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2008年2月

海と毒薬

海と毒薬 デラックス版 海と毒薬 デラックス版
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邦画メモ、NO,20,DVD,レンタル

1986年、日本ヘラルド、白黒、パナビジョン、123分

監督- 熊井啓、原作- 遠藤周作、 音楽- 松村禎三

撮影- 栃沢正夫、 ピアノ演奏- 野島稔

出演- 奥田瑛二、渡辺謙、田村高廣、岸田今日子、成田三樹夫、

岡田真澄、神山繁、根岸季依、千石規子

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旧日本軍の非人道的行為を暴くものは、小説にせよ映画にせよ、圧力がかかり、勇気のいることだが、よく制作できたものだ。

国際法では、無差別爆撃をした者は死刑にしてよいと言う。ほんとうだろうか。

手術シーンでは、スタッフから採取した実際の血液を使用し、話題になった。 たぶんガーゼについた血が本モノであろう。床に落ちて血がにじみ出る。

気分が悪くなることを覚悟して臨んだが、切開の実写シーンでは豚をつかったことが分かっているので、皮膚感などは人間と違っていて、案外冷静に見れた。

だが白黒とはいえ、大量出血するところは、見ているこちらも血圧が下がった。 妊婦さんや心臓の弱い方は目を伏せたほうがよろしい。

白黒映像の光と影の撮影がすばらしい。パナビジョンシステムは大変シャープ。

冒頭、太陽のクローズアップから取調室の照明へと重なる。どうやって撮影したのか、話題になったが、そんなに難しいことなのだろうか。

奥田と渡辺が、病院屋上にいる夜のシーン。 この世のものと思えない奇妙な音がいきなり聞こえ、バックの木立が燃えるように光っている。 

このシーンはホラー映画よりもっと怖い。 

岡田真澄が尋問する取調室は、暗闇の中で、鉄格子に囲まれいて、照明や構図など、まるで演劇の舞台に近い。 パンフォーカスでバックにマリア像が写っている。

古ぼけた病院は大変不気味。あんなところで治療を受けたくない。

成田三樹夫が外科の教授を演じているが、彼が医学用語を口にするのは、なんとなく可笑しさを感じる。

外科部長の田村高廣が、殺した米兵の手術室に再びやって来て、ドアに手を掛けるが、入室せず去っていく。 迷いを描写する印象あるシーン。

婦長である岸田今日子が手術道具の準備をテキパキとやっている。よほど練習したのだろう。

奥田瑛二は米軍捕虜を解剖したことを悩み続ける。 

中国人の一部の人は、旧日本軍の部分的行為から、日本人は鬼であると増幅して解釈しているが、日本人全員が鬼かどうかはこの映画を見て判断していただきたい。

若い頃、この原作を読んだが、もう一度読みたくなった。

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ラドン

空の大怪獣 ラドン DVD 空の大怪獣 ラドン

販売元:東宝
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特撮メモ、NO,16、DVD、レンタル

1956年、東宝、スタンダード、イーストマンカラー、82分、画質普通

制作- 田中友幸、監督- 本多猪四郎、特技監督- 円谷英二、

音楽- 伊福部昭

出演- 佐原健二、白川由美、小堀明男、平田昭彦、村上冬樹

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東宝怪獣映画で初めてのカラー映画。ただし未だシネスコサイズではない。

シネスコサイズでカラーの怪獣映画は「キングコング対ゴジラ」まで待たなければならない。

コダックのカラーということで、当時の大映と同じフィルムを使った。

微妙な色合いが面白い。黄色が目立つ。もっともDVDで当時の色を忠実に再現しているかどうかは不明であるが。

この映画は「ゴジラ」と同じ、一匹(親子で2匹)の怪獣を日本の防衛軍が退治するストーリーで、後年の複数の怪獣によるプロレスシーンが無い。

私はこういうシンプルな話が好きで、怪獣映画の中でも好きなものの一つだ。

複数の怪獣がプロレスをするのは、子供のころの私も、どうも子供ダマシだな、と感じていて、特に、ハイスピード撮影を使わず、チョコマカと怪獣が動くのは見るに耐えなかった。 この思いは今も変わらない。

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九州の鉱山従事者の家屋が懐かしい。昭和20年、30年代の家のたたずまい。

