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2008年4月

錨を上げて

錨を上げて DVD 錨を上げて

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2006/10/06
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洋画メモ、NO,26、ワンコインDVD

1945年、MGM、テクニカラー、スタンダード、色に滲みの箇所あり。

原題- ANCHORS AWEIGH

監督- ジョージ・シドニー、音楽- ジョージ・ストール、撮影- ロバート・フランク、チャールズ・A・ボイル

出演- フランク・シナトラ、ジーン・ケリー、キャスリン・グレイソン、

ホセ・イトゥルビ、ディーン・ストックウェル

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ミュージカル紹介映画「ザッツ・エンタ・・・・」でこの映画が出てきて、ジーン・ケリーが「トムとジェリー」のジェリーと踊っているシーンが印象にあり、かなり以前からこの映画の存在は知っていた。

水兵二人が休暇で上陸する話で、同じ状況は後年の「踊る大紐育」でもあった。ただし、この映画は「踊る・・」より制作費がかかっていると思われる。

例によってMGMのミュージカルは他愛のないストーリーで、私には少々眠くなることもある。しかし、シナトラの歌やケリーのダンスシーンで眼が元気になってくる。

ホセ・イトゥルビというラテン系ピアニストが本人役で出演しているが、私はこの人は全く知らなかった。 映画では粋で物分りの良い人物を好演している。

イトゥルビのピアノ演奏は少しアクがあり、当時クラシックピアノ界は、ロシア系や東ヨーロッパ系が幅を利かせていたので、蚊帳の外の人だったかもしれない。

彼の本国スペインでは「ホセ・イトゥルビ、ピアノコンクール」が開催されていることもウィキペディアで知った。

ケリーとジェリーのダンスシーンは当初ミッキー・マウスがやることになっていたが、ディズニーからあっさり断られたという。しからば、同じMGMのキャラクターのネズミのジェリーに、ということでハンナとバーバラにまかせられた。

ハンナとバーバラもライバル意識があるから、張り切ってやったと思う。

私はディズニーのキャラクターはあまり好きではないので、ジェリーでよかった。

この映画に出るジェリーは、ケリーと踊るためにかなり大きなサイズとなっているが、アニメートはケリーのダンスをロト・スコーピングしていると思われ、足腰の動きは、なまめかしく、細かい。 ジェリーのカワイイ声がはっきり大きな声で聞こえ、セリフも長い。 トムはジェリーにチーズを運んでくる給仕の役で、セリフも無く、ワンカットのみの出演。

イトゥルビの出演シーンに、数十台のピアノによる「ハンガリアン・ラプソディー」の演奏があるが、私はああいうことは好まない。 ピアノという楽器は音階がデジタルで、同音を叩くとき音がずれると目だってしまう。時には不協和音を発生してしまう。 ピアノの合奏は3台が限界だと思う。

この映画で気がついたことは、カルロス・ラミレスという声楽家が「セビリアの理髪師」を歌っていることで、彼は同時期、制作されたテックス・エィブリーのアニメ「へんてこなオペラ」のPoochiniの歌も吹き替えているのではないか、ということだ。私の耳には同じ声に聞こえた。 

このアニメはエィブリーの最高傑作だと私は認めているが、まさか歌っている本人が見れるとは思ってもみなかった。 アニメのシーンを思い出して笑ってしまった。

- 「へんてこなオペラ」 -

http://jp.youtube.com/watch?v=piAaKs8sIvQ&feature=related

もうひとつ、推測だが、アカデミー賞受賞のトムとジェリーの「CAT CONCERT」のトムの演奏、ハンガリアン・ラプソディーはイトゥルビがやっているのではないだろうか。演奏スタイルがなんとなく似ている。

「雨に歌えば」はトーキー映画黎明期の舞台裏を見せてくれるが、この映画では1945年当時のMGMの映画スタジオを見せてくれて、ファンにはうれしい。

大きなテクニカラーカメラがよく分かる。それを乗っけるクレーンの大仕掛けがよく分かる。いかに当時の日本の映画技術が遅れていたかがよく分かる。

追記: 

ジーン・ケリーによる、スタントなしの実に危険なシーンが見物のひとつだ。

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パニック・ルーム

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洋画メモ、NO,25、日曜洋画劇場

2002年、コロンビア

監督- デヴィット・フィンチャー、脚本- デヴィット・コープ

音楽- ハワード・ショア、撮影- コンラッド・W・ホール、ダリウス・コンジ

出演- ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー、ジャレット・レト

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民放の映画はCMもあるし、カットされているのでめったに観ないが、偶然、終わりまで観てしまった。

ジョディ・フォスターという女優さんの演じるキャラクターはいつもギスギスしていて、尖がっていて男女かまわず相手に喰ってかかるものが多い。 男性からみたら、どうもなじめない女性ばかり演じているように見える。 離婚している状況が多いようにも感じ、いつも誰かと戦っている。

ただ、この映画では娘に言われて、汚い言葉を素直におうむ返しでしゃべるシーンが彼女には意外で面白かった。

最近の映画はカメラのマジックを見せてくれて面白い。

この映画では大きな邸宅が舞台なので、カメラは立体的に動いていて、時には壁の中をすりぬけたり、透かしてみせたりする。

例えば、吹き抜けの下からカメラはクレーンでチルトし、上の手すりの間をすりぬけ、廊下を移動、奥の一室の僅かに開いたドアを通りぬける。

どうやって撮影しているのか分からぬが、ところどころカットして、コンピューターで画面を接着処理しているかもしれない。

また、デジタルビデオカムなら図体も小さいのでやりやすく、ミニチュア撮影のようにモーション・コントロールされているのかもしれない。

こういう撮影は「市民ケーン」などにもみられるが、昔はローテクなので、「すりぬけ撮影」はカメラの移動ととも、カメラやクレーンがセットにぶつからないよう、スタッフが大急ぎでセットの一部を取りはずして行われていた。

だけど、最近のハイテク撮影も私は飽きてしまった。これだけ方々の映画で使われるようになると、単なる小手先をひねくり廻しているようにしか見えない。昔からのオーソドックスな撮影でもいい映画はできるはずだ。

