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「新世界より」

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ドボルザークの交響曲「新世界より」は、クラシック音楽に開眼した小学校6年生から愛聴しているが、毎回聴くごとに関心してしまう。

たくさんのメロディーが出てくる。しかもそれが絶妙に各楽章に関連していて、しっかりと骨格を成している。

メロディーは単一の楽章だけで消滅せず、次楽章、最終楽章で再び登場するが、この手法は、この曲が出来たおよそ100年前では目新しいことではない。だいたい、1800年代後期にリストなどが始めた手法だ。

しかし、この曲ほど、盛沢山のメロディーが使われ、更にそれが各楽章に融合・調和しているシンフォニーはないのではないだろうか。

ベートーベンなどはたった一つのモチーフを展開して1シンフォニーを作曲してしまうテクニシャンであるが、彼だったらひょっとして「新世界より」に使われているメロディー、モチーフで10個くらいのシンフォニーを作曲してしまうかもしれない。

だから、この曲を聴いていると、バイキング料理(それも一流レストランの)を食べたような満喫した気分になってしまう。

ところで、この曲を聴いていて、永年感じていたことは、たいへんビジュアル的であるということで、つまり、はっきり言うとアメリカ・ハリウッドの映画音楽にソックリであるということだ。

いや、この曲が完成されたのは19世紀末であるから、ハリウッドの映画音楽がソックリなのである。

それも、1940年代から、50年代の西部劇映画に影響が出ていると思う。

ただし、それは十分納得できることだ。ドボルザークはアメリカの民族音楽を取材して、この曲にアレンジして取り入れているからだ。そして西部劇には先住民がつきものだからだ。

しかし、思うに、あまりにもアメリカの映画音楽の作曲家はこの交響曲をマネしていると思う、いやその言い方に語弊があるとすれば、インスピレーションの元としているのではないか。

いや、ひょっとしてジョン・フォードなどの映画作家もこの曲に影響されているのではないか。

この曲を聴いていて眼に浮かぶのは

疾走する幌馬車や、待ち伏せる悪漢、迎え撃つ保安官、ささやかな煙草で異邦人をもてなすネイティブ・アメリカンの姿、その踊り、赤い土、メサ型の岩肌の独特の丘、砂漠の乾いた大地、その夕日、ジョン・ウェイン、アラン・ラッド、ヘンリー・フォンダ、・・・・

アメリカの活劇映画そのものなのだ。

ただし、ドボルザークは南部の黒人の音楽も取材しているという。

アンクル・トムズ・キャビンも眼に浮かぶ。

あのビリビリのシャツと麦わら帽子、ひび割れた手。コットン畑。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

新世界、ドラマチックで好きな曲です。
学生の時に試験で作曲者を答えよ、という問題に
堂々と「ドザルボーク」と書いて100点もらいました。

投稿: バルおばさん | 2008年4月11日 (金) 22時48分

パルさん。こんばんは。
ホンダのモンキー、まだ車庫にあります。笑
中学校の音楽の試験で、知っている曲を書きなさいというのがあり、
チャイコフスキー、ピアノ交響曲第一番、と書いてしまいました。
今だに悔しい。笑

投稿: スタンリー | 2008年4月11日 (金) 23時34分

スタンリーさんがクラシック音楽に開眼したのは小学生の時ですか。私、小学校では器楽クラブに所属しておりましたですよ。あの頃が一番、音楽のことを知っていたような気がします(笑)。
西部劇に使われている音楽、特にフォード監督のチョイスは素晴らしいですね。
疾走する幌馬車の土煙は、きな粉を土に混ぜているのでしょうか?(この間のBSで、用心棒の土煙のことが話題にのぼりましたね)