地球温暖化の危機を、既に暗示しているシーンがある。

広場に集合した炭鉱従業員の面々が様になっている。本多の演出がさえる。

目立たないが、中谷一郎がヤゴの怪物に襲われる。若い。

白川由美のユカタ姿がいい。

ヤゴのキグルミが良く出来ている。3人がかりで動かしている。たぶん、かなりの制作費がかかっている。

ヤゴの鳴き声は、「宇宙大戦争」のナタール星人の音に使われてもいる。 指で擦る楽器の音。

ヤゴに向けて撃つ機関銃は本モノを使用している。

何万年も眠っていた怪獣が蘇る理屈として、3000年前のハスの実が花を咲かせたという例をもってくる。 怪獣出現の常套手段。

原水爆の実験が、その引き金になったというのも常套手段。

いつのまにか「ラドン」という名前で呼ばれている。いつ命名したのか。

ラドンの風圧によりミニチュアのジープがひっくり返る。 クローズアップのカットは良い。

戦闘機のブルーバックシーンの技術がまだ完成されていない。にじんでいる。

戦闘機のミサイル発射が相変わらずオモチャっぽい。これは後年の映画・テレビでも進歩がない。

西海橋の崩落はカメラの回転も適切であるが、特に優れているものでもない。ミニチュアの造形は良い。

佐世保(福岡?)の市街の崩壊は円谷のものでは、良いほうに属する。特にアサヒビールのビルが風圧で崩壊するシーンが良い。

崩壊するビルの中に、逃げまとう人が合成(おそらくリアプロジェクション)されている。「ゴジラ」でも同様のシーンがあったが、気配りのある演出。

電車がひっくりかえると、モーターの配線などが見えてしまい、興ざめ。そういうディテールも作りこむべきだ。

戦車やポンポン砲などの質感が良くない。あいかわらずカタカタとオモチャっぽい

企業タイアップは「ダットサン」、「森永ミルクキャラメル」、「アサヒビール」、「カルピス」か?

この映画のミニチュア特撮で特筆すべきは、火山噴火口内の描写で、オープンで作りこまれたそれは、火山の噴煙も含めて、実写映像そのものに近い。スタッフに脱帽。

その、火口にミサイルを撃ち込み、爆破するシーンは、ハイスピード撮影も適切で、飛び散る土砂、火花は円谷映像でも、もっとも成功したものといっていい。

良くないのは、ミサイルの発射台の角度調整のシーンで、スタッフが素手で、ワイヤーを引っ張っているので、ギクシャクしており、メカニカルな動きでないことだ。

これは円谷特撮の操演、全般に言えることで、ミニチュア特撮をオモチャっぽくさせてしまう要因の一つである。

そういう演出がウマイのはアンダーソン作品、「サンダーバード」などの演出を手がけたデレク・メディングスである。 また小さなミニチュアを使った爆発パイロも彼を超える特撮監督はいない。

阿蘇の火山噴火シーンでは溶けた鉄を使用。 恐らく世界で始めての試み。ユニークな手法で、また撮影も大変危険。 ビジュアル的にも成功している。

溶けた鉄は、カメラ側まで流れないように、奥行き、手前と二つのセットで分け、溶鉄を下に落としている。

ラドンのワイヤーが片方切れてしまったが、カットせずそのまま使用。ラドンの断末魔となった。 有名なエピソード。

そのラストシーンで、登場人物は一言も発しない。 伊福部の短調の悲しい音楽で「終」のマーク。 

外国にも「ロダン」というタイトルで放映されたそうだが、同じラストなのだろうか。極めて日本的な終わり方だと思うが、外国の人に違和感はないだろうか。

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おっそろしい演奏

BMG JAPAN ホロヴィッツ/アーティスト・オブ・ザ・センチュリー〜世紀の名演奏家1 ホロヴィッツ BMG JAPAN ホロヴィッツ/アーティスト・オブ・ザ・センチュリー〜世紀の名演奏家1 ホロヴィッツ
販売元:murauchi.DVD
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「おっそろしい」とは名古屋弁で「恐ろしい」の最大級をいう。