大悪人と中悪人と小悪人の3人が押し入る。小悪人は糖尿病の娘を助ける。フォスターも助ける。

ヒッチコックだったら今の撮影テクで撮るだろうか。 脚本はどうするだろうか。

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暖簾

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邦画メモ、NO,27、NHKBS

1958年、東宝-宝塚、シネスコ、白黒、123分、画質良

監督- 川島雄三、原作- 山崎豊子、劇化- 菊田一夫、

脚本- 八住利雄、音楽- 真鍋理一郎、撮影- 岡崎宏三

出演- 森繁久弥、山田五十鈴、乙羽信子、浪速千栄子、

中村雁治郎、環三千代、扇千景、中村メイ子、山茶花究

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面白かった。森繁は親子二代の二役をこなすが、相変わらず芝居のタイミングがよく、テンポがいい。即興的なところもいつもどおりで、それがアブナッカしくない。

森繁のインプロビゼィションは、丁稚の頭をポンポン叩くところが傑作であった。

あの人のことだから、リハーサルより1発多くひっぱたいているかもしれない。

大阪商人の話であり、大阪弁をしゃべっているせいもあり、なんとなく「夫婦善哉」を思い出す。 どちらの映画にも偶然、昆布を煮るシーンがある。

森繁と山田の婚礼の夜のシーンが面白く、あんな結婚は見てる方も逃げ出したくなる。

山田五十鈴の花嫁は40歳くらいに見え、新婚生活では鬼嫁であるが、子供ができてからしだいに角がとれていく。

昆布の入札取引の現場も面白く、いまでもああいうものだろうか。勉強になった。

いずれ雁治郎の息子の嫁になる扇千景が出ていたが、宝塚出身女優であることは雰囲気で分かるものだ。

川島監督の映画は「貸間あり」、「幕末太陽伝」、「州崎パラダイス」とこの映画で4本目を見たが、45歳で亡くなったにしては結構多作で、もっと作品を観たいものだ。映画会社、配給会社はソフト化をもっと進めるべきだと思う。

追記:台風のシーンでは家屋が暴風雨にさらされるカットでミニチュア特撮があった。電柱のトランスが火花を噴くなど手がこんでいて水準の高い撮影だった。東宝なので円谷のグループの担当かもしれないが、この水準を怪獣映画などにも保ってもらいたかった。

追記:妹役の環三千代も宝塚出身だと思う。 小津の「秋刀魚の味」で北竜二の若女房役で出演していた。

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時間の習俗

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小説キャスティング(小説の映画化を想像する) 、NO、3

松本清張、 昭和36年-37年、「旅」連載

「点と線」で登場した鳥飼刑事と三原警部補が再登場する。前作同様アリバイくずしが中心となる。

あらすじ

神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。関係者の一人だが容疑者としては一番考えにくいタクシー会社の専務は、殺害の数時間後、遠く九州の和布刈神社で行われた新年の神事を見物し、カメラに収めていたという完璧すぎるアリバイに不審を持たれる――『点と線』の名コンビ三原警部補と鳥飼老刑事が試行錯誤を繰返しながら巧妙なトリックを解明してゆく本格推理長篇。

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キャスト

・峰岡 周一  37歳

   極光交通専務          ・・・・・・・・・・   南原 宏治

・土肥 武夫  39歳

   交通文化情報誌 編集長   ・・・・・・・・・・・  土屋 嘉男

  (殺される)

・大吉旅館女中 30歳

                      ・・・・・・・・・・  神崎 愛

・碧たん亭女中 35歳

                      ・・・・・・・・・・  楠木トシ江

・三原 紀一   33歳

    警視庁捜査一課警部補   ・・・・・・・・・・・  木村 功

・鳥飼 重太郎  53歳

    博多署 ベテラン刑事     ・・・・・・・・・・  田村 高廣

・稲村刑事 46歳           ・・・・・・・・・・・・  村上 冬樹

・大島刑事 27歳           ・・・・・・・・・・・・  小阪 一也

・須貝 新太郎 25歳        ・・・・・・・・・・・  坂東 玉三郎(殺される)

・梶原 武雄  28歳

    俳句会同人、カメラマニア ・・・・・・・・・・・・  高橋 貞二

・三原 の妻  30歳         ・・・・・・・・・・・  桑野 みゆき 

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・鳥飼刑事は映画では 加藤嘉 テレビドラマでは ビートたけし が演じていた。 が、加藤では老けすぎた感じだし、たけし ではツラが険しく、ゲンコツが飛んできそうだ。

●ちょっと原作に疑問を感じたところがある。

 ・フィルムのトリックではプリントされたカラー写真を、直接白黒フィルムの入ったカメラで撮影することになっているが、はたして撮影された映像は実写のように写るだろうか。

 ・フイルムを撒き戻して撮影した場合、現像されたネガを見れば、微妙に前のコマとの間の間隔と、後のコマとの間隔がズレている(下手をすると一部が重なっている)はずで、細工がバレてまうのではないか。

  

    

    

  

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どですかでん

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黒澤映画初のカラー作品でありながら、興行成績がふるわず、また評判のよくない作品であるが、私にとっては愛すべき作品であり、毎回観るたびに心を穏やかにさせてくれる。

初めて観たときには、たしかにこれが黒澤作品かと驚いた。どこに向って映画が進んでいくのか分からない。登場人物の誰にピントを合わせればいいのか分からない。

しかし、人物ひとりひとりは、みんな憎めない人ばかりで、松村達男ですら気の毒に思えてしまう。

ただ、金細工師の「たんばさん」がなんとなく、真ん中にいるように感じたが、それは見る人それぞれだと思う。

撮影は長回しが多く、即興的で、しかも俳優さんの個性が出ていて、その演技を観ているだけでも楽しい。

ところで、「たんばさん」の家に入った泥棒が逮捕され、家に実地検証に行き、終わって玄関から出るとき、はめられた手錠がピカリと閃光を放つ。

いったいこれはどういうことかと考えるが、幼稚な言い方をすれば、神さまからの視線ビームということだろうか。 それがどうした、と言われても解説できないが。

私には、カメラの視線・観客の目が神の視線のような気がする。

さらに私なりの解釈(映画に解釈はしない主義だが今回は特別)では、あの人たち、あの空間は実は「惑星ソラリス」の海の生命体が創造した人工島での人工物体ではないかということで、そうこじつければ映画に納得がいく。

