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猿の惑星

猿の惑星 (ベストヒット・セレクション) DVD 猿の惑星 (ベストヒット・セレクション)

販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2007/10/24
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NHKBSで久しぶりにこの映画を見た。

以前、テレビ放映で何度となく観ているが、画面のサイズに合わせ、両端が、トリミングされている上に、原版よりかなりカットされていたものである。

一番最初にテレビ放映されたのぱ、荻昌弘さんのロードショウだったと思う。

荻さんが、アメリカから呼んだ特殊メークのスタッフにより、あの格好をして解説していた。

今回、改めて観てみると、いかに民放ではフィルムがカットされていたかが分かった。

カットが著しいのは、宇宙船が不時着し、猿につかまるまでのシークエンスである。猿がなかなか画面に登場しないという、ジラシの効果があるところであり、やはり、その部分が短くなったのでは、その意味がなくなる。

シャフナー監督は、なかなかの作品を作る監督であることが、山本氏とNHK氏の解説で知った。 

他の作品では、「ブラジルから来た少年」、「パヒヨン」などがある。

さて、気が付いたことは撮影がすばらしいことだ。アメリカの国立公園でのロケーションもさることながら、人間の捕獲シーン。逃亡したヘストンへのカメラワークはカット数も多く、テンポもよく、つなぎもよく、画面に釘付けになり、時間を忘れてしまう。

獣が吼えているような、ゴールドスミスの音楽も、前衛的で雰囲気がある。この人はなにをやっても、間違いの無い音楽を作る。

特撮はL・B・アボットで、この映画での仕事は少ないが、宇宙船が沈んでいくシーンが彼の映像で、野外で撮影されたミニチュアワークは、特撮だと気づかない人が多いのではないだろうか。波の演出がすばらしい。

冒頭の宇宙船外の色彩豊かな光の乱舞の合成もすばらしい。このへんは、相対性物理学を参考にしていると思われる。

宇宙船が墜落するシーンの効果音は、同じ20世紀フォックスのテレビ番組「宇宙家族ロビンソン」のジュピター2号の離着陸の音である。

やはり、アメリカの映画会社も、録音バンクからの音を使い廻しする。

なお、特殊メークのジョン・チェンバースは「ロビンソン」でも特殊メークを担当しているエピソードがある。

今回観て、気が付いたのは、ヘストンを聴聞するシーンで、オランウータンの議長(ジェームズ・ホイットモア)と、その両側に同席の議員が、ヘストンの証言を拒否する態度で、「見ざる、言わざる、聞かざる」のボディアクションをしていることで、この映画の唯一お笑いシーンである。

この言葉は日本の日光の彫刻だけでなく、

Three wise monkeysという言葉で世界でもおなじみだ。

自由の女神の見せ方のすばらしいこと。また、全体像のマット画も優れている。

もう40年前の映画であるが、この映画が撮影されていた当時の私は、いったい何をしていただろうか。

じつは意外に覚えているものである。

映画に写る風の動きや、水の波紋、立ち木の葉っぱの揺らぎ見るとき、その撮影している同時刻の自分は何をしていたかに、一瞬、思いを寄せることがある。

ヘストンが猿に追いかけられるアメリカの里山でそれを感じた。

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特撮物」カテゴリの記事

コメント

こんばんは~
私も劇場以来久しぶりにノーカット版を観ました。
改めて観ると、おっしゃるようにかなりカットされてましたね。
飛行士の一人がちっちゃな星条旗を立てたのを見た
ヘストンが高笑いするシーンの復活には、“あったあった”と
妙に喜んでしまいました。(笑)
しかし、ウチのブログでも書いたことがありますが、
未見の方にこのDVDの装丁の絵はないですよね~。
結末を教えてど~すんの(笑)

投稿: ぱんだうさぎ | 2007年11月19日 (月) 01時00分

 荻昌宏さんの月曜ロードショーは、よく見ていました。各放送局の映画番組は、劇場に観に行く資金が限られていた頃は、映画に接する事ができる貴重な機会でしたし、昔の映画を知る勉強の場でもありました。
 レンタルビデオが無い頃は、せっせと好きな映画をビデオ録画していました。どの放送局の”ロードショー”もCMをカットすると2時間枠なのに1時間32分程度になってしまうズタズタぶりでした。(TV東京の昼過ぎの映画番組はもっとCMだらけですが。)
 猿の惑星は好きな映画で、TVで何度も観ました。(今回は観ていませんが。) シリーズの中では「続」と「新」までは好きです。TV版の猿の惑星もありましたね。早川文庫でノベライズも読んだ記憶があります。
 「ベンハー」「十戒」など、チャールトン・へストン演じる理想的な男に憧れたものですが、「ボウリングフォーコロンバイン」に登場する彼には幻滅させられました。ウィキペディアによれば1960年代には人種差別反対のリベラル派だったそうですが、人は変わっていくものなんでしょうか。

投稿: 雷おやじ | 2007年11月19日 (月) 08時20分

ばんだうさぎさん。こんにちは。
以前教えていただいたホイットモアは声でわかりました。
ウータンなので眉毛は素顔と同じ、毛深いですね。笑
小さい旗のシーンは知りませんでしたので、民放の放送はだいぶカットされていましたね。
DVDの装丁の絵はアホチャ~ゥカですね。