何が恐ろしいかというと、ホロヴィッツが1953年にカーネギーホールで演奏・録音した、プロコフィエフのピアノソナタ7番の第3楽章のことだ。

第2次大戦中に作曲されたので「戦争ソナタ」と呼ばれるものの一つであるが、この第3楽章は、よく戦車が突進してくる様子を顕わしているようだと言われる。

当時のソ連の戦車は性能もよく、大きくて、それがキャタピラの音を響かせて向こうからやってきたら、さぞ怖いだろう。

映画では「プライベートライアン」でドイツ軍の戦車の音を効果的に使い、戦場の恐怖を再現していた。あれはもう「ジュラシックパーク」の恐竜の地響きのようであった。

だが、ホロヴィッツの演奏は戦車の音の恐怖を超えている。

8分の7拍子で強烈な和音が、始終、連打されるが、それはもう戦争の武器でいうならば、まるでボフォース40ミリ機関砲の連続発射といってもいい。

「ランボー」では完全にキレたスタローンが、本部基地の機械装置をマシンガンでぶっ壊すシーンがあるが、発射のリズムがそれに似ている。

それは ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ という感じであろうか。

しかし、マシンガンの発射音というような生易しい音ではない。

ホロヴィッツの出す音は、厚い鋼鉄の板をブチ抜く砲弾の音である。 

あのような圧倒的に強力な打鍵能力は、日本人ピアニストには無い。

ホロヴィッツの腰から肩、腕にかけては、生理学的にみてどういう構造になっているのだろうか。 とても人間がなせる演奏・音ではない。

最後のしだいにクレッシェンドしていくところは、いつもイスから転げ落ちてしまう。 完全に「マイッタ」の状態。

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邦画メモ、NO,19、NHKBS

1965年、三船プロ、東宝、シネスコ、白黒、画質良、122分

監督- 岡本喜八、脚本- 橋本忍、音楽- 佐藤勝、撮影- 村井博

出演- 三船敏郎、小林桂樹、伊藤雄之助、新珠三千代、

松本幸四郎、東野英治郎

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イヤー面白かった。

音楽は佐藤勝で、雰囲気は、まるで黒澤の三十郎シリーズ第三弾を観ているといってもいい。

井伊直弼暗殺の「桜田門外の変」に一人の浪人が加わっていたという話。

浪人は三船だが、ただし三十郎のように仕官に興味が無いという訳ではなく、一応、出世したい人物ということになっている。

桜田門のオープンセットがすばらしく、150年ほど前の出来事なのに、タイムトンネルで事件の映像を観ているようだ。

撮影監督は知らない人であったが、パンフォーカスとワイドを多用した、見ごたえのある映像。

暗殺一味のリーダーは怪優、伊藤雄之助で、血も涙もない冷酷無比な人物を、あの迫力ある顔で演じている。 あのウマヅラ顔自体、「帝都物語」の加藤にソックリで、なにか怨霊が乗り移っているような、不気味な人物に見える。

桜田門での殺陣は、発泡スチロールの雪が口に入ったりして、撮影もたいへんだったと思う。 振り付けは久世竜で、観ている自分も事件の真っ只中に放り出されたような演出だ。

血糊ドバーもあるが、白黒画面で、瞬間のカットなので、それほど痛々しく見えない。

実際の事件によると、井伊直弼の共侍は、刀に袋をかぶせていて、とっさに抜くことができず、素手で相手の刀をつかみ、指を切断したものがいたそうだが、そういう演出もあればおもしろかった。残酷ではあるが。

東野英治郎による、三船の過去の話は、フラッシュバックを期待したが、新珠三千代にソックリな女に出会うシーンのみで、ほとんど話しの説明に終わり、少しガッカリであった。 予算や撮影期間に余裕がなかったかもしれない。

それにしても水戸藩の侍たちはエライことを企てたものだが、こういうことは今の世界では、中東あたりで起こっている。

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グランドホテル

グランド・ホテル DVD グランド・ホテル

販売元:ファーストトレーディング
発売日:2006/12/14
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     ↑ は500円のもの

洋画メモ、NO,14、DVD、レンタル

1932年、MGM、スタンダード、白黒、113分

画質不良、35ミリを16ミリに焼きなおしたものと思われる。

監督- エドモンド・グールディング

出演- グレタ・ガルボ、ジョーン・クロフォード、ジョン・バリモア

ライオネル・バリモア、ウォーレス・ビアリー

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グランドホテル形式の「グランドホテル」を観る。

このホテルはどこの国にある支店の設定なのか。 ドイツの辺だろうか。

円形吹き抜けのホールはセットなのか実際のホテルなのか分からない。ただ手すりが低く、危険である。

出演人物は泥棒男爵を通じて、なにがしら関係してしまう。泥棒なので強引に部屋に忍び込め、相手に係ってしまうのが、話しのミソと言える。このやり方は後年の映画にもスリや犯罪者の登場で踏襲される。

また、自殺志願者、厭世主義者もよく登場する。

ところでレンタルDVDで観たが、編成がチャプターが4つしかないうえに、字幕が二人の会話を同時に上下2段で書かれるなど、たいへん手を抜いたものであった。 脱字も見られた。

たぶん、500円のソフトだと思う。 画質が悪いのもそのためだろう。安かろう悪かろうを覚悟しなければならないが、レンタル店に、このようなソフトを置いているのはいかがなものか。

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倒産寸前の重役、ウォーレス・ビアリーが少しドイツ語なまり。 演技だろうか。

スウェーデン出身のガルボはロシアのバレリーナだが、ロシアなまりではない。

ガルボの演技はオーバー。舞台のアクションでやっていて、私が監督ならもっと抑えてもらうところ。

ジョーン・クロフォードの演技のほうが自然でうまい。ガルボはライバル意識であのような演技になったかもしれない。

泥棒男爵のジョン・バリモアはうまい俳優さん。 死ぬつもりの会計役のライオネル・バリモアは彼の兄。ちょっと芝居はくどい。この役は当初、バスター・キートンが選ばれていたという。 部屋で一人酔っ払っているシーンはキートンを彷彿させる。