つまり、生命体は地球の人間という生物をシュミレーションしていたという訳。

映画の最後に「どですかでん・どですかでん」と走っている六ちゃんをヘリコプターの空撮で捕らえ、次第にズームアウトすると、あのゴミの島がソラリスの海に浮かんでいたというエンディングを想像すれば、みなさん納得いたしませんか。

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キー・ラーゴ

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洋画メモ、NO,24、NHKBS

1947年、WB、スタンダード、白黒、101分、画質良

原題- Key Largo

監督- ジョン・ヒューストン、撮影- カール・フロイント、

音楽- マックス・スタイナー

出演- ハンフリー・ボガート、E.G.ロビンソン、ローレンス・バコール

ライオネル・バリモア、クレア・トレバー

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ボガートの出演する映画で、キー・ラーゴというタイトルも以前から知っていたが、地名だとは知らなかった。

これも密室でドラマが進む。

鏡がうまく使われていた。

ロビンソンのふてぶてしいこと、誠にコニクラシイ。彼が長々と芝居をしているのを初めて観た。善人の役は少ないと思う。

追記:ロビンソンが手下に髭をそらせながらセリフをしゃべるシーンが見所。

そういえば、ボギーの映画もこれが初めて。「カサブランカ」さえ観ていない。

カメラの仕業か、彼の体つきが少しアンバランスに見えた。元来、大男ではなく肩幅もせまいので、頭デッカチに写る。

今回、ボギーはひたすら我慢我慢で、その苦悩の表情がいい。ニコリともしない。

ロッコの手下も、およそ撃ち殺したくなるようなゲスばかりで、みんな芝居がうまい。ヒューストンの演出がうまい。

船での銃撃戦は、今の感覚ではノンビリしていて、緊張感に欠けるがゲス野郎どもが撃たれて気分が良かった。

撃たれても血がにじまず、火薬血糊もはじけないが、まだハリウッドでもそういうシカケが出来ていなかったのかもしれない。 斬られても血が出ず、着物も裂けない昔の日本のチャンバラ映画と同じだ。

ホテルの横の船着場から海は、オープンのプールによる撮影で、バックの空はカキワリ、ロングで見える船は巨大ミニチュア(5メートルくらい)であった。波の演出がうまく、最初セットと気が付かなかった。

拉致されていたのでしかたがないが、最後にようやくローレンス・バコールの笑顔が見られて、ホットした。

一昼夜寝ずでドラマは進行するが、食事のシーンが無かった。

ホテルが高波に襲われるシーンのミニチュア特撮は円谷よりうまい。

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ダイヤルMを廻せ

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洋画メモ、NO,23、NHKBS

1954年、WB、スタンダード、カラー、105分、画質良

原題- Dial M for Murder

監督- アルフレッド・ヒッチコック、脚本-フレデリック・ノット、

撮影- ロバート・バークス、音楽- ディミトリ・ティオムキン

出演- グレース・ケリー、レイ・ミランド、ロバート・カミングス、

ジョン・ウィリアムズ

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ヒッチコックの映画は未見のものが多いが、その一つを観た。

タイトルは有名で知っていたが、白黒映画だとばっかり思っていたところ、カラー作品だった。

資料によると、3D映画として制作されたという。この撮影は通常よりカメラが大がりになり、現場でも制限が多く、ヒッチコックも悩んだらしい。

しかし、3Dではなく、普通の映画として上映されたということだ。

この映画は、私は殺人計画をレイ・ミランドが仕込むまでと、その実行が予定と狂ってしまうことまでが大変面白い。

つまり、自分がミランドを応援しているからだが、完全犯罪が計画どおりいかないことにハラハラしてしまう。 これがヒッチコックのワナといえる。

後半の警部による鍵のトリックあばきは、「コロンボ」的で、推理ドラマを見慣れた我々の世代には関心するほどでもないと思うが、頭の悪い私には、もう一回、できれば日本語吹き替えで観なければよく分からない。

私には、警部のコロンボ的トリックあばきより、その以前のミランドと推理小説作家との、死刑になるグレース・ケリーを助けようとする共謀計画に期待したが、そうはいかなかった。そこから発展させても、それはそれで面白い映画になったと思う。 しかし、そのあとのミランドの機転も面白かった。

ケリーは当時20代であるが、ミランドは40代後半ということで、ちょっと夫婦の設定に疑問を感じる。

そのケリーは美貌だけでなく、あの若さ(25歳)でも芝居がうまい女優であることが分かった。ただしヒッチに絞られたかもしれないが。

最後、犯罪がバレたミランドがジタバタせず、皆に酒を振舞うのは、なんとも粋であった。これもコロンボ的だ。

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地球防衛軍

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特撮メモ、NO,18、DVD、レンタル

1957年、東宝、シネスコサイズ(東宝スコープ)、

カラー、88分、画質良

制作- 田中友幸、監督- 本多猪四郎、撮影- 小泉一

音楽- 伊福部昭、特技監督- 円谷英二、

特技撮影- 荒木秀三郎、有川貞昌

出演- 佐原健二、平田昭彦、白川由美、河内桃子、志村喬

村上冬樹、佐田豊、山田巳之助、藤田進、小杉義男、土屋嘉男

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♪  ♪  ♪  ♪  ♪♪♪♪ ♪♪♪- 

という伊福部のテーマは「フリゲートマーチ」ほど有名ではないが、時々聞かれる。「風雲タケシ城」のオバアチャンが座布団に乗っかるゲームに流れていた。

オープニングの小松崎氏による宇宙ステーションはすばらしいデザインで、古さを感じない。ステーション全体が回転しているのではなく、居住区のみ回転している。しかも上部のアンテナは回転方向が逆で、凝った作り方だ。このステーションは「宇宙大戦争」のオープニングでも使われた。

