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海と毒薬

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邦画メモ、NO,20,DVD,レンタル

1986年、日本ヘラルド、白黒、パナビジョン、123分

監督- 熊井啓、原作- 遠藤周作、 音楽- 松村禎三

撮影- 栃沢正夫、 ピアノ演奏- 野島稔

出演- 奥田瑛二、渡辺謙、田村高廣、岸田今日子、成田三樹夫、

岡田真澄、神山繁、根岸季依、千石規子

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旧日本軍の非人道的行為を暴くものは、小説にせよ映画にせよ、圧力がかかり、勇気のいることだが、よく制作できたものだ。

国際法では、無差別爆撃をした者は死刑にしてよいと言う。ほんとうだろうか。

手術シーンでは、スタッフから採取した実際の血液を使用し、話題になった。 たぶんガーゼについた血が本モノであろう。床に落ちて血がにじみ出る。

気分が悪くなることを覚悟して臨んだが、切開の実写シーンでは豚をつかったことが分かっているので、皮膚感などは人間と違っていて、案外冷静に見れた。

だが白黒とはいえ、大量出血するところは、見ているこちらも血圧が下がった。 妊婦さんや心臓の弱い方は目を伏せたほうがよろしい。

白黒映像の光と影の撮影がすばらしい。パナビジョンシステムは大変シャープ。

冒頭、太陽のクローズアップから取調室の照明へと重なる。どうやって撮影したのか、話題になったが、そんなに難しいことなのだろうか。

奥田と渡辺が、病院屋上にいる夜のシーン。 この世のものと思えない奇妙な音がいきなり聞こえ、バックの木立が燃えるように光っている。 

このシーンはホラー映画よりもっと怖い。 

岡田真澄が尋問する取調室は、暗闇の中で、鉄格子に囲まれいて、照明や構図など、まるで演劇の舞台に近い。 パンフォーカスでバックにマリア像が写っている。

古ぼけた病院は大変不気味。あんなところで治療を受けたくない。

成田三樹夫が外科の教授を演じているが、彼が医学用語を口にするのは、なんとなく可笑しさを感じる。

外科部長の田村高廣が、殺した米兵の手術室に再びやって来て、ドアに手を掛けるが、入室せず去っていく。 迷いを描写する印象あるシーン。

婦長である岸田今日子が手術道具の準備をテキパキとやっている。よほど練習したのだろう。

奥田瑛二は米軍捕虜を解剖したことを悩み続ける。 

中国人の一部の人は、旧日本軍の部分的行為から、日本人は鬼であると増幅して解釈しているが、日本人全員が鬼かどうかはこの映画を見て判断していただきたい。

若い頃、この原作を読んだが、もう一度読みたくなった。

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コメント

1986年だと、わりと最近なのに、この映画は知りませんでした^^;
渡辺謙さんも出ているのですね。岸田今日子の婦長役は恐そう。
成田三樹夫は味のある役者さんでしたよね。
ほんと、こんな重いテーマの作品を、よく制作しましたよね~。

投稿: マーちゃん | 2008年2月26日 (火) 12時21分

マーちゃん。こんばんは。
まず儲からない映画ですね。
でも熊井監督は結構儲かった映画も作っています。
「黒部の太陽」「サンダカン」とか。
岸田今日子さんは、そう、ちょっと怖かった。
成田さんはカツゼツがいいですね。
将棋を打っているシーンがありましたが、
彼はプロ級の腕でしたね。

投稿: スタンリー | 2008年2月26日 (火) 20時10分

前から興味のある映画だったけど(タイトルもいい!)、なんか
重そうだと敬遠してました。
監督、出演者共力のある人ばかりで今の時代ではこういう映画は作らないかも。

投稿: バルおばさん | 2008年2月29日 (金) 21時41分

パルさん。おはようございます。
奥田瑛二はこの映画が出世作のようですね。
渡辺謙はまだ芝居が硬いです。でも若い。
白黒映画なので、「マッシュ」の手術シーンより
どぎつくないです。
撮影がおもしろいので結構楽しめました。

投稿: スタンリー | 2008年3月 1日 (土) 08時53分

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