ホテルのバーのカウンターシーンは長廻しでいっき撮りしているところがあった。長廻しはけっこうある。

ガルボの部屋でのシーンにラフマニノフの曲が使われる。「逢引」より早く、作曲者は在命中。 自分の曲が映画に使われラフマニノフはどんな気分だったろうか。

曲はピアノ協奏曲2番3楽章、プレリュード作品23の5アラ・マルチアの中間部。

もう1曲あったが、曲名分からず。

バーで流れていたピアノソロ、ジャズィーなショパンチックな曲で印象にある。

映画のオープニングとエンド、映画中にもシュトラウスなどのワルツが使ってあった。

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或る夜の出来事

或る夜の出来事 DVD 或る夜の出来事

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2007/06/06
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洋画メモ、NO,13、DVD、レンタル

1934年、コロンビア、白黒、スタンダード、トーキー、105分

画質悪い、35ミリを16ミリに焼き直したものと思われる。

原題「 IT HAPPENED ONE NIGHT 」 

監督- フランク・キャプラ

出演- クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール

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キャプラなので安心して楽しめた。

古さを感じさせない。

後年の映画「ローマの休日」、などに使われたアイデアが満載。

どんでん返しと言うほどでもないが、エリーの父親が最初、高慢で金に物言わせるだけの人物と思わせておいて、案外、人物を鋭く見抜き、娘の幸福のためならスキャンダルにもなりかねない結婚式のドタキャンを演じさせることだ。

この父親の存在が、この映画では重要で、日本の脚本家はこういう展開を考えられるだろうか。たぶん、最後までイヤなヤツとして終わらせてしまうだろう。

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コルベールは美人というものでもないが、ツケマツゲが似合っていて、ちょっと越路吹雪似。あの当時の女性にしてはスリム。

ゲーブルが演技派であることが分かった。ヒッチハイクテクニックの披露は傑作。

エリーが、バスの中でゲーブルの肩を借りて熟睡しているシーンは男心をくすぐる。

バスの中で歌われる「ブランコ乗り」という3拍子の歌は、どこかで聴いたことがあったが、テックス・エイブリーのアニメ「恐怖よさらば」でも使われていた。 バスの客みんな歌うので、アメリカ人にはお馴染みの唄か。

エリーがモーテルのシャワー室までの野外横移動撮影が面白い。

懸賞金目当ての男をピーターがデッチアゲ話で手を引くよう脅す。機知にとんで面白い。

英語という言語が詩的であることが分かる。

「夜になると女と月と海が一つになる」は英語の単語でポツリポツリしゃべると詩となる。

エリーがピーターに告白するクローズアップはソフトフォーカス。

ピーターが電報を打つシーン。 受付女性から「COLLECT CALLですか」と訊かれ、「CORRECT、そうだ」とシャレを言う。

エリーの婚約者がオートジャイロで式場にやってくる。実写の短距離着陸シーンは面白い。 

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キングコング対ゴジラ

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販売元:東宝
発売日:2008/01/25
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特撮メモ、NO15、DVDレンタル

1962年、東宝、シネスコ、カラー、色、画質不良、97分

東宝創立30周年記念作品

制作- 田中友幸、 監督- 本多猪四郎、 特技監督- 円谷英二

特技撮影- 有川貞昌、富岡素敬、 音楽- 伊福部昭

出演- 高嶋忠夫、藤木悠、浜美枝、若林映子、平田昭彦

、田崎潤、有島一郎、小杉義男、根岸明美、堺左千夫

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アメリカのRKOからコングの権利を買って制作された。

映画の題名で、コングが最初に来るのはRKOの要請だと思う。

子供のころ、友達からこの映画の話を聞き、いつか観たいものだと、長く楽しみにしていたが、ずっと後に観た第一印象はかなりガッカリだった。

コングのキグルミは、まあ我慢できるものとして、あの顔だけは納得できなかった。まるで石膏で作ったみたいで、肉質がまるで無い。ひどいのは目で、生き物の目ではない。 まあ、当時のレベルではいたしかたないものかもしれないが、これにはRKOも不満であっただろう。

もう一つのガッカリはコングとゴジラの富士山バトルシーンで、ハイスピード撮影でなく、通常の速さの24コマで撮影されていることで、巨大感も無く、物理的感覚が変であることだ。