宇宙ステーションから左にパンして、小型円盤、地球へと行く。そしてタイトル。良い演出。

SFの雰囲気からいきなり日本の盆おどりのシーンへ。 外国人も喜ぶのではないか。このモブ撮影がいい。本多監督の演出がさえる。タイアップは森永チョコレート。

森林火災のシーン、村落が陥没するミニチュア特撮は円谷の演出では上々のシーン。ハイスピード撮影も適切だと思う。

モゲラの出現では、スノーシェーダーの崩壊がいまいち良くない。コンクリートが細かく破壊すればよかった。少し雑だ。

佐原健二が白川由美の入浴している旅館の脱衣所にいきなり現れる。ここに至るシーンが必要と思う。

モゲラが町を襲うシーンは後期の怪獣の特撮より良い。家のミニチュアの造形が細かく実写に近い、その家屋の燃焼も良い。

モゲラに対する自衛隊の活動と、住民のテキパキした避難は本多演出の中でも最高のものと認めたい。

自衛隊の隊員による武器・火器の砲撃は本モノで迫力が違う。

しかし、後のシーンで、それをミニチュアのタンクや大砲がスポイルしてしまう。これも本モノで撮影できなかったか。

ミニチュアのカタカタ戦車の特撮より、ライブラリの実写映像を使ったほうがリアル感が出ると思うが。一部カットに戦車のハッチから脱出した隊員(人形)がタイミングよく写っている。

火炎放射器の実写映像から、モゲラの特撮映像へのパニング・接続は本多・円谷コンビの演出でも名シーンに選ばれるものだ。

これに対するシーンはモゲラによる光線の火災の消火活動で、放水の向きは火炎放射器のシーンの反対方向である。 本多が意識してそのように演出したのだろうか。

モゲラの進行を阻止するため鉄橋を破壊するが、煙が多すぎた。モゲラもアッケなく停止してしまう。

山間の村が山津波に襲われる。 後年の「日本沈没」や「ノストラダムス」の特撮のレベル。特筆するものでもない。

富士山の宇宙人ドームの地中からの出現は、土煙の噴出がなかなか良い。

ミステリアン基地内のネオン管発光の機器がユニークで良い。これが宇宙人の使っている機械に、秋葉原で売っている電機部品がくっついていたのでは観る気を失くす。 赤と青の発光が印象的。

ミステリアン基地地下の描写に「禁断の惑星」によく似た俯瞰特撮カットがある。

ミステリアンのリーダーは顔が分からずミステリーだが、土屋嘉男氏が演じている。利吉さんは宇宙人の役もやってみたかったそうだ。

ミステリアンの地声と思われるものがブーブーと聞こえる。喋る日本語は翻訳機を通した声という設定であり、凝った演出だ。

国連所属の二人の博士、リチャードソンとインメルマンという名前は「宇宙大戦争」でも登場する。

三機の光る円盤の飛行シーンはすばらしい。実際のUFO目撃映像のよう。

地球防衛軍・国際会議室にミステリアンの基地の詳細図がある。どうやって入手したのだろうか。

防衛軍のα号、β号は主翼が無いので、飛行は基本的に垂直リフトエンジンが使われるが、航空工学的に無理がある。水平飛行にはロケットエンジンを使う。このロケット噴射は推力を感じられ、なかなか良かった。

マーカライトなんとかというパラボラ兵器は直径200メートルあるのだが、それを格納運搬するロケットは600メートル近い大きさと思われる。

しかし巨大感が全くない。ミニチュア然としている。その打ち上げシーンも飛行シーンも手抜きを感じる。ロケット噴射に迫力がない。

映像で気が付いたが、発射光線の合成シーンではフィルムのキズがひどい。合成していないシーンはキズが認められない。

ミステリアンのドームが光線の攻撃によって弱っていくシーンはどうも説得に欠ける。地下に潜ったりまた現れたり。 地下に退避すればいいと思うが。

相変わらす、地上のミサイルの爆発音やミステリアン基地内のネオン管機器の爆発音が全く同じ音。 この効果音は1974年ごろまで使われる。

十数年も変わらず録音ライブラリから同じ音を引っ張ってきてハメ込むのは、手抜きの何物でもない。

負傷・死亡したミステリアンの焼け爛れた素顔を見せ、哀れさを感じさせてくれる。本多監督の演出。

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「新世界より」

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ドボルザークの交響曲「新世界より」は、クラシック音楽に開眼した小学校6年生から愛聴しているが、毎回聴くごとに関心してしまう。

たくさんのメロディーが出てくる。しかもそれが絶妙に各楽章に関連していて、しっかりと骨格を成している。

メロディーは単一の楽章だけで消滅せず、次楽章、最終楽章で再び登場するが、この手法は、この曲が出来たおよそ100年前では目新しいことではない。だいたい、1800年代後期にリストなどが始めた手法だ。

しかし、この曲ほど、盛沢山のメロディーが使われ、更にそれが各楽章に融合・調和しているシンフォニーはないのではないだろうか。

ベートーベンなどはたった一つのモチーフを展開して1シンフォニーを作曲してしまうテクニシャンであるが、彼だったらひょっとして「新世界より」に使われているメロディー、モチーフで10個くらいのシンフォニーを作曲してしまうかもしれない。

だから、この曲を聴いていると、バイキング料理(それも一流レストランの)を食べたような満喫した気分になってしまう。

ところで、この曲を聴いていて、永年感じていたことは、たいへんビジュアル的であるということで、つまり、はっきり言うとアメリカ・ハリウッドの映画音楽にソックリであるということだ。

いや、この曲が完成されたのは19世紀末であるから、ハリウッドの映画音楽がソックリなのである。

それも、1940年代から、50年代の西部劇映画に影響が出ていると思う。

ただし、それは十分納得できることだ。ドボルザークはアメリカの民族音楽を取材して、この曲にアレンジして取り入れているからだ。そして西部劇には先住民がつきものだからだ。

