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「コンバット」のことなど

COMBAT! BATTLE1 DVD COMBAT! BATTLE1

販売元:ハピネット・ピクチャーズ
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 アメリカのテレビ番組「コンバット」が日本で放映されたのは、私の6歳から8歳ごろであった。

 放送は水曜の夜8時だったと記憶している。スポンサーは大正製薬で、CMには乙羽信子のパブロンや王選手のリポビタンDがあった。

 オヤジ(もちろん従軍経験者)が好きだったので、自然に私も観ていたのである。

 子供にはバトルシーンが面白くて、夢中になった。

 特にサンダース軍曹のトミーガン(トンプソン・サブマシンガン)にはあこがれた。

サンダース自身も、怖いおじさんだけど、頼りになる人だなと感じていた。

 また、時々使われる電話の受話器のような無線機は、ロッドアンテナをスッと伸ばして使うのがかっこよく見えた。

(コールサインの「ホワイトロック」は吹き替え時の間違いで、本当はチェスのホワイトルークのこと)

 銃撃シーンではトミーガンの存在が不思議だった。 なぜサンダースだけ機関銃を持っているのだろうか。 上官のヘンリー少尉だって1発ずつ撃つ小銃(M1カービン)ではないか。 そのトミーガンをみんな持っていれば、銃撃戦は圧倒的に有利なはずである。

 あれは、たぶん演出上のもので、襲撃シーンをハデに見せるための道具だと、長い間思っていた。

 ところが、最近「プライベートライアン」を観ていると、トム・ハンクスも使っているではないか。 調べたところ、当時アメリカ軍はトミーガンも兵士に支給していたということである。

 ただし、数は少なく、所持する兵は僅かだった。 ということだったらしいが、それにしてはサンダースはトミーガンを失くしたり、壊したりする話が幾つかあって、それでも次の回ではちゃんとトミーガンを持っていた。 

 ところで、トミーガンというのは、ライフル(小銃)と違い、弾は拳銃のものを使う。従って、殺傷能力、射程距離はライフルの比ではない。弾のエネルギーはライフルの半分も無い。これを知ったのは大人なってからであり、子供の頃は銃の弾などどれも同じだと思っていた。

 一方、サンダースの部下であるリトルジョン、ケイリー(ケイジ)たちの持っているM1ガーランド自動小銃は、弾倉は8発しか入らないが、有効射程距離は457メートルで(実戦では300メートル前後までで使用)、1発当たれば反撃不可能なダメージを与えることができる。

 しかし、トミーガンは弾倉に20発(30発入りやギャングが使った50発入りのドラム式のもある)入るが、威力のない拳銃弾では、射程距離はせいぜい50メートルであり、仮に敵に1、2発当たったとしても急所でなければ反撃されることもあるのだ。

 だから、必ずしもサンダースだけが、戦場で有利だったとは言えないのである。

 さて、カービーの持っている銃が問題だ。 これも長い間不思議な存在であった。

 どうやら1発ずつ撃つ自動小銃とは違うらしい。明らかに弾は、ダン・ダン・ダンと連続に発射されている。しかも、銃身の先に地面に着地できる脚がついている。 これも調べてみると(BAR)ブローニング・オートマチックライフルというやつだった。

 これこそ完全な機関銃である。 ライフルと同じ弾をフルオート連続発射できるものだ。

弾倉には20発入っている。 なんでも1小隊に1丁支給されたということだ。

 カービーの台詞に「このブローニングを扱えるのはオレしかいねー」というのがあった。 重量は8キロもあり、屈強な兵士だけに与えられたそうである。

 当時、セミオートの自動小銃を一歩兵まで所持していたのは、アメリカ軍だけであり、さらに、このオートマチックライフルの存在は、たとえ1丁でも小隊にとっては鬼に金棒ではなかったか。

 尚、ドイツ軍や連合国もサブマシンガンは使っていたが、歩兵の銃は基本的にボルトアクションの小銃で、三八式歩兵銃使用の日本軍と変わりが無い。つまりセミオートの自動小銃と違い、1発撃つごとに照準から目を離し、いちいちレバーをガチャンコと動かして弾送りと排莢をしなければならないものだった。しかもカートリッジには日本軍のものだと5発しか弾が入らない。

 自動小銃にせよトミーガンにせよ、照準を狙ったまま引き金を引くだけで銃を撃てたアメリカ軍が、いかにゼイタクな軍隊だったかが分かる。

 こんな軍隊を持つ国に日本は喧嘩を売り、将校たちは「大和魂があれば敵の弾も当たらない」という精神論で兵士を煽って、米軍の自動小銃やBAR、トミーガンの弾丸の嵐の中を日露戦争式に立ち姿勢でバンザイ突撃させ、日本兵の屍の山を築かせた。

 「コンバット」には、今ではアット驚くゲストが出演している。

私の記憶では、 リー・マービン、

ジェームズ・コバーン、 ロバート・デュバル、

テリー・サバラス、 チャールズ・ブロンソン、

デニス・ホッパーがいた。

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コメント

コンバット!懐かしいです。
見ていた記憶はないのですが、なぜか知っています(笑)。
テーマ曲の♪タタタタッタタ~♪が有名ですね。
銃に関する詳細な記事を、興味深く読ませていただきました。
種類によって一長一短があるのですね。射程距離は1000メートル近いガーラント自動小銃って凄い!

ロバート・デュバルがゲストですかぁ!ジェームズ・コバーンは出ていそうな感じ~ですね(笑)。

投稿: マーちゃん | 2007年12月15日 (土) 00時24分

乙羽信子のパブロンに王選手のリポビタンDですか。
なつかしい~♪
そういえば王さんも現役時代から、コンバットが大好きで
ナイターのある日も昼の再放送を観て、球場に出かけたとか
聞いたことがあります。。(′∀`)

投稿: ぱんだうさぎ | 2007年12月15日 (土) 01時37分

マーちゃん。おはようございます。
コバーンはドイツ軍のスパイでした。
デュバルはドイツ軍の狙撃兵。
英語がペラペラなのね。
ドイツ兵の撃たれ方がうまかったので、かわいそうに見えました。

投稿: スタンリー | 2007年12月15日 (土) 09時06分

ぱんだうさぎさん。おはようございます。
王さんのそのエピソードは聞いたことがあります。
リポデーのコマーシャルは試験管がくるくる回っていましたね。
プロンソンは爆破作業兵で、なんとなく「大脱走」からのつながりを感じました。

投稿: スタンリー | 2007年12月15日 (土) 09時10分

とても詳細な内容で思わず拝読しました。ドラマの中での会話での記憶ですが、サンダース軍曹は、海兵隊上がりだった様に思います。ヘルメットがそのようです。銃もそこから来ているかも?

投稿: | 2013年11月 6日 (水) 03時09分

コメントありがとうございます。
そうですか。サンダースは海兵隊出身だったのですか。そこまでは知りませんでした。
初期のエピソードを忘れています。

彼のヘルメットが迷彩色なのは、パラシュートの生地を張り付けていたという話も、どこかで読んだ記憶があります。
これは、番組の構成上、ヘンリー少尉と区別し易くしたのかもしれません。

でも、まあ、フルオートのトミーガンなんて壊れやすそうなので、もし自分が兵隊だったらガーラント自動小銃を選びますね。

投稿: | 2013年11月 6日 (水) 21時47分

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