« 兵隊やくざシリーズ | トップページ | セブンチャンス »

椿三十郎・リメーク

Magazine (Book)/椿三十郎オフィシャルブック Magazine (Book)/椿三十郎オフィシャルブック
販売元:HMVジャパン
HMVジャパンで詳細を確認する

退屈で早く終わってほしいと思った。

織田裕二という俳優さんは、うまいだろうか。私にはそうは見えないが。

どうも黒澤監督だったら一番いやがる芝居をしていると思う。

まったくオリジナルと同じシナリオなのだが、ことば運びのリズムを壊している。

たとえば、「さっきのは3匹でも猫だが、こんどのは1匹でもトラだぜ」というセリフがあったと思う。

これは丁度真ん中で、リズムの休符があり、二つに分けてしゃべるのが妥当ではないか。 

それを猫とトラでリズムを切り、動物のアクションをしてみせる。奇をてらう余計なサービスで三十郎のスマートさをスポイルしている。

そういうリズムバランスを壊したシーンはたくさんあり、あえて黒澤作品と違うようにやっている。 「マネじゃありませんよ」というわけである。

また、織田裕二と、特に旧作で田中邦衛が演じた若侍の俳優は、トレンディドラマのようなオーバーな演出やアクションで、鼻持ちならなかった。

これは映画であり、演劇の舞台ではないのだ。顔や体を大げさに変化させなくともよい。

撮影はよかった。オリジナルと変えた部分は、例えば、左から右へ行くシーンを逆にしていても、不自然さは感じなかった。

劇場に来ていた客は、オリジナル作品を知っている客層で、笑いを取るシーンは既に知っており、誰も笑わなかった。

R15指定をクリアするということで、血糊ブシューがない。子供に見せる必要なんかないから、遠慮なくやってほしかった。ガッカリした客は多いと思う。

エンドロール早々に席を立つ客が多かった。

|

« 兵隊やくざシリーズ | トップページ | セブンチャンス »

日本映画」カテゴリの記事

コメント

観に行かれたのですね。オリジナル未見の人のレビューは、どこがいけないのか、具体的に示されていなくて、ちょっと不満を感じていました。しかし、スタンリーさんのレビューを拝読し、リメイク作の問題点が見えてきました。
同じセリフでも、リズムが違えば、異なったふうに聞こえるのですね。これはwowowで放送されるのを自宅で観る事にします。

投稿: マーちゃん | 2008年1月29日 (火) 18時17分

マーちゃん。さっそくのコメントありがとうございます。
今日、観て来ました。
田舎の映画館なので、今ごろ公開なのですよ。
旧作の三船と仲代が強烈すぎます。超えられないですね。
この映画を観た後、旧作を初めて観た人のレビューを訊きたいです。
旧作の若侍には加山雄三や平田昭彦などのエエトコの坊ちゃんがいて、また面白みがあったのてすが、リメークではオドオドしたヤツばっかりで、助けたいという気持ちが湧きません。

投稿: スタンリー | 2008年1月29日 (火) 19時50分

やはり「トレンディドラマのような・・」ですか。TVのCMも何かそんな。「カネ出すから一緒に観に行こうよ」と誘われても私は行かない代表格の一つです。

投稿: ロンリー・マン | 2008年1月30日 (水) 03時41分

ロンリー・マンさん。ありがとうございます。
先日、画面に不具合が生じ、申し訳ありませんでした。
そうですね。テレビ放映されてからでもいいと思います。
黒澤組の俳優さん、例えば土屋嘉男などが、カメオ出演していれば、ちょっと面白かったのですが、そういうこともなかったです。

投稿: スタンリー | 2008年1月30日 (水) 10時44分

旧作の加山雄三ら若侍達は最後の「ブシューッ」は事前に知らされてなかったようです。後日談で加山雄三だったかな話していました。あれはあれで彼ら腰抜けども、とても良かったと思いますね。

投稿: ロンリー・マン | 2008年1月30日 (水) 18時25分

ロンリー・マンさん。こんばんは。
あの「ブシューッ」は、中学生のとき、テレビの黒澤特別番組で初めて観たのですが、大ショックでした。ついでに「蜘蛛巣城」の三船のハリネズミの矢も大ショック。 昔にこんな凄い日本映画があったのかと、驚いたものです。

投稿: スタンリー | 2008年1月30日 (水) 20時16分

やはり、ダメでしたか。。。リメイクは。。笑
未見なのですが、予告編で確かにいや~な予感はしましたねぇ。
ミフネと織田くんでは、俳優としての立ち位置も演技スタイルも
ましてや時代も半世紀くらい違うので、シナリオも設定も
一緒というのは正直キツイかったでしょうね。~
前作が、映画史での地位を確立してるだけに、リメイクはすごい
プレッシャーだったでしょうに。。なぜにリメイクだったんでしょうね?。。