しかし、思うに、あまりにもアメリカの映画音楽の作曲家はこの交響曲をマネしていると思う、いやその言い方に語弊があるとすれば、インスピレーションの元としているのではないか。

いや、ひょっとしてジョン・フォードなどの映画作家もこの曲に影響されているのではないか。

この曲を聴いていて眼に浮かぶのは

疾走する幌馬車や、待ち伏せる悪漢、迎え撃つ保安官、ささやかな煙草で異邦人をもてなすネイティブ・アメリカンの姿、その踊り、赤い土、メサ型の岩肌の独特の丘、砂漠の乾いた大地、その夕日、ジョン・ウェイン、アラン・ラッド、ヘンリー・フォンダ、・・・・

アメリカの活劇映画そのものなのだ。

ただし、ドボルザークは南部の黒人の音楽も取材しているという。

アンクル・トムズ・キャビンも眼に浮かぶ。

あのビリビリのシャツと麦わら帽子、ひび割れた手。コットン畑。

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暴行

藪の中
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ

洋画メモ、NO,22、NHKBS

1963年、MGM、パナビジョン、白黒、画質良、約97分

原題- OUTRAGE

監督- マーティン・リット、脚本- マイケル・カニン、

原作- 芥川龍之介、

制作- A・ロナルド・ルービン、撮影- ジェームズ・ウォン・フォン

出演- ポール・ニューマン(三船)、E..G.ロビンソン(上田)

ウィリアム・シャトナー(千秋)、ハワード・ダシルバ(志村)

クレア・ブルーム(京)、ローレンス・ハーヴェイ(森)

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黒澤「羅生門」のリメーク。といいたいところだが、「羅生門」を元にした舞台劇を映画にしたものらしい。だから、エンドロールには黒澤・橋本の名は無い。

ただし、芥川の「藪の中」を原作にしたというクレジットはある。

しかし、撮影にあたっては、宮川一夫のカメラをかなり意識しているように思えた。

日本の撮影術にハリウッドが負けるものか、というところである。だからこの映画には、およそ撮影テクニックのあらゆる手法が使われて、それは完璧に行われている。 

これは映画学校の教材としていいかもしれない。

一箇所どうやって撮影したのか分からないカットがあった。 それは倒れて死にかけている夫の横顔のクローズアップからカメラは空に向けてチルトし、木立の廻りをぐるぐると回転するところだ。 ノーカットである。

駅のシーンはスタジオ撮影だが、バックはすばらしい雷雲のカキワリで、さすがハリウッドである。

俳優さんはみんな芝居がうまく、安心して観られた。

黒澤「羅生門」で巫女(本間文子)の役はネイティブのシャーマンが演じていた。

クレア・ブルームという京マチ子役の女優さんも結構うまかったが、少々舞台役者的で演技がクドかった。

ただし、私には「羅生門」の三船と京の演技もダイナミックすぎてクドいと感じたものだが。

ポール・ニューマンのスペイン語ナマリの英語はうまいもんだ。まさか吹き替えではあるまいが、本人はあんな声をしていたか私の記憶にない。彼の映画をあまり観ていないので。

やっぱり黒澤の「羅生門」とは違う。 脚本家も監督もそう言いたいのではないか。

黒澤映画解説本にでている、この「暴行」についての評価は低く、思い出したくもない書き方をされている。 もっとも「荒野の七人」にしても、たいてい良く書かれていない。

しかし黒澤の「羅生門」という映画がもしも無かったら、それなりに評価されていた映画かもしれない。

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ルパンⅢ世カリ城のオートジャイロ

図解 ヘリコプター―メカニズムと操縦法 (ブルーバックス) Book 図解 ヘリコプター―メカニズムと操縦法 (ブルーバックス)

著者:鈴木 英夫
販売元:講談社
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先日、テレビで「007」を断片的に観ていたら、墜落しつつあるジェット輸送機の格納扉から、ヘリコプターが脱出するというシーンに出くわした。

もちろんこれはCG映像なのだが、また物理的におかしな処理だなと感じた。

ジェット輸送機は時速800キロは出ていると思われる。

その輸送機がトラブッている。そういう場合、飛行機というのは、エンジンのパワーを絞っても、速度は変わらず高度が下がるのだ。

したがって、格納庫からヘリが脱出したとすれば、瞬時に時速800キロの強風を浴びてしまうことになる。

すると、メインローターは確実にもげて吹き飛ばされてしまうだろう。あの映画のように格納扉から脱出したあと、ローターが水平の形を保って落下していくことはありえない。

アメリカのCGを作ったお兄さん方、もうちょっと物理・工学を考えて演出してちょうだい。

一歩譲って、かろうじてローターがもげずにもったとしよう。無事、ヘリは空中分解せず放出されたとしよう。

するとジェームズ・ボンド君はヘリを飛行させようと、ターボシャフトエンジンの始動に、あの映画のようにあせることはないはずだ。

私はヘリのメカに詳しくないが、始動前はエンジンとローターをつなげるクラッチが切られてるはずである。 つまりローターはフリーの状態で、オートジャイロと同じなのである。

するとエンジン無しでも、ローターは向かい風で自然に回転し始め、やがてオートローテーションのテクニックで降下飛行させることができるはずだ。エンジン始動は飛行が安定してから、あわてず行えばよい。 あるいはそのまま軟着陸させてもよい。

(この場面に登場したヘリはテールローターの無いノーター式で、オートローテーションの方法は普通のヘリと少し違うかもしれない。)

脚本家さんよ。映画の監督さんよ。 そういう演出をすればCGでもリアリティーが出て、ボンド君も余裕のある頼もしさが見せられて、かっこよかったんですがね。もうちょっと知識を広げてください。

ところで、オートジャイロと言えば、「ルパンⅢ世・カリオストロの城」に出てくるものがユニークで、印象に残っている。

あれはあきらかにオートジャイロの姿であるが、ちょっと普通と違っているのは、ローターの先にジェット推進のメカがついていることで、これを専門用語では「チップジェット式」という。

