画俳優で、私はテレビ番組の刑事役で出演しているのを見たことがある。その天然パーマは親譲りだった。 その題名は忘れた。

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コメント

この方が先日、スタンリーさんがおっしゃってたアルトゥール・ルービンシュタイン氏ですか・・・・。上品な紳士ですね。
キャサリン・ヘプバーンの映画は「愛の調べ」ではないでしょうか。
そうならば、ワンコインでありますよ。
キャサリン・ヘプバーンは好きな女優さんですが未見の作品だらけです(汗)。

投稿: マーちゃん | 2008年5月29日 (木) 22時21分

マーちゃん。こんばんは。
そうなんですよ。マーちゃんの載せて頂いた写真は、本人と夫人のアニエラが写っていますね。貴重な画像を見せていただきました。
ユーチューブには本人の演奏や喋っている映像があると思いますが面白い人ですよ。
ヘプバーンのは「愛の調べ」ですか。情報ありがとうございます。さっそくワンコインで観ます。
クララという女性も子沢山なのに演奏活動をして、偉い人ですね。

投稿: スタンリー | 2008年5月29日 (木) 22時39分

えっ、あれはアルトゥール・ルービンシュタインに似ている人ではなく、ご本人とその夫人だったのですか?!!
久しぶりに見た横顔写真とは拙ブログに載せたあの写真のことだったのですか?!!

投稿: マーちゃん | 2008年5月30日 (金) 09時20分

マーちゃん。こんにちは。
ソーナンヨー。あれ珍しい写真ですね。
彼はアーティストとしては珍しく外出好きで、たまたま映画スタジオを訪れたときの写真だと思います。
1982年に95歳で亡くなっているので、ポラック監督やレッドフォードに合っているのはそれ以前だと思います。
アニエラ夫人とは30歳近く歳が離れています。lovely

投稿: スタンリー | 2008年5月30日 (金) 17時44分

スタンリーさんすごいですね♪
曲を聴いただけでそこまで深い分析ができるとは!さすがhappy01
私もいつの日か、夜景の見えるバーあたりでマスターでも相手に
「この演奏、指揮は誰々、何処何処で収録したものね。」とぶって、
「デキル!あなた、一体何者!」笑などと言わせる日を
夢見ておりましたが、残念ながら今に至っております。
若い頃やってないとダメですね。。
三つ子の魂百まで。いや、雀百まで踊り忘れず。かな?笑

投稿: ぱんだうさぎ | 2008年5月31日 (土) 23時24分

ぱんだうさぎさん。おはようございます。
いえいえ。私はピアノ曲だけなんです。偏っています。
もっとたくさんの音楽を聞きたいなと思いながら何十年もムダにしてきました。
映画についてもそうなんですよ、もっと若い頃、ぱんださんのようにたくさん観ておけばよかったと後悔しています。
「タクシードライバー」も観ていないんですよ。汗sweat01slate

投稿: スタンリー | 2008年6月 1日 (日) 09時29分

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