投稿: ぱんだうさぎ | 2008年1月30日 (水) 21時13分

ぱんだうさぎさん。こんばんは。
「やっぱりだめか」・・・というセリフがこの映画の最初でしたね。
そのとおりでした。笑
でも他のレビューでは結構いいこと書いてありますね。
映画館の観客はアカンナーという雰囲気でしたがね。
織田は若侍、旧作、加山役のほうでよかったのでは。
トヨエツの室戸はまーまーでした。
周五郎の原作のままでやればよかったと思います。これもおもしろそうですが。
黒澤のこの映画は題名の数ほど観ていますので、ちょっとやそっとでは譲れないですね。
なんでも「用心棒」もリメークするそうですよ。

投稿: スタンリー | 2008年1月30日 (水) 21時38分

お詳しいスタンリーさんにちょっとお聞きしますが、あの「隠し砦の三悪人」もリメイクって話を聞きましたがホントですか?。
どうなってんですかね。
売る方も?、買う方も?。カネになればいい?、フジテレビ・ニッポン放送の時の六本木の誰かに何か共通点が・・。

投稿: | 2008年1月30日 (水) 23時31分

おはようございます。
「三悪人・・」のリメーク、私も聞いたことがあります。
「生きる」はスコセッシでリメークの計画があったのですが、頓挫したみたいですね。
仰るとおり、テレビ局が出資した映画は、女子アナやバカアナウンサーがはやしたて、トレンディドラマ調のアホな映画になりますね。

投稿: スタンリー | 2008年1月31日 (木) 08時48分

大袈裟な言い方だと旧作を超えたリメイクは「ベン・ハー」以外にはない、と言う事ですか。これは旧作を見なくてもわかりますね。最近のリメイクは先人の偉業を無視したいわばマスターベーションではないでしょうか。仲間内だけの。つまり民放の馬鹿番組で出演者以外にスタッフのゲラゲラ笑う場面ってありますね。あれと何らかわりはない。もう一つ、この頃、やたら黒澤作品のTVの「生きる」を含めリメイクが多い事は露骨で恐縮だが余程台所事情に・・・と勘ぐってしまう。故人はどう思われているのかな。オードリー、ペック、ワイラーなき「ローマの休日」をもしリメイクを創り旧作を超える事が出来たらノーベル賞モノだ。我が国のリメイク人間の愚かなことよ。過激、お許しくだされ。

投稿: ロンリー・マン | 2008年2月15日 (金) 23時42分

ロンリー・マンさん。おはようございます。
アメリカの映画界がネタぎれで、リメークを量産しだしたので、
日本も・・・なんでしょうね。
黒澤、三船追悼10周年ということに、かこつけてでしょう。
オリジナルのDVDも観てもらえるし、なにか策略を感じます。
どうせリメークするなら、過去の失敗作をやり直せばいいと思います。
たとえば黒澤の「白痴」をオリジナルシナリオで4時間の長編を、カットされた部分も含めて再現するとか。 小泉監督などに。

投稿: スタンリー | 2008年2月16日 (土) 09時36分

なるほど、納得。

投稿: ロンリー・マン | 2008年2月16日 (土) 09時59分

先ほど、リメイクを見終えました。オリジナルと比較すると、やはり主役の差が歴然としていますね(汗)。織田くんも良い俳優さんなのでしょうが、時代劇には合わないように思えました。三船が存在力で圧倒していたのに対し、織田くんは表情を作りすぎているような気がします。オリジナルを忠実に再現したという触れ込みでしたが、一番の見せ場の血糊ブシューはカットされてましたね。ラストはちょっと興ざめでした。

投稿: マーちゃん | 2008年11月11日 (火) 23時43分

マーちゃん。こんばんは。
ご覧になりましたか。
そうなんでよ。みんな演技しすぎなんです。
黒澤監督の演技指導を見たことがありますが、こんなことを役者に言っていました。
「みんな舞台芝居や他の映画で自分なりの演技法というものを持っているでしょうけど、僕の映画では全部それを捨ててもらいます。」
というようなことだったと思います。
織田君のあの演技では怒鳴られるでしょうね。

もし私が監督だったらラストは派手にブシューをやりますが、その部分だけ白黒画面にします。パートカラーの逆ですね。

投稿: スタンリー | 2008年11月12日 (水) 20時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/412224/10136880

この記事へのトラックバック一覧です: 椿三十郎・リメーク:

« 兵隊やくざシリーズ | トップページ | セブンチャンス »