投稿: スタンリー | 2007年11月19日 (月) 12時19分

雷おやじさん。ありがとうございます。
民放テレビの映画の放送はありがたかったですね。
フイルムのカットは、番組制作側も泣く泣くやっていたようで、苦労がしのばれます。でもやっぱりイヤです。
ヘストンがライフルの所持の肯定派ということはショックでしたね。ジョン・ウェインもそうでしたけど、映画だけにしてもらいたいです。

投稿: スタンリー | 2007年11月19日 (月) 12時27分

私も観ましたよ~。テレビで「猿の惑星シリーズ」は何度か観ましたが、随分昔のことです。久しぶりの猿に懐かしさがこみ上げてきました。最後に出てきた自由の女神!あれで全てがわかるという素晴らしい演出でしたね。

投稿: マーちゃん | 2007年11月19日 (月) 22時32分

お正月になると、テレビ京都では、全作連続、殆ど1日中、「猿の惑星」やってましたよ。

当時、テレビの「猿の軍団」も毎週観てました。
カット問題は、最近はノーカット放送も増えて余り聞かなくなりましたが、当時は余りの酷さに問題になってましたねー。

劇場版「バンデットQ]も、配給会社が勝手に?カットして公開したため大問題になりました。
あと、吹き替えも。

投稿: つのきち | 2007年11月19日 (月) 23時34分

あ~!見逃した・・・
この映画の原作者は「戦場に架ける橋」の原作者で、タイで捕虜になって日本人にこき使われた体験が元になったと聞いたことがあります。タイムリーですね・・私、先日行ってきました・・・戦場にかける橋・・・
よっぽど悔しかったんでしょうね・・猿にこき使われるの・・・

でもこの映画は好きですよ!

投稿: ぴろQ | 2007年11月20日 (火) 01時10分

マーちゃん。ありがとうございます。
私は「続猿の惑星」を最初に見たので、あのラストは前作ツナギシーンで知っていました。
思い出してみると、最初のものは、私の地域では公開されなかったと思います。
第一話はどうなってるのか、楽しみだったのを覚えています。
「続猿の惑星」と同時上映は「MASH」でした。
なんという取り合わせ。笑

投稿: スタンリー | 2007年11月20日 (火) 16時50分

つのきちさん。ありがとうございます。
中部地域も「猿の惑星」は正月の深夜にやっていたと思います。
「エマニエル夫人」も毎年やっていましたね。
007シリーズなども。
公開映画をカットするのだけはやめてもらいたいですね。
あれは制作側にも、観客にも無礼なことだと思います。

投稿: スタンリー | 2007年11月20日 (火) 16時57分

ぴろQさん。ありがとうございます。
原作のピエール・ブールのことは星新一のエッセイで知りました。
(古るー)
収容所でひどい目にあったら、こういう小説を書くのもしかたないかもしれません。日本人は猿ですかねー。
SF映画として、すばらしい作品になったのは、制作を共同した、ロッド・サーリングの手腕だと星新一も書いていました。
戦場にかかっいた橋?を訪れたそうで、いいですね。
あの映画ですばらしい滝がありましたが、タイで撮影されたかどうか分かりません。

投稿: スタンリー | 2007年11月20日 (火) 17時10分

私も何回もテレビで見てるのに、なんでこうも皆さんと
覚えてる割合が少ないのかしら?改めて私って結構ざっと?
見てる人なんだわと実感。

投稿: バルおばさん | 2007年11月21日 (水) 18時41分

久々に通しで見ました。猿の特殊メイク以外は派手な見せ場も多くないのに、魅せる映画ですね。一作目以外はこれまで見た事がなく、一挙五作を放映するということで、この機会に全部見てみようと思います。とりあえず「続」はみましたが、それなりに駄作でした(笑)三作目を見るのが怖いです。

他の方も書いておられますが、それにしてもあのDVDパッケージはないですよね。

投稿: ogat | 2007年11月22日 (木) 08時20分

パルさん。ありがとうございます。
私は映画の内容より、画面の片隅にばかり注意が行きます。
ショーモナイことばかり覚えています。
映画メモは忘れないよう始めました。

投稿: スタンリー | 2007年11月22日 (木) 08時37分

egatさん。ありがとうございます。
私は三作目から観ていません。公開当時も観たいと思いませんでしたが、そもそも、私の地域まで映画が来ません出した。
BSでやるので、観てみようかなというところです。
あのパッケージのネタバレ絵はだいぶ有名のようですね。

投稿: スタンリー | 2007年11月22日 (木) 08時43分

いやはや映画も懐かしいけど荻さんなんて名前が出て更に懐かしいです。確か中村メイ子が吹替えではなかったかなー。何作まで観たかは覚えていませんが以前は車がマイナー・チェンジすると概して悪くなるのと同じで第1作を抜くって至難の技。何でも最初には先人の情熱、パワー、思い入れがあるんですね。

投稿: ロンリー・マン | 2008年1月21日 (月) 04時01分

ロンリー・マンさん。ありがとうございます。
吹き替えは確か、山東昭子さんだったかもしれません。
中村メイ子さんと声質が似ていますね。
他に近石慎介、熊倉一夫さんがいたと思います。
続編以降の作品というのは、どうせ1作目よりヒドイと思うけど、
まあ観てやるか。という観客を映画会社はあてにしているのではないでしょうか。

投稿: スタンリー | 2008年1月21日 (月) 11時08分

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