« デスノート・後編 | トップページ | キングコング対ゴジラ »

妖星ゴラス

妖星ゴラス DVD 妖星ゴラス

販売元:東宝
発売日:2004/02/27
Amazon.co.jpで詳細を確認する

特撮メモ、NO,14 レンタルDVD

1962年、東宝、シネスコ、カラー、88分、色合い良くない。

制作- 田中友幸、 監督- 本多猪四郎、 特技監督- 円谷英二

特技撮影- 有川貞昌、富岡素敬、 音楽- 石井歓

出演- 池部良、白川由美、久保明、水野久美、平田昭彦

佐原健二、田崎潤、上原謙、志村喬

-------------------------------------------------

地球に衝突するメテオを回避するため、地球ごと動かしてやり過ごすという、とほうもない話。 私の親父の世代は、こういう話を一言で片付けるとすれば「荒唐無稽」である。

南極大陸に巨大ロケットエンジンを設置し、大推力で地球を動かす。

こんなことが可能だろうか。映画によると推力660億メガトンで地球を押し、1,10×10のマイナス6乗Gの加速度を得、秒速93メートルで移動させる。

この数字は、制作スタッフが大学に取材に行き求めたもので、物理的にウソはないという。

だが、わたしのような素人でも気になることがある。地球の大気はどうなるだろうか。 ロケット噴射のガスと一緒に巻き込まれて、宇宙へ放り出されるのではないだろうか。

噴射エネルギーとしては映画のとおり、水素の核融合を使うとして、推進剤は海水を使うしかないのだが、映画ではその部分の描写が省かれていた。ロケットエンジンには蹴飛ばす(噴射する)材料が必要なのだ。

このユニークな話の映画には、残念ながら、セイウチの怪獣が登場し、せっかくの本格的SFの雰囲気を台無しにしてしまっている。 これは東宝上層部の策略であり、本多監督は反対したそうである。 しかもその怪獣はゴム長靴のようなデキの悪いキグルミのシロモノで、失笑を買った。

私のオヤジはテレビでこの映画を観ていて、このゴム長靴が現れた時点でチャンネルを換えてしまった。

---------------------------------------------------

1978年の未来の設定。 オープニング音楽はゴジラのテーマのリズムにそっくり。

冒頭、白川と水野が湖で泳ごうとして、衣服を脱ぐ。以前映画館で観たときは下着がはっきり映っていて、ドキドキしたものだが、DVDではトリミング処理で隠している。

ロケットの中の人物の動きが無重量状態でない。「宇宙大戦争」のときより描写をサボッテいる。

ロケットの内部の電子装置は相変わらず秋葉原で売っているラジオパーツ。私もラジオ少年だったのでかえって懐かしい。

ロケットの炎の合成が良い。青い炎がいい感じ。火薬をつかった下手な火炎より良い。

小沢栄太郎、佐々木孝丸、河津清三郎、西村晃という巨匠監督たちに使われたベテラン俳優が、神妙な顔つきで、「地球の6000倍の星」だの「宇宙省」だの「ロケット」だのと言葉を発していて、ミスマッチのおかしさがある。

宇宙飛行士訓練センターに「無重力室」なるものがあった。どうやって無重力を作るのだろうか。部屋ごと落っことしているのだろうか。

パイロットたちは8000人の公募から選ばれたということだが、それにしてはみんな軽薄でC調。賢く見えない。

久保明が水野のアパートに訪問する。 ドアブザーを使ってモールス符号の「アケロ」を打つ。

寒天の海を使った船のミニチュア航行シーン。 ユニークな方法だと思うが、船のミニチュアが極端に小さく(20センチ位)、スモークも焚かれず、オモチャ同然の画面となってしまっている。 カメラが寄り過ぎだ。

南極ロケット施設の建造シーン。 建設ミニチュアは造り込んであり、スタッフに脱帽。

建造中の音楽がすばらしい。 撮影は相変わらず「神さまの目」のカメラ位置であり、巨大感がない。

ミニチュアブルドーザーの砂をかくシーンは良いが、ベルトコンベアーに載せられた物資がカタカタとオモチャっぽく動いている。

全体的に空気感、大気感がない。 建物に取り付けられたレーダーがギクシャクと動いていてオモチャッぽい。

ジェットパイプ群のマット絵は相変わらず下手。 ジェットパイプのミニチュアは全く巨大感が無い。

炎の噴射はハイスピード撮影でなく、全く迫力が無い。ただし、露光不足で火炎が写らなかったかもしれないが。 実際のガスの火炎を使うのでなく、オーソドックスな合成の火炎のほうが良かったのではないか。

高波が街を襲うシーンは円谷のレベルのものであり、特筆するものでもない。中野監督の「日本沈没」も同程度のレベル。

ゴム長靴のセイウチをビートル機が攻撃する。ビートル機のVTOLシーケンスの撮影は良い。

ビル群のミニチュアを実際の河に沈めて撮影。オープン撮影の太陽光の感じが良い。

ただし、ビルのミニチュアの出来が悪い。トラックで運ぶので精巧なものは出来なかったか。

無事、ゴラスを回避する。 地球の軌道をもとに戻すため、今度は北極にロケットを設置するといって映画は終わる。  

北極に大地はないが、どうやるのだろうか。

|

« デスノート・後編 | トップページ | キングコング対ゴジラ »

特撮メモ」カテゴリの記事

コメント

いろいろとご覧になっていますねぇ。
南極大陸に巨大ロケットエンジンを設置するという発想はブラボーなのか、おバカさんなのか・・・・?物理的にウソがないのですか!
ちょっと前の話になりますが、NHKで「地球からのモーニングコール」(こんな感じのタイトルでした。モーニング・ミュージック?いやコレクト・コールだったけかな?・・・笑)という番組がありましたね。ご覧になりました?宇宙飛行士を起こす音楽を地球から送るというものでした。日本人宇宙飛行士の野口さんは、「世界にひとつだけの花」をリクエストしたそうですね。

投稿: マーちゃん | 2008年2月11日 (月) 23時13分

マーちゃん。こんばんは。
最近、私のブログ、ページが開くのが重いですね。
原因不明です。すみません。
あ その番組、もちろん観ましたよ。
野口さん。トトロの「歩こう」もやっていましたね。
私だったら、平凡ですが「美しく青き・・・」ですね。
野口さんキーボードを持ち込んでいましたが、あんな重いもの、
何万ドルという打ち上げコストがかかっているはずですよ。
「ゴラス」で今思い出しましたが、白川さんの脱ぐシーンでは、彼女のワキ毛が写っていたはずです。

投稿: スタンリー | 2008年2月11日 (月) 23時36分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/412224/10438503

この記事へのトラックバック一覧です: 妖星ゴラス:

« デスノート・後編 | トップページ | キングコング対ゴジラ »