投稿: マーちゃん | 2008年4月11日 (金) 23時49分

私がクラシックに開眼したのは「2001年宇宙の旅」を見た時でした。
40年前に「2001年宇宙の旅」をテアトル東京のロードショーで鑑賞
して冒頭のリヒャルト・シュトラウスの音楽に衝撃的な洗礼、いや
洗脳を受けた私は、あの曲が何という曲名なのか知りたくて調べて
いたのです。親や友人、周囲にもあの曲を知っている人間は
いませんでした。ある時、本屋で立ち読みした雑誌に2001年
宇宙の旅の記事が出ていて、そこに「ツァラトゥストラはかく語りき」
という曲名が紹介されていました。私は家に飛んで帰って親に
「ツァラトゥストラ~」のレコードを買ってくれとせがんだのです。
親は「わかった。そのうち買ってやる」と約束してくれて、それから
数週間後だったか父が地元の駅前のレコード屋から電話して
きました。「今、レコード屋にいるんだけど、ツァラトゥストラだった
っけ?置いてあるみたいだけど、店の人が言うには子供が聞くような
曲じゃないと言ってるぞ」と言うのです。私は「でも、とにかく買って
きて」と頼みました。数十分後、レコードを持った父が帰宅。
すぐさまひったくってステレオのターンテーブルに載せて針を落とし
ました。耳を澄ませているとテアトル東京で体験したあの低い
弦楽器の唸るような響きと印象的なトランペットの旋律と荒々しい
ティンパニーの連打が再現されました。「これだ!!」大感激でした。
あの感動は40年経っても忘れません。そのレコードの指揮はインド
人のズービン・メータ氏。ゾロアスター教の信者でツァラトゥストラ
はゾロアスター教の開祖なのだそうです。

投稿: BIGSTONE | 2008年4月11日 (金) 23時57分

マーちゃん。おはようございます。
そうですか、器楽クラブにいたのですか、私はそのころ楽器は何もひけませんでした。
アメリカの映画音楽は、ラフマニノフの影響もあると思います。
フォードの映画はもう一度確認したいですね。
黒澤の土煙は、そうそうキナ粉も使っていたそうですね。
セメントや発電所の灰も使ったと聞いています。
でもカラー撮影では目立ちました。「影武者」など。馬が疾走する場所に撒いてあるのですが、いかにもセメントという感じです。

投稿: スタンリー | 2008年4月12日 (土) 09時29分

BIGSTONEさん。おはようございます。
「2001」から「ツァラ」レコードまでの道のり、いい話ですね。
私は1980年に「2001」のレコードを買いました。
出だしのオルガンの低音がワクワクします。
テアトルではもう少し低音を効かせてほしいと思いました。
トランペットは責任重大ですね。最初でコケたら台無しです。
ゾロアスターのことは知りませんでした。情報ありがとうございます。
「2001」をリアルタイムでご覧になったのですね。
私も1968年公開をどんなに観たかったか。
それから10年待ちました。

投稿: スタンリー | 2008年4月12日 (土) 09時50分

>出だしのオルガンの低音がワクワクします。

ですよね。何を間違えたのか弦楽器と書いてしまいました。(笑)
でもツァラトゥストラで印象に残ったのは冒頭のみ。当時の私
にはそれ以外の楽章は、さっぱり理解できませんでした。(笑)
その後、「時計じかけのオレンジ」で第九に目覚め、本当の
クラシックファンになったのはこれ以降でした。

私の友人でも最初のロードーショーを見損なって10年待った
人間が数人いました。かなり悔しがっていましたね。
MGMが倒産してしばらく配給不可能になっていたのですよね。

投稿: BIGSTONE | 2008年4月13日 (日) 22時05分

BIGSTONEさん。こんにちは。
「時計じかけ」はまだ見ていません。でも第9が使われていることは知っていました。
こんなネームですが、キュブリックの映画は未見のものが多いのです。笑
でも彼の選曲はマトを獲てますね。センスがいいと思います。
「ツァラ」は「2001」のレコードの部分しか知りません。
どうも20世紀初頭あたりの作曲家の交響詩などは、曲想が長大で、ダラダラと長く、マーラーなども聞く気がしないんです。
食わず嫌いかもしれませんが。笑
「2001」は1977年来のSF映画ブームが無ければ、あの当時も観れなかったでしょうね。
ルーカスやスピルバーグに感謝しています。

投稿: スタンリー | 2008年4月14日 (月) 11時44分

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