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東京湾炎上

東京湾炎上 DVD 東京湾炎上

販売元:東宝
発売日:2005/11/25
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特撮メモ、NO,17、レンタルDVD

1975年、東宝、シネスコかビスタか記憶にない、100分

制作- 田中友幸、田中収  監督- 石田勝心

音楽- 鏑木創、 特技監督- 中野昭慶

出演- 丹波哲郎、藤岡弘、金沢碧、内田良平、水谷豊、

宍戸錠、渡辺文雄、ケン・サンダース

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テロリストがシージャックして、石油備蓄基地を爆破せよと政府に要求する話。

犯人はテレビ中継でその様子を見せろという。

それに対して政府は、爆破の映像を日本の誇る特撮映像にすり替えて流し、テロリストを欺こうとする。

笑わせる話だ。日本の特撮は本モノに見えるだろうか。およそ海外における日本の特撮映画の評価は子供だまし扱いである。

怪獣映画にせよ、SF映画にせよドライビングシアターで上映されるB級作品であり、上映主は入場料収入より、ティーンエージャーが買う菓子や飲料収入をアテにする映画なのだ。

あるいはテレビの深夜放送で、メチャクチャな翻訳の吹き替えで流される程度である。

日本の特撮の作り方は「見てのとおりミニチュアですが本モノと思って見てください」というレベルだ。だから子供にも特撮とバレてしまうのだ。

この映画の石油基地の炎上特撮も、誰がどう見たってミニチュアだ、

それをテロリストに見せて本モノですよという。

まったく日本の観客もナメられたものだ。

中野監督は円谷監督の助手をしていた人だが、爆発燃焼がオーバーな演出をする人で、その特撮は円谷氏より下手だ。炎の押し売りでウンザリしてしまう。

その悪い一例は「連合艦隊」の戦艦大和の爆発で、やっぱり油脂系の大爆発燃焼にさせてしまう。

実際の大和の沈没原因は火薬庫の大爆発だったのだが、その事実を歪め、スクリーン全体を超ハイスピード撮影の炎で埋めつくし、ゴマカシてしまっている。

この映画にしても、実際の原油タンクの燃焼は炎だけでなく、黒煙がつきものではないか。まったく真実性に欠ける。

もうすこし燃焼・爆発の見せ方について研究していただきたかった。

それというのも、当時では「サンダーバード」のデレク・メディングスの爆発特撮がすばらしかったからである。 彼の演出は、部品や破片の飛び散り、炎、煙、その速度(ハイスピード撮影)照明、アングルのすべてが物理にかなっていて、自然であり調和がとれている。

映画版「サンダーバード6号」のミサイル基地の爆発がそのいい例だ。

円谷英二の助手をするよりも、イギリスに行って彼についた方がよかったのではないか。

この映画の本編については、テロリスト役の外国人俳優の演技が観るに耐えず、早送りにしてしまったので、なんともコメントできない。

丹波哲郎の英語のPRONUNCIATIONについては、ちまたで語られていたほどのレベルではなかった。

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コメント

特撮に難ありなのですね。特撮がしっかりしていなければ、成り立たないストーリーなのに、具合が悪いですね。せっかくの豪華キャストがもったいないような気がします。石油備蓄基地を爆破したら、遠くからでも肉眼で確認できると思うのですが、なぜ犯人はテレビ中継を見たいのか不思議です。

投稿: マーちゃん | 2008年4月 2日 (水) 23時43分

何故、日本の特撮はおもちゃっぽく写るんでしょうかね。
昔、「サンダーバード」や「謎の円盤UFO」「2001年宇宙の旅」を見て
そう思いました。まあテレビシリーズの「ウルトラマン」や「セブン」
は予算やスケジュールの都合もあるから仕方ないにしても
「ゴジラ」シリーズや「8.15」シリーズも本物には見えませんから
ねえ。「連合艦隊」は最悪でしたね。どうみても大和はミニチュア
にしか見えませんでした。外国製のフィルムを使って撮影すれば
巨大にみえるんでしょうか?(笑)笑い話でなく子供の頃、真面目に
考え込んだ事があります。(笑)

投稿: BIGSTONE | 2008年4月 3日 (木) 00時20分

マーちゃん。おはようございます。
テロリストは東京湾のタンカーにいるのですが、
石油基地は東京から離れた場所にあります。
実際にあるらしいんですがね。
船に乗っているんだから、そこまで行けるのにね。

投稿: スタンリー | 2008年4月 3日 (木) 08時41分

BIGSTONEさん。おはようございます。
そうですね。「日本の特撮は世界一」とか
円谷は「特撮の神さま」なんて誰が言ったのですかね。
外国の特撮は実写に近いレベルなので、
特撮と気づかないんですね。
結局、日本の観客の目が節穴なのです。特撮と分かるものを特撮と思っているのです。
フィルムは特撮にしてもイーストマンがいいみたいですね。これは私の感想です。「トラトラトラ」なんかです。
日本のミニチュア特撮はハイスピード撮影の回転数にムラがありすぎます。 
ある時は速かったり、ある時は遅かったり、
またある時は通常の24コマで撮影したりです。
私には意味不明の処理です。

投稿: スタンリー | 2008年4月 3日 (木) 08時53分

こんばんは。
節穴の人ばかりとは思わないですけど・・・。(笑)
昔、知り合いの女性で「日本沈没」の予告編を見て「怪獣が
出てくるのか、と思った」と言っていたのが印象に残っています。
特撮やSFにはあまり興味がなく専門知識もない人でしたが、
直感的にリアルな特殊撮影ではなく怪獣映画レベルの「特撮」
だと見抜いたのでしょう。確かに崩壊するビルの作りこみや
ライティング、効果音までゴジラ映画と同じですからね。(笑)
日本人は盆栽や盆景、文楽、歌舞伎など様式的に世界を
縮小した物や芸術を愛でる文化や精神構造を伝統的に
受け継いでいるようです。おもちゃっぽく写る「特撮」が好きなのかも
しれません。

投稿: BIGSTONE | 2008年4月 3日 (木) 23時05分

BIGSTONEさん。こんばんは。
いやいや。極論を申しまして御気に触ったらごめんなさい。
昔、「ほんものは誰だ」というテレビ番組があり、円谷特撮のスタッフが問題のテーマとして呼ばれたのですが、ゲストの一人が「日本の特撮は世界一」だと叫んだことに、猛烈な反発を感じ、いらい、そのゲストの声が日本の観客の声を代表しているのかという妄信をしてしまいました。
「日本沈没」の特撮については、お知り合いの仰るとおりで、怪獣映画のレベルで特撮をしていますね。中野氏の初作品ですが。でも、いいシーンもわずかにあります。
この映画でひどいのは効果音で、石油コンビナートの爆発音も富士山の爆発音も同じで、東宝のいつもの手抜きでした。
日本人はたしかに分かるミニチュア特撮好きかもしれません。
私は分からない特撮が本当の特撮だと信じて疑いませんが、
分かる特撮でもビジュアル的に演出の良いものは評価します。

投稿: スタンリー | 2008年4月 4日 (金) 00時50分

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