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武士道残酷物語

武士道残酷物語 DVD 武士道残酷物語

販売元:東映ビデオ
発売日:2004/02/21
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邦画メモ、NO,26、DVDレンタル

1963年、東映、シネスコ、白黒、123分、画質良くない。

監督- 今井正、 原作- 南条範夫、 脚本- 鈴木尚之、依田義賢

撮影- 坪井誠、 音楽- 黛敏郎

出演- 中村錦之助、東野英治郎、渡辺美佐子、荒木道子、

森雅之、有馬稲子、加藤嘉、木村功、三田佳子、岸田今日子

江原真二郎、山本圭

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あらすじ

自己を犠牲にしてまで主君に仕える日本人の被虐的精神構造を、江戸時代から現代までの7つのエピソードで描くオムニバス映画。第13回ベルリン映画祭で金熊賞を獲得した。物語は現代に生きるサラリーマン・飯倉が、ダムの入札をめぐって上役から競争会社の情報を盗むように言われ、スパイをしたその恋人が自殺未遂をするところから始まる。映画はそこから飯倉の先祖にさかのぼり、主君や国家のために犠牲になって死ぬ飯倉家七代の残酷な歴史を綴っていく。藩主の落度を被っての切腹に始まり、殉死、不義密通の濡れ衣で男根を切られたり、老中に娘を献上したり、戦争で死んだりと、異様なエピソードの数々に日本人の原形が重ね合わされる。

エイガ.ドット.コム より

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ひさしぶりに骨太の時代劇を観た。 まるで黒澤映画のようだ。

今井監督は左翼なので、この作品もああだこうだ、と言う人は映画の見方を間違っている。 この映画は錦之助や森雅之、江原真二郎、加藤嘉などの演技を楽しむ映画だ。

萬屋がこんなに芝居のうまい人だとは思っていなかった。この映画では、彼は10代から60代くらいまでの人物を一人七役こなしているが、特に老侍の役は様になっており、同一人物とは思えないほどだ。侍の役は「宮本武蔵」で完成させたのだろう。

さらに、彼は現代のエピソードではゼネコンのサラリーマンまでこなしている。 

切腹のシーンが多いが、ちょっと前の小林監督の「切腹」の影響があるかもしれない。

したがって外国人には受けるようだ。

ところで、なぜ外国人は「ハラキリ」と言うのだろうか。思うに、幕末や明治初期に来日したイギリス人などの記者やポンチ絵画家がそう書いたのかもしれない。「セップク」や「ツメバラ」は発音しにくいのだろう。

テーマがテーマだけに全体的に寒々とした映像であるが、撮影が冬に行われているようで、役者の吐く息が白く、それに輪をかけている。

黒澤「酔いどれ天使」では夏のシーンなのに、役者の吐く息がはっきりと白く写ってしまいシラけたものだ。

吐く息が白いのは、いかに日本の映画スタジオの労働環境が劣悪であるかを証明している。 エアコンなど無く、夏には照明の熱で40度以上にもなるという。

ただし、現在ではそんなことは無いと思うが。

わたしには特攻隊出撃のエピソードが不完全に感じられた。

しかも、撮影に使われた飛行機は自衛隊の練習機で、離陸も実写であったが、戦時中ありえない機体であり、飛行機ファンには失笑を買う。 かといって東宝のような下手なミニチュア特撮でも映画が台無しになるが。

東映のセットは出来が悪いというのをどこかで聞いていたが、この映画ではそれほど感じなかった。撮影のマジックで補正されたかもしれない。ただし、城内の畳敷きはところどころ雑な感じだった。

黒澤「椿三十郎」から各映画で血糊ドバーが流行りだしたが、この映画では控えめであった。この映画くらいが一番リアルではないか。

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コメント

戦国時代の武士の家では、5人兄弟で生き残るのは
一人だけというのも珍しくなかったみたいです。
主君のために死ぬという発想は江戸時代に入ってからだと
思うのですが、板倉家は凄まじいですね。
武士の世が終わっても、外国との戦争や企業間の競争など
厳しい世の中が続いているということですかねぇ。

投稿: マーちゃん | 2008年4月 9日 (水) 21時00分

言い忘れてました。BSで「暴行」を見ました~。
黒澤作品と比較するのはコクだとは思いますが
少し無理があったように思います。

投稿: マーちゃん | 2008年4月 9日 (水) 21時06分

マーちゃん。こんばんは。
かろうじて飯倉家は子孫が繋がっていきますね。
お殿様が死ぬと主要な家来が次々と切腹をするのは以外でした。
現代では秘密を知っている代議士の運転手や、
企業の幹部が自殺を強要されますね。


「暴行」は半分だけ観ました。原作の巫女の口を借りた、
殺された夫の証言はあるのでしょうか。
おしゃるとおり、いまいちスケールが小さいような気がします。
カーク船長が出ていましたね。

投稿: スタンリー | 2008年4月 9日 (水) 21時45分

錦之助を再評価した力作。そうですか獲ってますか。もうひとつ見ごたえがあったのが「仇討」。もはやキブ・アップしたが数年前まではテープもDVDもない。東映さん、出し惜しみせんといて。
(ハラキリなるほど。全てに母音が入るからでしょう)

投稿: ロンリー・マン | 2008年5月 5日 (月) 21時23分

ロンリー・マンさん。おはようございます。
そうです。東映のソフトはなかなか無いですね。
ヤクザ映画はたくさんあるのですが、あのビンボーユスリのチープな撮影とオーバーな演技。それと
チンピラがピストルをかまえるヘッピリゴシの格好がこっけいで観る気がしないですね。
松方などもドーランを塗っていて醜悪に見えます。
ヤクザ映画のファンでしたらすみません。

投稿: スタンリー | 2008年5月 6日 (火) 08時37分

全くやくざ映画のファンではないからドンマイですよ、むしろ「ひ○ん○き」。昭和31年頃は毎週のように見に行っていましたよ。俳優の名前すらもう出ないけど波島進とか今の松原千明のお父さんとか錦之助と千代之介全盛時代に隠れたスター好きでしたね。「仇討」調べたら武士道と同監督ですね、道理で。

投稿: ロンリー・マン | 2008年5月 6日 (火) 09時21分

ロンリー・マンさん。こんばんは。
「仇討」もBSで放送されたような気がします。撮ればよかったです。
東映のお姫さま映画、高千穂ひづるなどが主演していた映画も観たいですね。気楽に観られるような感じです。

投稿: スタンリー | 2008年5月 6日 (火) 20時14分

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