円谷の演出においては、こういうことがよくありがちで、私は子供のころから不思議に思っている。 いや今でも全く理解できない。 

しかし、映画全体のデキはよく、本多監督の最高傑作といってもいい。

ムダな演出やカットは一切無く、テンポ良く、大人も子供も楽しめる内容となっている。 ただし日本人には。

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米潜水艦の浮上航行シーンは良い、カメラ回転数適切。ただしバックがカキワリとはっきり分かり、その絵もひどい。

高嶋、藤木、有島は「社長シリーズ」の乗り、有島はオーバーアクションだがうまい人だ。

宣伝部長の有島の言葉、「宣伝にやりすぎは無い」、「宣伝にもういいは無い」。

潜水艦の外国人アマチュア俳優の演技が、いつものとおりヒヤヒヤする。

島のネイティブが集まっているシーンは、踊っていなくても、映画というよりは舞台ミュージカル的。

鬼瓦の小杉義男がネイティブリーダー役、英語を崩した言葉をしゃべっている。

高嶋と藤木のコントシーンは外国人に分かるだろうか。

ゴジラが米軍基地を破壊する。 またミニチュアのタンクがカタカタとオモチャっぽく動いている。

本モノのタコを使ったシーンはこの映画のもっとも特筆すべきところ。 生き物をミニチュア特撮に利用したものでは、A.アレンの映画でトカゲ、アンダーソン夫妻の「サンダーバード」でワニがある。

タコの撮影もハイスピート撮影できなかっただろうか。人がタコに捕まるシーンはストップモーション。

青森行き夜行列車のミニチュア特撮は「宇宙大戦争」のオープニングより良い。

東北本線にゴジラ出現。 ローアングルの人の目の高さの撮影がすばらしい。

ゴジラの列車破壊は、電車のミニチュアの出来が悪く、きょうざめ。

ミニチュアによる土木工事のシーン。 音楽がいい。が、やっぱりオモチャっぼい。

送電線突破のシーンも24コマの撮影。迫力無し。

コングがミニチュアの縮尺率と比較して、島のときより大きくなっている気がする。

コングが満員電車を襲う。これもオモチャっぽい。

国会議事堂の頂上に構えたコング。すばらしい構図、撮影。この映画でもっともすぐれたビジュアルシーン。

ヘリからの議事堂周辺ミニチュアの夜間俯瞰撮影。これもまたすばらしい。ミニチュアに見えない。2カットしかなく、もったいない。

熱海城を挟んだバトルは、もう少しカット数があってもよかった。もの足りない。

熱海城のミニチュアの崩壊は、屋根瓦の一個一個がうまく崩れず残念であった。

キングコングのテーマのリズム

  ♪ ♪  ♪♪♪♪  ♪♪♪  ♪ ♪

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妖星ゴラス

妖星ゴラス DVD 妖星ゴラス

販売元:東宝
発売日:2004/02/27
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特撮メモ、NO,14 レンタルDVD

1962年、東宝、シネスコ、カラー、88分、色合い良くない。

制作- 田中友幸、 監督- 本多猪四郎、 特技監督- 円谷英二

特技撮影- 有川貞昌、富岡素敬、 音楽- 石井歓

出演- 池部良、白川由美、久保明、水野久美、平田昭彦

佐原健二、田崎潤、上原謙、志村喬

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地球に衝突するメテオを回避するため、地球ごと動かしてやり過ごすという、とほうもない話。 私の親父の世代は、こういう話を一言で片付けるとすれば「荒唐無稽」である。

南極大陸に巨大ロケットエンジンを設置し、大推力で地球を動かす。

こんなことが可能だろうか。映画によると推力660億メガトンで地球を押し、1,10×10のマイナス6乗Gの加速度を得、秒速93メートルで移動させる。

この数字は、制作スタッフが大学に取材に行き求めたもので、物理的にウソはないという。

だが、わたしのような素人でも気になることがある。地球の大気はどうなるだろうか。 ロケット噴射のガスと一緒に巻き込まれて、宇宙へ放り出されるのではないだろうか。

噴射エネルギーとしては映画のとおり、水素の核融合を使うとして、推進剤は海水を使うしかないのだが、映画ではその部分の描写が省かれていた。ロケットエンジンには蹴飛ばす(噴射する)材料が必要なのだ。

このユニークな話の映画には、残念ながら、セイウチの怪獣が登場し、せっかくの本格的SFの雰囲気を台無しにしてしまっている。 これは東宝上層部の策略であり、本多監督は反対したそうである。 しかもその怪獣はゴム長靴のようなデキの悪いキグルミのシロモノで、失笑を買った。

私のオヤジはテレビでこの映画を観ていて、このゴム長靴が現れた時点でチャンネルを換えてしまった。

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1978年の未来の設定。 オープニング音楽はゴジラのテーマのリズムにそっくり。