つまり、小さなジェットエンジン(パルスジェット、ラムジェット)でローター自体を回転させ、ヘリのように垂直上昇・ホバリングをさせるシカケである。

だから、あの映画のように、城の塔にホバリングしてルパンを助け出すことができた訳だ。 これが、ただのオートジャイロではホバリングができず、ああいう飛行は無理である。

いかに、大塚氏と宮崎氏がメカに精通していて、航空工学的に矛盾のない演出をしているかが分かる。

余談であるが、ヘリコプターが活躍する映画・テレビでは、物理的・航空工学的に大きな間違いをしているのは「エアーウルフ」である。

これに登場する主役のヘリは音速を突破して飛行するということだが、こんなことは天地が逆さまになってもありえない。

プロペラやローターというものは、回転の先端速度が音速に近づくと、回転のエネルギーが衝撃波に変わり、それ以上回らなくなってしまうのだ。

したがってヘリコプターがマッハで飛ぶことは不可能である。

これは飛行機ファンでも常識であり、航空工学の基礎だ。

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武士道残酷物語

武士道残酷物語 DVD 武士道残酷物語

販売元:東映ビデオ
発売日:2004/02/21
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邦画メモ、NO,26、DVDレンタル

1963年、東映、シネスコ、白黒、123分、画質良くない。

監督- 今井正、 原作- 南条範夫、 脚本- 鈴木尚之、依田義賢

撮影- 坪井誠、 音楽- 黛敏郎

出演- 中村錦之助、東野英治郎、渡辺美佐子、荒木道子、

森雅之、有馬稲子、加藤嘉、木村功、三田佳子、岸田今日子

江原真二郎、山本圭

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あらすじ

自己を犠牲にしてまで主君に仕える日本人の被虐的精神構造を、江戸時代から現代までの7つのエピソードで描くオムニバス映画。第13回ベルリン映画祭で金熊賞を獲得した。物語は現代に生きるサラリーマン・飯倉が、ダムの入札をめぐって上役から競争会社の情報を盗むように言われ、スパイをしたその恋人が自殺未遂をするところから始まる。映画はそこから飯倉の先祖にさかのぼり、主君や国家のために犠牲になって死ぬ飯倉家七代の残酷な歴史を綴っていく。藩主の落度を被っての切腹に始まり、殉死、不義密通の濡れ衣で男根を切られたり、老中に娘を献上したり、戦争で死んだりと、異様なエピソードの数々に日本人の原形が重ね合わされる。

エイガ.ドット.コム より

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ひさしぶりに骨太の時代劇を観た。 まるで黒澤映画のようだ。

今井監督は左翼なので、この作品もああだこうだ、と言う人は映画の見方を間違っている。 この映画は錦之助や森雅之、江原真二郎、加藤嘉などの演技を楽しむ映画だ。

萬屋がこんなに芝居のうまい人だとは思っていなかった。この映画では、彼は10代から60代くらいまでの人物を一人七役こなしているが、特に老侍の役は様になっており、同一人物とは思えないほどだ。侍の役は「宮本武蔵」で完成させたのだろう。

さらに、彼は現代のエピソードではゼネコンのサラリーマンまでこなしている。 

切腹のシーンが多いが、ちょっと前の小林監督の「切腹」の影響があるかもしれない。

したがって外国人には受けるようだ。

ところで、なぜ外国人は「ハラキリ」と言うのだろうか。思うに、幕末や明治初期に来日したイギリス人などの記者やポンチ絵画家がそう書いたのかもしれない。「セップク」や「ツメバラ」は発音しにくいのだろう。

テーマがテーマだけに全体的に寒々とした映像であるが、撮影が冬に行われているようで、役者の吐く息が白く、それに輪をかけている。

黒澤「酔いどれ天使」では夏のシーンなのに、役者の吐く息がはっきりと白く写ってしまいシラけたものだ。

吐く息が白いのは、いかに日本の映画スタジオの労働環境が劣悪であるかを証明している。 エアコンなど無く、夏には照明の熱で40度以上にもなるという。

ただし、現在ではそんなことは無いと思うが。

わたしには特攻隊出撃のエピソードが不完全に感じられた。

しかも、撮影に使われた飛行機は自衛隊の練習機で、離陸も実写であったが、戦時中ありえない機体であり、飛行機ファンには失笑を買う。 かといって東宝のような下手なミニチュア特撮でも映画が台無しになるが。

東映のセットは出来が悪いというのをどこかで聞いていたが、この映画ではそれほど感じなかった。撮影のマジックで補正されたかもしれない。ただし、城内の畳敷きはところどころ雑な感じだった。

黒澤「椿三十郎」から各映画で血糊ドバーが流行りだしたが、この映画では控えめであった。この映画くらいが一番リアルではないか。

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黒い福音

黒い福音 黒い福音
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
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小説キャスティング、NO,2

松本清張、昭和34年-35年、週間コウロン連載

映像化されていない。 

あらすじ

救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名”のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。日本の国際的な立場が弱かったために、事件の核心に迫りながらキリスト教団の閉鎖的権威主義に屈せざるを得なかった警視庁――。現実に起った外人神父による日本人スチュワーデス殺人事件の顛末に強い疑問と怒りをいだいた著者が綿密な調査を重ね、推理と解決を提示した問題作。

●神学生トルペック-30歳(アンソニー・パーキンス)

  教会の付属幼稚園保母である生田世津子と戒律を破り、情交を重ねる。日本語はおぼつかない。

●ルネ・ピリエ神父-45歳(スティーブン・セガール)

  グリエルモ教会の中では一番日本語に堪能。 江原ヤス子宅にて聖書を共同翻訳している。

●江原ヤス子-36歳(団令子)

  教会信者、ビリエと情交を重ねる。自宅はヤミ物資の秘密の拠点であり、神父が一般人にすり替わる隠れ蓑となっている。

●マルタン管区長-55歳(マーチン・ランドー)

  グリエルモ教会の最高指導者

●ゴルジ神父-40歳(ドナルド・プレザンス)

  渋谷教会神父、教会組織の運営資金調達のため、物資の闇取引を影で操る。

●マルコーニ神父-45歳(マーチン・バルサム)

