« 世界大戦争 | トップページ | 日本誕生 »

世界大戦争

特撮メモ NO,9   

1961年公開、 東宝、シネスコ、カラー、ステレオ録音、芸術祭参加作品

制作- 藤本真澄、田中友幸、ジェネラルプロデューサー森岩雄

脚本- 八住利雄、木村武  監督- 松林宗恵 

特技監督- 円谷英二、 特技撮影- 有川貞昌

撮影- 西垣六郎    音楽- 團伊玖磨

出演- フランキー堺、乙羽信子、星由里子、宝田明、笠智衆、白川由美

東宝のボス、森氏最後の作品で、思い入れの込められたもの。

映画の出だし。真っ暗闇で音楽のみ流れる。「2001」と同じ。

團の音楽、出来が良いが木琴の使用は避けるべき。チンケな音である。

  ◎は最良の特撮、 ★は特に良くない特撮

◎ソ連のバジャーのような爆撃機の下からの撮影はすばらしい。野外での撮影で空は本モノ。 横方向にワイヤーが見え、旋回しているのでUコンのような手法かもしれない。

潜水艦の移動は速すぎる。 巨大感・重量感がない。水中が明るすぎる。

プロペラ輸送機の着陸からタキシングは翼がカタカタ動き、重量感がない。カメラの回転が遅い。

輸送機からのミサイルの搬出。カメラの速度が遅い。ミサイルの重量感がない。サスペンション的動きが無い。 サンダバード2号コンテナから出る動力メカの動きが欲しい。

◎夜のミサイル基地の描写がすばらしい。まさに実写映像そのもの。

ところが、照明が当たった昼の描写では、スタジオ然としている。空気感が乏しい。

地下からのミサイルの上昇はギアードモーターの動きでスムーズ。 ああいうものはケチッテ手で動かすものではない。

ミサイル基地内の計器類は、比較的手間がかかっているが、相変わらずノブ、スイッチ類にファンクションの文字が印刷されていない。カメラのアップの部分だけでもいいから、それなりの印刷をすべきである。

ミサイルの発射スイッチが理科の実験で使うようなボタンで、美術、大道具の神経を疑う。

大陸で戦車が動いているが、円谷の苦手なシーン。カタカタ動いて情けない。小型ミサイルの爆発パイロは良い。

機械の故障で核ミサイルの秒読みが始まるが、そんなことがあってたまるかるか。何の故障か分からず、説明不足のシーン。 外国人アマチュア俳優の幼稚な演技とともに、白けるところである。

戦闘機の飛行シーンは、一部、噴射口から煙を吐いている戦闘機がスタジオ然としている。

なだれのシーンは普通。

核の破裂は炎の点火・燃焼を真上から撮影し、合成したもの。ユニークであるが、核爆発という効果は感じられない。

★各国の首都の破裂シーンはミニチュアをウェハースなどで造り、爆発させたもの。これもユニークな手法だが、撮影が良くない。スモークを全く焚かず、完全にミニチュア感があり、スタジオ然としている。 私は失敗と認める。

核爆発の炎が都市に襲うシーンは上下逆さで撮影。特筆すべきことでもないが、おそらく、円谷が世界で初めて行ったテクニックであろう。

キノコ雲を水中の塗料で作ったのも、円谷が最初ではないか。それなりの効果はある。

東京の町並み、国会議事堂のミニチュアなどを溶鉱炉の溶けた廃鉄にさらし、撮影。

これもユニークだが、核爆発は、建築物が溶けるようなエネルギーは無く、誇張しすぎる演出である。 だが、視覚的に効果があり、ショッキングで、成功している場面である。

◎水中の潜水艦からICBMが発射され、海面に飛び出すシーンはこの映画で最も成功した特撮。カメラの回転、照明、潜水艦の水中の様子、ミサイルの飛び出し、すばらしい。 

|

« 世界大戦争 | トップページ | 日本誕生 »

特撮メモ」カテゴリの記事

コメント

この映画、時々放送されてましたが未見です。
そういう映画だったんですね。私はてっきりX星人や
地球防衛軍が出る映画なのかと勘違いしてました。笑
フランキー堺、乙羽信子、笠智衆の面々がこのジャンルの
映画に出ていたというのが不思議な感じがして興味深い
ですね。今度は絶対観ます♪

投稿: ぱんだうさぎ | 2007年11月22日 (木) 12時19分

ぱんだうさぎさん。いつもおおきに。
松林監督も、宇宙人の出る映画と間違えられたとコメンタリーで言っていました。
基本的に日本家屋の中での演技が特撮より見ものです。
ミサイル基地の外国人俳優がアカンのです。松林監督も諦めていました。笑

投稿: スタンリー | 2007年11月22日 (木) 17時01分

いつもながらの鋭い観察力ですねぇ。私はワイヤーだのピアノ線が使われていても、見破ったことがありませんよ。ミニチュアかどうかの判別方法がわからなくって・・・・。戦争映画に出てくる戦車はミニチュアのことが多いですか?スタンリーさんのレビューを拝読した後に、この映画を見れば、特撮のことが理解できそう。私も世界大戦争を見たいです。

投稿: マーちゃん | 2007年11月22日 (木) 22時48分

マーちゃん。おはようございます。
円谷の映画では実際の自衛隊の戦車も出てきますが、発泡やバトルシーンではミニチュアですね。
大砲を撃つと戦車が反動で振動しますが、ミニチュアではそれがありませんね。 
世界大戦争はフランキー一家の「三丁目の夕日」のシーンがいいです。昭和36年ごろの話ですから。 
核戦争が始まり、どこに逃げても同じだというので、一家で最後の晩餐をします。 泣けてきます。

投稿: スタンリー | 2007年11月23日 (金) 08時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/412224/9054422

この記事へのトラックバック一覧です: 世界大戦争:

« 世界大戦争 | トップページ | 日本誕生 »