冒頭、白川と水野が湖で泳ごうとして、衣服を脱ぐ。以前映画館で観たときは下着がはっきり映っていて、ドキドキしたものだが、DVDではトリミング処理で隠している。

ロケットの中の人物の動きが無重量状態でない。「宇宙大戦争」のときより描写をサボッテいる。

ロケットの内部の電子装置は相変わらず秋葉原で売っているラジオパーツ。私もラジオ少年だったのでかえって懐かしい。

ロケットの炎の合成が良い。青い炎がいい感じ。火薬をつかった下手な火炎より良い。

小沢栄太郎、佐々木孝丸、河津清三郎、西村晃という巨匠監督たちに使われたベテラン俳優が、神妙な顔つきで、「地球の6000倍の星」だの「宇宙省」だの「ロケット」だのと言葉を発していて、ミスマッチのおかしさがある。

宇宙飛行士訓練センターに「無重力室」なるものがあった。どうやって無重力を作るのだろうか。部屋ごと落っことしているのだろうか。

パイロットたちは8000人の公募から選ばれたということだが、それにしてはみんな軽薄でC調。賢く見えない。

久保明が水野のアパートに訪問する。 ドアブザーを使ってモールス符号の「アケロ」を打つ。

寒天の海を使った船のミニチュア航行シーン。 ユニークな方法だと思うが、船のミニチュアが極端に小さく(20センチ位)、スモークも焚かれず、オモチャ同然の画面となってしまっている。 カメラが寄り過ぎだ。

南極ロケット施設の建造シーン。 建設ミニチュアは造り込んであり、スタッフに脱帽。

建造中の音楽がすばらしい。 撮影は相変わらず「神さまの目」のカメラ位置であり、巨大感がない。

ミニチュアブルドーザーの砂をかくシーンは良いが、ベルトコンベアーに載せられた物資がカタカタとオモチャっぽく動いている。

全体的に空気感、大気感がない。 建物に取り付けられたレーダーがギクシャクと動いていてオモチャッぽい。

ジェットパイプ群のマット絵は相変わらず下手。 ジェットパイプのミニチュアは全く巨大感が無い。

炎の噴射はハイスピード撮影でなく、全く迫力が無い。ただし、露光不足で火炎が写らなかったかもしれないが。 実際のガスの火炎を使うのでなく、オーソドックスな合成の火炎のほうが良かったのではないか。

高波が街を襲うシーンは円谷のレベルのものであり、特筆するものでもない。中野監督の「日本沈没」も同程度のレベル。

ゴム長靴のセイウチをビートル機が攻撃する。ビートル機のVTOLシーケンスの撮影は良い。

ビル群のミニチュアを実際の河に沈めて撮影。オープン撮影の太陽光の感じが良い。

ただし、ビルのミニチュアの出来が悪い。トラックで運ぶので精巧なものは出来なかったか。

無事、ゴラスを回避する。 地球の軌道をもとに戻すため、今度は北極にロケットを設置するといって映画は終わる。  

北極に大地はないが、どうやるのだろうか。

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デスノート・後編

DEATH NOTE デスノート / DEATH NOTE デスノート the Last name complete set DVD DEATH NOTE デスノート / DEATH NOTE デスノート the Last name complete set

販売元:バップ
発売日:2007/03/14
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つまらなかった。

話を盛り込みすぎている。

展開や説明が、ライトとエルの頭脳のレベルになっており、頭の悪い私のような観客には、理解するのが追いつかない。

今回は女性アイドルと新死神だけの話に集中させて終わらせ、女性キャスターの話からライトの最終計画は、次回作として展開すべきだったと思う。

たぶん、金子監督もいやおう無く、後編に押し込めてしまったのかもしれない。

新しい死神は、どうも動きに精彩が無い。また彼は、どうして、ワタリだけ殺したのだろうか。

他にも説明不足がある。女性キャスターのもとにノートが渡るのに、死神の確かなる理由がわからない。

追記:再び観直して、カラクリがどうにか分かったが、条件が多いうえに、死神やエル、ライトの言葉だけの状況説明で終わり、分かりにくい。

終局で、ミサが再び手に入れたノートを、ワタリが部屋に忍び込み、すり替えたと、エルが言葉で説明するが、その映像カットを挿入すべきだ。観客の理解度が増す。

その本モノのノートを読めば、筆跡やミソラ発砲事件の記述で、ライトが犯人と分かるはずで、エルの命を掛けてまで実証する必要性はない。

ラストシーンも、たぶんエルは生きているだろう、ドンデン返しがあるのだろうという予測がミエミエで、サプライズはなかった。

ただ、エルのキャラクターに不思議な魅力がある。今回は和菓子を食べるシーンや、お面をつけたりで、笑いをさそった。

だから死なせたのは残念で、制作側もスピンオフで、ファンの要望に答えるみたいである。

セットがすばらしい。捜査スタッフルームのモニターや、装置の設置にウソくささがない。

事件から1年たった後のエンディングは、次回作を期待させるのが映画の定石だが、なにもなくて肩透かしだった。

追記:

