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兵隊やくざシリーズ

勝新太郎/兵隊やくざ 勝新太郎/兵隊やくざ

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「♪遊女が客に惚れたという~」

勝新太郎の「兵隊やくざ」も面白かった。昭和40年ごろから制作されているから、「座頭市」、「悪名」より後となるが、勝は、同時期、ほぼ3本の映画を掛け持ちしていた。

兵隊の日常が描写されている映画を観るのが好きで、他にも「二等兵物語」、「与太郎戦記」など深夜放送の映画でよく観たものだ。

私は軍隊というものが大嫌いであり、「兵隊やくざ」の田村高廣演ずる有田上等兵の気持ちは、私の気持ちそのものだ。

田村高廣の有田上等兵が、映画の冒頭、ナレーションで言う。

「20年たった今でも、軍隊を思い出すとムナクソ悪くなる。」

だから、戦後の平和な時代に生を受け、あの時代に遭遇しなかった喜びと幸福を。 戦争で犠牲になった人への感謝を、軍隊映画を観ることによって、素直に感じてしまう。

勝新太郎の大宮は、元ヤクザで石頭、岩石顔。 軍隊お馴染みのビンタなど屁でもなく、殴った相手の手が逆に怪我をしてしまう。

軍隊では階級の星ひとつ多いだけで、神様であるが、そんなことはお構いなし、重営倉入り覚悟で大暴れする。

ただし、軍隊というところは、星の数よりメンコの数がものを言う。ということをこの映画で知った。メンコの数とは、何年軍隊でメシを食ってきたかということである。

二年兵の伍長より、三年兵の上等兵がデカイ顔できるのだ。

そんな大宮の暴走を知的にセーブするのが有田上等兵で、力と頭脳のバランスがとれたコンビは、権力に仕返しをし、悪徳上官の手足をへし折、あげくのはて脱走をする。 これがまた爽快だ。

また、脱走中は、P屋に化けたり、ニセ将校になって軍隊に舞い戻ってうまく立ち回っている。

ゲスト出演は、お馴染み大映の悪役俳優さんがいて、またかという感じだが、時々、勝新太郎のどこかユーモラスなキャラに合う人が共演している。

例えば、玉川良一などがそうで、元僧侶の兵隊役であった。 そのエピソードでは、死んだ兵隊(藤岡琢也)の仲間内でやる、ささやかな葬儀でお経をとなえている最中、「勝ってくるぞと勇ましく」の歌がお経の中入っていて、大爆笑したものだ。

ところで、大宮は女好きであり、休暇になるとさっそく札束携えてP屋(PROSTITUTE宿・・・海軍が使っていた隠語であるが)に直行する。

軍隊というところは、兵隊の衣食住は、今の自衛隊と同じでタダであり、もらった給料はそういうことに使える。

大宮はいくら位の給料をもらっていたかというと、一等兵の一ヶ月の棒給は5円50銭で、さらに外地手当てが同じくらいつくので、合計10円程度ということだ。

当時の工員の一日の賃金が1円から3円ということなので、3円を今の1万円くらいと換算すると、3万円くらいということになる。

なお、戦地では兵隊はみな一等兵以上であり、二等兵というのは内地で招集され、教育を受けているときだけの位である。意外と知らない人がいるのではないか。

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コメント

「二等兵物語」は昔に観たような(?)気がします。TVで放送してくれたら是非、再見したいです。軍隊ものには、よくダニみたいな軍曹が登場しますよね。たたき上げの軍曹たちは、一等兵や上等兵をいじめて憂さ晴らしをしていたのでしょうかね。
軍隊では階級の星が全てだと思っていました。年数のことをメンコというのですか、知りませんでした。メンコって遊び道具かと思っていました~。軍隊用語でもあるのですね。

投稿: マーちゃん | 2008年1月29日 (火) 10時05分

マーちゃん。こんにちは。いつもありがとうございます。
「二等兵物語」はペーソスがありましたね。伴淳とアチャコのコンビはおもしろかった。
軍隊映画でのイジメ役のナンバーワンは内務班の南道郎さんですね。伊達三郎さんもうまい。
メンコに数というのは、ほんと、この映画を観るまで知りませんでした。

投稿: スタンリー | 2008年1月29日 (火) 17時42分

やはり、これがきましたね。笑
大宮と有田上等兵なつかしいですねぇ。
“続”や“新”など色々あってどれがどれか
わからないのですが、(笑)楽しかったですね~。
勝さんの映画は他のスター映画より衣食住の生活感が
いきいきと描かれてる所が好きですね。

投稿: ぱんだうさぎ | 2008年1月30日 (水) 21時27分

ぱんだ上等兵どの。
勝はこの映画以後、田村高広さんを上等兵殿と
呼んでいたそうですね。
ホント、大映はヒットすると「続・新悪名」なんてワケの分からない題名をつけますね。笑
衣食住の生活感というのはウマイ言い方ですね。
勝の食べたり、飲んだり、靴下の繕いをしたりが面白かった。
女のほうも。笑
「へそ酒」なんてのがあって・・・ああいうシーンは奥方はやっぱり顔をしかめるでしょうね。

投稿: スタンリー | 2008年1月30日 (水) 22時55分

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