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ヒコーキ映画のミス

「東京上空30秒」の映画で気になる描写があった。

航空母艦からB-25が発艦するのだが、無事上昇しきってしまったところで、副操縦士がフラップを下げていなかったことに気が付くのだ。

そんなことがありうるだろうか。

私はB-25の飛行性能を知らないが、あのクラスのプロペラ飛行機のローテーション速度(飛び上がるために操縦桿を引き起こす速度)はフラップを定位置に下げている状態で、ギリギリ最低時速100キロ前後だと思う。

もし、フラップを下げていなければ、離陸には時速180キロほど必要ではないか。

それでは、とても訓練で行った、500フィート(約150メートル)以内の距離では加速し、離陸できない。

ただし、かなりの強風が空母前方から吹いていれば、ひょっとして可能かもしれない。

空母は、発艦時は全速力で風上に向かって走っている。その速度は時速50キロくらいだ。

それに、仮に時速30キロの迎え風があるとすると、飛行機は甲板に停止している状態で既に80キロの速度を得ていることになり、そこからフラップを下げなくとも、100キロの速度を出せば離陸できることになる。

実際に、この東京初空襲の記録映像をみると、海は大荒れであり、強風が吹いている。離陸の実写では、B-25は見かけ上、時速30キロくらいの速度で、まるで飛行船のようにフワフワ浮いて発進しているものがあった。

だから、ひょっとしてフラップなしでも離陸できた幸運な飛行機があったのかもしれない。

キャプテンも副操縦士も興奮状態で、離陸手順を二人とも忘れてしまったのだろうか。 ただ、これが旅客機であれば、滑走路でオーバーランしてしまい、とんでもない事であるが。

ところで、この映画の日本語字幕に「水圧は異常ない」というのがあったと思う。

これがヒコーキファンには笑わせてくれることなのだ。

原語セリフの HYDRO PRESSURE は 航空工学では油圧のことである。

飛行機のメカは、水の圧力など利用していない。

この間違いは以前の航空パニック映画、たとえば「エアポート~」などにも何度かあった。

翻訳の方々。もうすこし理科になじんでいただきたい。

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コメント

なるほどねぇ。空母は風上に向かって走るのですね。
スキージャンパーが向かい風を待って、スタートするのと同じ原理ですね。空母からの離陸、着陸は難しいと聞きます。整備兵が布を振りながら飛行機を見送る姿が好きです。
余談ですが、昨年亡くなった私の叔父が特攻隊(3人乗り)で、
米軍に撃墜され、叔父だけ生き残ったという話を、葬儀の席で知りました。

投稿: マーちゃん | 2008年1月13日 (日) 23時14分

マーちゃん。おはようございます。
そうですか。叔父さんが特攻隊だったのですか。
3人乗りだと、双発の飛行機だと思います。
体当たり攻撃は日本だけでなく、ヨーロッパ戦線でも
頭に血が昇ったパイロットなどもやったそうですよ。
ユーチューブで「STOL」を検索すると20メートルくらいで
離陸する飛行機があってビックリします。
飛行場いりまへんがな。
やればできるもんですね。笑

投稿: スタンリー | 2008年1月14日 (月) 10時31分

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