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ゴジラのことなど

1974年のことだったか、テレビの民放局で「ゴジラ誕生20周年記念」という特別番組があった。

番組には宝田明、平田昭彦、志村喬が出演していたと記憶する。

その当時、私はまだこの映画を観ていない。20周年記念リバイバル上映というものがあったのか覚えていないし、テレビ放映もあったかどうか定かでない。

私の思い違いかもしれないが、どうも東宝はこの映画の出し惜しみをしていたように感ずる。特に他のゴジラシリーズとは別に、2番館での上映は許さなかったのではないか。

というわけで、観る機会の少ない、この昭和29年制作の「ゴジラ」は、私にとって憧れの映画だった

ところが、この映画を映画館で観たのか、テレビで観たのか全く記憶がない。

まともに観たのは10年くらい前に、WOWOWで無料で放送されたものということになる。

改めて観ると、画面も内容もたいへん暗い映画であることが分かる。

ゴジラの出現はすべて夜間。顔が良く見えない。容姿もあいまいな感じ。それは、ミニチュア特撮のアラをカバーできるというメリットがある。

初めての巨大怪物映画(まだ怪獣という言葉が出ていなかったと思う)で、円谷英二もスタッフも戸惑いがあり、自信がない部分もあるように思える。暗い夜のシーンばかりなのはその為だろう。

円谷は当初、「キングコング」と同じ、ストップモーションで撮影を計画していたらしい。ところが、時間的に不可能と判断、キグルミ方式に変えたということである。

映画の一部分にコマドリ撮影があるので、その片鱗が伺える。

しかし、キングコングの方式であったら、どんな映画になっていただろうか。その後の映画の流れが変わったはずだ。

ストップモーション映画では、レイ・ハリーハウゼンという巨匠が、当時活躍し始めていた。彼はキグルミ方式を全く認めていない。毛嫌いしているようにもみえる。 私はどちらもテクニックの一つだと思っているが。

ゴジラは戦争をよく知っている人たちが作った映画である。ゴジラの破壊した街は空襲により爆撃された様子そのままで、避難民や負傷者の描写はほぼ10年前の出来事と変わらない。 制作スタッフも役者も気が重かったことだろう。

昭和29年といえば、日本はもうアメリカの占領から独立しており、自由に映画を作れた。もしそれ以前だったら、あの被害を受けた悲惨な描写はGHQの検閲でカットされたことだろう。「ゴジラはアメリカの化身か」ということで。

事実、アメリカ版「ゴジラ」ではその部分がカットされているという。

宝田、平田、河内の新人俳優の演技もまだ固く、そんなことも映画を暗くしている一因である。

ゴジラは退治され、ヨカッタヨカッタという終わり方ではない。しかしそういうアプローチの映画の作り方もあったはずである。

山根博士は、しきりに学術的見地からゴジラの保護を訴えるが、私はどうも理解できない。ゴジラを生け捕りにしたいのだろうか。しかしクマやサルではないのだ。ゴジラの死体でも十分研究できると思うが。

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コメント

私はゴジラに限らず、昔の映画は映画館でリアルタイムで観たのか、リバイバルで観たのか、TVで観たのか思い出せないです(汗)。昭和29年制作の「ゴジラ」の時は、まだ生まれていなかったので、リアルタイムでないことだけは確かです(笑)。シェーするゴジラは映画館で観たような気がしますが、これまた、はっきりしません。

投稿: マーちゃん | 2008年1月 5日 (土) 21時17分

マーちゃん。こんばんは。
シェーするゴジラは1965年の「怪獣大戦争」ですが、わたしはリアルタイムで見ました。ただし、田舎の映画館なので、上映年度はずれていたかもしれません。でも小学校2年生ごろに間違いありません。
あの当時、テレビで「ゴジラ」はやっていないはずです。それ以後でもそうです。
NHKBSでも放送した記憶がありません。
一方、「ゴジラの逆襲」はよく放映されました。
ここんところがナゾです。

投稿: スタンリー | 2008年1月 5日 (土) 22時39分

明けましておめでとうございます。
このゴジラはテレビで見ましたが、白黒画面で画質も音も
悪かったです。ただ却って暗い感じは出てたように思います。
ちなみにうちの息子は未だにゴジラ映画は見にいきます。

投稿: バルおばさん | 2008年1月 6日 (日) 21時08分

パルさん。あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
東宝の昭和20年代の画質・録音は最悪ですね。
でもそれが、特撮映画には幸いなのかもしれません。
失敗がある程度ゴマカセますので。笑
ゴジラ映画も「ファイナル・ウォーズ」で終了しましたが。
いまだ日本人の心に生きていますね。

投稿: スタンリー | 2008年1月 6日 (日) 21時30分

アメリカ版は何かで観ましたが、鬼警部アイアンサイドの
レイモンド・バーの目から見た再編集版 でしたが、
ヒドイもんだったと記憶しております。笑
日本の文化財をめちゃめちゃにして(苦笑)という感じでした。
ハリーハウゼンというと神話モノや恐竜モノが懐かしいですね。

投稿: P・うさぎ | 2008年1月 7日 (月) 12時14分

P・うさぎさん。こんばんは。
バーの出る改編「怪獣王ゴジラ」はレンタル屋にもあるのですが、どうも観る気がしません。
ひどいもんでしたか。想像つきます。
ハウゼンも1970年代に入ると、質が落ちたように感じました。
ストップモーションではNHKBSのドーモ君なんかもうまいですね。

投稿: スタンリー | 2008年1月 7日 (月) 21時20分

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