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ベルイマンの素顔

NHKBSにて、ベルイマン監督の映画「サラバンド」のメイキングビデオを観ることができた。

メイキングを観るのは、映画制作に興味があるものとしては、楽しいし、勉強になる。 

どちらかというと、私の映画鑑賞は、制作する立場で観ているからだ。

それにベルイマンとはどんなツラをしているかも知らなかったので、素顔を鮮明なビデオ画像で見られることは貴重な体験だ。

難しい解らない映画を作る監督さんであり、制作現場でも気難しい人だとの印象がありそうだが、さにあらず。たいへん気さくで、スタッフや俳優にも気配りのある、フランクリーなじいさんであった。 そもそもメイキングを許すというのは巨匠の中でも珍しい。 録画時、85歳。

今の日本映画の若い監督の中には、スタッフ・俳優に怒鳴りちらしたり、癇癪を起こしたり、プライドを傷つけるのが当たり前のような人物がいるようだが、私はそういう環境では、いい映画はできないと核心している。

怒鳴り声の聞こえる現場でできた作品は、やっぱり上映しても怒鳴り声が、画面のどこかから伝わってくるものだ。

私が見たものでは「処女の泉」があるが、監督の作品では解りやすいものであろう。 この映画の白黒撮影の美しさといったらない。

森の中の撮影など、あれ、黒澤の「羅生門」に似ているな。と感じたが、実際にベルイマン自身も影響を認める発言をしている。

「黒澤の羅生門にイカレテしまったんだよ」。

「サラバンド」はベルイマンが言うには最後の作品になるという。

85歳にしては元気なので、この次の作品を最後のものにしてほしい。

追記:ベルイマンが今年亡くなっていたことを忘れていた。

この映画の撮影はビデオカメラを使用していた。監督本人も、今日日の撮影現場と同様、ディスプレイで演技を確認していた。

他の監督には、このディスプレイを全く見ず、すべて撮影監督にまかせる、昔からのスタイルの人もいる。 ベルイマンもそちらのほうだと思っていた。

私は報道やドキュメンタリー以外のビデオテープの映像が嫌いであるが、この「サラバンド」はフィルムに起こして上映されるのだろう。

フィルム撮影の映像と微妙に画質が違うので、私は気になるかもしれない。

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コメント

キューブリックもそうらしいですが、難解な映画を作る人は
反動なのか、案外気さくなのかもしれませんね。笑
ベルイマンも最初はスウェーデンらしくエロ映画から
スタートした人でしたから、思った以上に頭が柔らかいのかも。
しかし、そのメイキング観たかったですね~。
私も、「処女の泉」以来ベルイマンの主要映画の撮影を
担当したスヴェン・ニクヴィストの白黒ながらも美しい撮影が
大好きなんですよ。ただ、映画の内容は難しくてわからない
のが多いのは言うまでもありませんでしたが。。。笑

投稿: ぱんだうさぎ | 2007年12月21日 (金) 22時24分

ぱんだうさぎさん。おはようございます。
ベルイマンの映画は、映画青年が、仲間と論じて解釈するという、なにか青臭いイメージがあったので敬遠していましたが、ようやく観る気になりました。
ベルイマン自身は解釈よりも、なにか感じ取ってもらえばいいと思っているでしょう。
ニクヴィストという撮影監督の名前を覚えました。
そうですか、この映画以降ですか。
録画したものには、「野いちご」「叫びとささやき」「秋のソナタ」
があります。
彼の作品にはショパンの曲が使われてことがあるので、それだけでも胸に染入りますね。

投稿: スタンリー | 2007年12月22日 (土) 08時54分

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