  クリエルモ教会の会計担当、国際密輸組織とつながっている。会計の仕事はトルベックに引き継がれる。

●ジョセフ神父-35歳(チャールズ・ブロンソン)

  グリエルモ教会で唯一、闇取引の悪事を悔やむ正統派。煙たがられ、管区長により左遷される。

●田島-30歳(堺左千夫)

  信者のひとり、砂糖横流しのリーダー、教会が警察の捜査を逃れるために、罪をかぶって自主する。 その後教会に復帰。

●岡村-50歳(谷晃)

  信者、工場経営、生田世津子を殺害する手助けをする。

●坂口良子-23歳(坂口良子) ●齊藤幸子-22歳(万里昌代)

  教会付属幼稚園の保母、トルベックにセクハラを受けるが彼を非難しない。

●生田世津子-25歳(若尾文子)

  信者で保母、トルベックと熱愛関係。ある事情により、トルベックに誘われてスチューワーデスになる。 その後殺害される。

●ランキャスター-35歳(ショーン・コネリー)

  イギリス人、国際密輸団の日本在住黒幕、教会組織を資金面で牛耳る。

●齊藤警部-45歳(加藤大介)

  警視庁捜査一課、捜査リーダー。

●藤沢刑事-42歳(田村高廣) ●市村刑事-24歳(江原達治)

  捜査一課ベテラン20年のキャリア刑事と新米刑事

●本庁捜査一課長・新田(志村喬)

●本庁刑事部長(中村伸郎)

●警視総監(柳永二郎)

  トルベックが国外逃亡することを事前に承知していた。

●佐野記者-32歳(地井武男)

  藤沢警部とともに最後まで事件を追う、社会部新聞記者。

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・外国人俳優の出演料だけで、何十本もの映画が出来るだろう。

・セガールの大阪弁は直してもらう。

・小説は「刑事コロンボ」とおなじ倒叙形式。映画もそうする。

・したがって前・後編の2本立てとしてもよい。

  

  

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波の塔

Movie/波の塔 Movie/波の塔
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邦画メモ、NO,25、DVDレンタル

1960年、松竹、シネスコ、アグファカラー、99分

監督- 中村登、 撮影- 平瀬静雄、音楽- 鏑木創

原作- 松本清張

出演--- かっこ内は小説を読んだ私のキャスティング

小野木 喬夫   新米検事      津川 雅彦  (加山 雄三)

結城 頼子    結城夫人      有馬  稲子 (藤村 志保)

田沢 輪香子   田沢局長の娘   桑野 みゆき (星 由里子)

佐々木 和子     〃 友人    峯 京子   (岡田 茉莉子)

田沢局長     R省役人      二本柳 寛   (森 雅之)

田沢夫人       〃 妻      沢村 貞子  (田中 絹代)

辺見 博      新聞記者      石浜 朗   (佐藤 浩市)

結城 庸雄    政治ブローカー   南原 宏治  (平田 昭彦)

検事上司                 石黒 達也  (加藤 武) 

検事同僚                  不明     (久保 明)

検事事務官                 不明    (藤木 悠)

結城の2号                岸田 今日子 (木暮実千代)

温泉についていく2号             顔知っているが名不明    (淡島千景、根岸明美)

料亭の女将                 高橋 とよ (高橋 とよ)

    〃                     なし   (沢村貞子)

元検事正                佐々木 孝丸 (佐分利 信)

結城の弁護士              西村 晃   (のっぺらぼう)

小野木が尋問する被疑者                佐藤 慶      (ウルトラQのゴローのエテキチ)

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私のキャスティングは、「高橋とよ」だけ一致したが、彼女は小津映画からの゛女将゛専門役者といってもよく、そのほうのレギュラーであるが同じなので笑ってしまった。 東宝だったら「三好栄子」さんというところか。

佐々木和子役の「峯京子」、は松竹の新人で、辺見役の「石浜朗」とともに私は知らない役者さんだった。

あとは検事の同僚役(大部屋俳優さん?)を除いておなじみの方々。

結城役の「南原宏治」さんは本当に適役で、クールで、あのエロキューションも不気味だが、最後の頼子との面会シーンでは人間性がみられ、哀れに見えた。

結城の弁護士役「西村晃」も、なにか企む感じがピッタリ。

この映像化は、私が小説を読んで頭の中で作った映像とほぼ同じで、ちょっと驚いた。 

あの長い小説を、うまく要所をつかみ、まとめた脚本がすばらしい。 私にはとうてい出来ないことだ。

イメージとちょっと違ったのは、田沢邸が小さかったことで、さらにハウスキーパーさんが原作には居たが、映画では居なかった。

田沢邸のリビングは小さく、縦型ピアノがあったが、辺見役の石浜は弾かなかった。原作では彼はショパンの「雨だれ」前奏曲を弾く。

結城邸も原作では丘の大きな庭のある高級住宅なのだが、映画では市街地の邸宅である。

小野木役の「津川雅彦」は、芝居がまだ固く、能面のような顔で、キャスティングも疑問を感じる。

横浜の公園での二人の横移動撮影がステキであった。スクリーンの廻りに紗が入れてある。

ラストの頼子が樹海に入っていくところは、正面からの移動撮影で、足元が見えず、本人がフワフワとよろめいて、樹木が後退していくところは名シーンである。

私のような凡人は後姿にして撮影してしまうだろう。

デジタル処理で再現されたアグファカラーの色調がすばらしく、まるで絵ハガキのよう。 

先週、初めて読んだばかりの小説が、50年も前に映画化されている。

なんとも不思議な感じがした。

中村監督による映画化はほんとうに良く出来ていて、やっぱりプロは違うなと思った。

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敵中横断三百里

 日露戦争勝利の秘史・敵中横断三百里 / 菅原謙二  日露戦争勝利の秘史・敵中横断三百里 / 菅原謙二

販売元:イーベストCD・DVD館
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邦画メモ、NO,24、DVDレンタル