  デスノートに自分の名前を書き、死亡条件をこうしたらどうだろうか。

「スタンリーメタボリック

   2070年 老衰により、眠るように、安らかに死ぬ。」

さらに追記:  死を操れるのは23日以内という条件があった。

    だけどノートに記入してからとは書いてなかったぜ リューク。

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デスノート

DEATH NOTE デスノート DVD DEATH NOTE デスノート

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面白かった。

フジテレビ系列のドラマや提携映画のようにオーバーで、チャラチャラした演技の映画ではないかという先入観があった。

また、週刊誌に載っていた批評では酷評されていたので、観るのをためらっていたのだが、週刊誌の記事を書くような評論家のレベルなど低いのであろう。あてにならないものだ。たしか女性評論家だったようだ。

平成ガメラの金子修介が監督ということも知らなかった。話の構成がしっかりしていそうだと予想し、テレビ録画した。

寓話的なストーリーで、ちょっと星新一のような始まりだが、しだいに犯罪人といえども私的に殺めてもいいのか、という葛藤を起こさせる。

社会的ダニのような凶悪犯罪人が死ぬのは、「必殺シリーズ」のような爽快感がある。しかし、それで終わるのでなく、罪の無い捜査官まで殺させ、観客を善悪の線引きの迷いに引っ張り込む。

キラとエルと、どっちを応援すればよいのか、自分の心理の動きが面白い。

エルのキャラクターが面白かった。およそ40歳以上の人間にとっては、コンビニにたむろしているような、イヤな存在で、始終、甘いものやスナックを食べ、ジベタリアンの姿勢ですわっている。

ところがIQ抜群のようで、身元も、なぜ、どこの組織に雇われているか(ICPO?)も不明であるが、我々は、捜査部長である、ライトの父親のように、最初呆れていたのに、しだいに彼に引かれていくことに気づく。

映画のエンディングは、次回作を観ざるをえない、巧妙な終わり方だ。

ただし、映画で気になったところがいくつかある。

ライトの家庭を、どうしてあんな富裕層にしたのだろうか。オヤジは警察の幹部のようだが、キャリアでなければ、年収は1500万位ではなかろうか。家がリッパすぎると思う。 

この映画はアジアでもヒットしたようだが、また日本人はみんな、あのような家に住んでいると誤解される。 

アルバイトで生活している苦学生の設定でも面白い脚本ができたのではないか。ただし、黒澤の「天国と地獄」に似てしまう恐れがあるが。原作はどうなっているか、私は知らない。

死神のVFXがまだまだお粗末だ。顔の表情に工夫がない。まばたきもしない。

例えば、パソコンの画面を覗くなど、近いところを観ると、目の眼球は違った動きとなり、またそれを動かす顔の筋肉に変化があるはずだが、まったく無かった。もう少し研究するべきだ。

キラは顔と名前が分かれば、殺人を犯すと知っていながら、警視庁は報道機関に容疑者を発表してしまう。 逃亡犯人以外は公表するのはおかしい。

ライトは家の監視カメラをのがれるため、ポテチの袋の中に携帯テレビを隠すが、カメラの向きによっては見えてしまう恐れがあり、どうしてあの方法が安全であると分かったのか。

追記: 監視7日目で、どうして夕食後の時間帯に、犯罪が起きると予想できたのだろうか。 あの方法では監視初日から、毎夕食後、ポテチを食べながら携帯テレビを見なければならないのではないか。

細かいことだが、女性の元FBI捜査官が、たしかコルトガバメント(またはベレッタM92)を使っていた。こんな大口径の拳銃を持っているだろうか。しかも日本で。 せいぜい38口径、あるいは25口径の小型ピストルにすべきである。 

その捜査官は頭を銃で打ち抜き自殺するが、倒れ方が不自然。 まだ意識が残っているかのようにゆっくり倒れるが、実際は即死であり、瞬時にぬれ雑巾のように、地べたに崩れるのがほんとうだ。

最近のアメリカのアクション映画や戦争映画でも、そのように描写するようになってきている。

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1959年、大映、シネスコ、カラー(アグファ)、107分