1957年、大映、シネスコ、白黒、83分

制作- 永田一雅、原作- 山中峯太郎、脚本- 黒澤明、小国英雄

監督- 森一生、撮影- 高橋通夫、音楽- 鈴木静一

出演- 菅原謙二、高松英郎、根上淳、品川隆二、川崎敬三

船越英二、柳永二郎、中村伸郎

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脚本を書いた人が有名なだけに期待したが、不発に終わった。

やっぱり、原作は戦前に書かれた軍国少年向けなので、各所にアナクロニズムが見られる。 この脚本も戦時中に書かれたのだろうか。

馬を失くしてしまったから、一行についてゆけず、責任をとって切腹するという兵が現れる。するとお前の代わりにオレが切腹するという兵が現れる。 廻りの兵隊も「いやオレもオレも」と言い出す。

こんな首筋がかゆくなるようなシーンは、戦時中の軍の検閲官が喜ぶだけのものだ。この映画は昭和32年制作だが、当時の観客も笑ったのではないだろうか。

日本軍の6人の兵隊がロシア軍の斥候に出かける。 

途中、ロシア軍の大部隊に遭遇し、一斉射撃をうけるのだが、日本兵には、シュワルツェネッガーのように一発も当たらない。 ハリウッドのご都合主義の原型。

大和魂があれば、敵の弾もよけてくれるというわけだろうか。せめてカスリ傷でも負えばリアリティーがあるのだが。

一行6人はロシア軍の物資輸送基地、つまり敵のウヨウヨしている真っ只中に潜入するのだが、スリル感が乏しい。一番映画としてオイシイ場面なのだが、アッケなく任務を遂行してしまう。ロシア兵が馬鹿に見えた。

ちょっと不可思議だったのは、斥候一行の外套が黒であることで、大雪原を敵中横断するのにソレハネーダローと思った。敵にここに居ますと言うようなものではないか。あれは歴史考証したことなのだろうか。あるいはロシア兵もあの格好なので、それに合わせたのだろうか。

兵隊の役だから仕方がないが、当時の高松英郎や品川隆二などの若い俳優のセリフのカツゼツが良く、凛々しく見えた。 最近の若い俳優に見習ってほしい。

雪原の中の木立の撮影がすばらしい。水墨画のよう。

ロシア軍の大隊に馬が100頭くらいいた。よく調達できたものだ。 「七人の侍」ではあんなに馬は出てこないが、そろえるのに苦労したという。 あれだけ集めた大映のスタッフに脱帽。冬の北海道大部隊ロケを手配したスタッフに脱帽。

音楽の一部にチャイコフスキーの「1812年」のフレーズが使われていた。

「大映スコープ」というシネマスコープの撮影だが、望遠レンズを使ったカットでは画面両端がたいへんニジンでいた。 カメラのシネスコ用レンズが良くないのだろうか。

全体的に縦に細長に写っていた。当時の日本におけるシネマスコープのレベルがよくないのか、映写レンズが良くないのか分からない。

追記: DVDのパッケージの解説で、黒澤による脚本は「姿三四郎」以前に書かれていることが分かった。 つまり戦時中であり、どうしても軍に対してヨイショする脚本を書かざるおえない。

大映におけるシネマスコープ第一作作品であった。画面のところどころに見にくい部分があるのはその為かもしれない。

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東京湾炎上

東京湾炎上 DVD 東京湾炎上

販売元:東宝
発売日:2005/11/25
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特撮メモ、NO,17、レンタルDVD

1975年、東宝、シネスコかビスタか記憶にない、100分

制作- 田中友幸、田中収  監督- 石田勝心

音楽- 鏑木創、 特技監督- 中野昭慶

出演- 丹波哲郎、藤岡弘、金沢碧、内田良平、水谷豊、

宍戸錠、渡辺文雄、ケン・サンダース

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テロリストがシージャックして、石油備蓄基地を爆破せよと政府に要求する話。

犯人はテレビ中継でその様子を見せろという。

それに対して政府は、爆破の映像を日本の誇る特撮映像にすり替えて流し、テロリストを欺こうとする。

笑わせる話だ。日本の特撮は本モノに見えるだろうか。およそ海外における日本の特撮映画の評価は子供だまし扱いである。

怪獣映画にせよ、SF映画にせよドライビングシアターで上映されるB級作品であり、上映主は入場料収入より、ティーンエージャーが買う菓子や飲料収入をアテにする映画なのだ。

あるいはテレビの深夜放送で、メチャクチャな翻訳の吹き替えで流される程度である。

日本の特撮の作り方は「見てのとおりミニチュアですが本モノと思って見てください」というレベルだ。だから子供にも特撮とバレてしまうのだ。

この映画の石油基地の炎上特撮も、誰がどう見たってミニチュアだ、

それをテロリストに見せて本モノですよという。

まったく日本の観客もナメられたものだ。

中野監督は円谷監督の助手をしていた人だが、爆発燃焼がオーバーな演出をする人で、その特撮は円谷氏より下手だ。炎の押し売りでウンザリしてしまう。

その悪い一例は「連合艦隊」の戦艦大和の爆発で、やっぱり油脂系の大爆発燃焼にさせてしまう。

実際の大和の沈没原因は火薬庫の大爆発だったのだが、その事実を歪め、スクリーン全体を超ハイスピード撮影の炎で埋めつくし、ゴマカシてしまっている。

この映画にしても、実際の原油タンクの燃焼は炎だけでなく、黒煙がつきものではないか。まったく真実性に欠ける。

もうすこし燃焼・爆発の見せ方について研究していただきたかった。

それというのも、当時では「サンダーバード」のデレク・メディングスの爆発特撮がすばらしかったからである。 彼の演出は、部品や破片の飛び散り、炎、煙、その速度(ハイスピード撮影)照明、アングルのすべてが物理にかなっていて、自然であり調和がとれている。

映画版「サンダーバード6号」のミサイル基地の爆発がそのいい例だ。

円谷英二の助手をするよりも、イギリスに行って彼についた方がよかったのではないか。

この映画の本編については、テロリスト役の外国人俳優の演技が観るに耐えず、早送りにしてしまったので、なんともコメントできない。

丹波哲郎の英語のPRONUNCIATIONについては、ちまたで語られていたほどのレベルではなかった。

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