監督- 市川(こんという漢字が出ない)、 脚色- 市川、長谷部慶治、和田夏十

撮影- 宮川一夫、 音楽- 芥川也寸志

主演- 中村雁治郎、京マチ子、仲代達也、叶順子、北林谷栄

山茶花究、浜村純、菅井一郎、潮万太郎

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オープニングの電車の下のタイトルが面白い。

京マチ子がまるでキツネのメーク。

叶順子はへの字眉毛でブス顔に変身。それほどお多福でもないが。

雁治郎は歩くときヒョコヒョコと老人を再現。当時50代というが老けている。

京、仲代、叶はアクションを抑え、アンドロイドのようだ。

北林は定番の婆ちゃん役。当時まだ40代。

アグファカラーが渋い。 緑と茶色が京都の町と家屋に微妙な色合いを出している。

農薬の茶筒も印象を残す、渋い赤色。

宮川一夫の光と影の撮影がすばらしい。襖で画面の半分をカットするテクニック。

京マチ子の裸体を四分の一しか見せないのにエロチック。

雁治郎が脳梗塞の演技。症状をよく研究し芝居している。

時々ストップモーション。市川の映画らしい。

菅井一郎のあんまさんのマッサージシーンが唯一の笑うところ。

雁治郎の邸宅は今はあるだろうか。長い土塀の古屋敷。

邸宅の室内セットはすばらしい。照明がすばらしい。

追記:

   2008年2月13日、市川監督は92歳で亡くなられた。この映画を観たのも予感だったかもしれない。

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1956年、日活、スタンダード、白黒、81分

監督- 川島雄三

出演- 新玉三千代、三橋達也、轟夕起子、芦川いずみ、

河津清三郎、小沢昭一

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驚いた。画面がたいへんシャープ。レンズがいい。と思う。

新玉や轟の着物の細かい柄がはっきり写っている。

レンズのボケ味というものがある。ライカのレンズのボケ味、コンタックスのボケ味。

州崎パラダイスのネオンのニジミを観ると、この映画の撮影レンズのボケ味もなかなかいいと思う。

あの当時の東宝のカメラのレンズがひどすぎるので、比較してそう見えるのかもしれない。

それぞれの映画会社で、どのレンズを使っていたのか知りたい。

また、日活は美術セットがひどいと聞くが、なかなか良くできていた。

オープニング、横移動撮影で、遊郭街を見せるが、うまく出来ていた。

橋のたもとの居酒屋はロケとスタジオセットと使いわけているが、つながりに違和感はない。居酒屋内のセットもいい雰囲気。昭和30年ごろのたたずまい。

メニューの値段は、ビール150円、酒1合ビン80円、別のそば屋で種物50円、モリ25円。

居酒屋は実際にあるものを使ったかもしれない。ペンキで店の名前が書き直されている。

新玉三千代の演技開眼、出世作。河津へよろめくしぐさが色っぽい。

三橋がダメ男を好演。成瀬監督のダメ男よりまだましな人間である。

轟夕起子が、黒澤「姿三四郎」からいいオバハンになっていた。 30代後半だがちょっとフケて太っている。

轟きのダンナ役は有名な俳優さんらしいが全く知らぬ。ヤクザみたいな風貌。

州崎パラダイス内へは一歩も入らない。撮影拒否ということもあったかもしれない。

河津が秋葉原の電器屋店主。あの当時の秋葉原ロケ面白い。真空管ラジオが山済み。

テレビの看板、テレビキットの看板あり。しかしテレビは店に並んでいない。

川島雄三の映画は「貸間あり」、「幕末太陽傳」から3本目だが、この映画が一番マトモに見える。 精神的に落ち着いている。

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ポセイドン・アドベンチャー

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発音を聴くと「ポサァィドゥン」と言っている。

ポセイドンとカタカナをふった最初の日本人の耳はどうかしている。

特撮はL.B.アボットであるが、どうも冴えない。

船のセットが小さい。恐らく3メートル前後というところか。巨大感がない。

セットが小さいと水滴が目立つ。客船だと少なくとも5メートル前後にしたい。

アボットは「トラ・トラ・トラ」で空母赤城を巨大ミニチュアセットで撮影し、特に船首の荒波にさらされるシーンはすばらしい効果をあげていた。

波やシブキの表現は相変わらずウマイ。 ここが日本の特撮のかなわないところだ。

ハイスピート撮影はいつもと同様、適切である。大波が襲うところは5倍以上の速さにしていると思う。

客船がひっくりかえった水中のシーンも良い。アボットらしい。

ブリッジから見た船首前方の暴風雨の風景もミニチュアだが、たいへんうまい。特撮と気づかないであろう。ただし、円谷でもあれくらいのことはできそうだ。

ところで、映画の中では時速60ノットの大波がやってくるという描写になっているが、実際、地震による津波は、洋上では水の圧力が時速500キロくらいの速度で伝わっていくもので、船の上では波と気が付かないものだと思う。

したがって、船がひっくり返るようなことはありえず、この映画は人々に誤解を与えている。

船長のレスリー・ニールセンがカッコイイ。

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