« 宇宙大戦争 | トップページ | 青い山脈 »

宇宙大戦争

特撮メモ NO,8

1959年、 東宝、 シネスコ、カラー

制作- 田中友幸、 脚本- 関沢新一、 監督- 本多猪四郎

特技監督- 円谷英二、 音楽- 伊福部昭 、撮影- 有川貞夫(特撮)

出演- 池部良、安西郷子、千田是也、土屋嘉男、村上冬樹、

伊藤久哉、高田稔、沢村いき雄、レオナルド・スタンフォード(声、黒澤良)

宇宙ステーションのデザインはなかなか良い。上のアンテナの回転方向がステーションと逆なのがいい。 ステーションの床の曲面の描写はこの映画が最初ではないだろうか、「2001」でもこのシーンがある。

円盤のひかり方がよい。

冒頭の模型電車による撮影、鉄道博物館のジオラマのレベル。スピードが速すぎるので、余計オモチャに見える。

鉄橋が浮き上がり、電車が河に転落、ハイスピート撮影は適切だが、模型が小さすぎて迫力がない。

宙に浮いた鉄橋が、トズンと着陸。 鉄骨の重量感がない。ゆっくり降し、着陸寸前でさらに速度を落とすべき。これは操演のセンスの問題。

各国の異常現象の写真?、全く下手な絵。東宝のマット画はダメ。

スピップ号のエンジンテストの描写はよい。発射場の合成のすばらしいこと。遠近感もすばらしい。 

ただし、昼の発射場合成シーンでは、画面に大きなホコリが三つ写ってしまっている。

撮影のウッカリミス。たいへん目立つ。担当者は監督から大目玉か。

ロケットの発射塔の造りこみは上々。櫓が後退する動きが堂々としていてすばらしい。

発射台の夜のシーン。照明、ランプ、上々。

発射台エレベーターの上昇カットはキャビンがゆれていて、ミニチュア然としている。

スピップ号のロケットエンジン炎、好きでない。強力な推力を感じない。円谷ものはみんなそう。

スピップ号の上昇カットは野外で撮影、橋の上から吊り上げた。太陽光の感じがよい。

国際会議場のセットがよくできている。演出もいい雰囲気。 ナタールの月基地が発見された説明がない。

池部良と安西郷子のラブシーンはちょっとギクシャクしている。池袋文芸座では池部良の「さー」で笑いが起きた。

土屋嘉男、「しっけい」という言葉を放つ。あの当時の映画ではよく耳にする。

土屋嘉男、のちほど「しまったー」というセリフを放つ、これもナンカヘン。

自衛隊の見送り栄誉礼の演奏は本物。

スピップ号のコクピットに窓がないデザインはメカニカルで良い。窓の景色との合成処理がいらないというのも理由であろう。

スピップ号のパネルにHITACHIの大きな文字あり。ミニチュアの看板にもあり。コンピュータのカットでも本モノのHIPAC使用。 タイアップ。

怪獣映画では森永やバヤリースであるが。

スピップ号の慣性飛行中、一人が天井に頭をぶつけ、「無重力だから気をつけろ」というセリフがあるのに、みんな地上のように、宇宙船内をスタコラ歩いている。

月面シーンで「重力コントロール」という言葉が発せられるので、なにか重力発生の装置があるのだろうか。だとするとメカが飛躍しすぎるし、説明不足でもある。

地球を離脱するシーンでは日本とアメリカ大陸の見える2カットがあり、アメリカ興行をねらった部分である。

スピップ号の反転、月面降下は伊福部の音楽と相まってゾグゾクするすばらしいシーンである。ただし、ジョージ・パル?の「月世界制服」にも同様のシーンがあった。だからあちらのほうが先。

月面降下のエンジン点火のうちの1カットはミニチュア然とした大失敗のシーンである。あれを編集に入れるとは信じがたい。

小松崎氏デザインの月面探検車は、古くは見えるが、なかなかアナログチックでよい。

しかし、キャタピラ走行でカタカタ動く様はどうも良くない。円谷本人も自覚しているのではないか。後年の戦車などでも相変わらずオモチャ然としている。

浮上走行シーンはなにかエアゾルのようなものを広く噴射しており、ユニークな手法である。

ナタールとのバトルシーンでは伊福部のフリゲートマーチが鳴り響く。我々の年代の人には血湧き肉踊るところ。 

あのマーチは地球防衛軍とのシーンでは、延々と続くので、オーケストラの管楽器の奏者が最後には貧血を起こしたという。

円盤の爆発シーンは宇宙空間での破片の落下も特に目立たず、上々である。

月面でのいろいろな爆発シーンはハイスピートも適切。

地球でのバトルシーンは最良のもの。円盤の撮影カメラワークすばらしい。

円盤をフィックスで捕らえ、星の流とともに滑らかに傾きをかける撮影がすばらしい。

破壊光線の処理がすばらしい。東宝の最高技術。当時の外国にマネできない。

母船の反重力光線による建物の吹き上げのシーンはユニークですばらしい。

圧縮空気を使い、発砲のミニチュアを使用。ただし、大きな看板などは吊り。

吹き飛ばされる看板の一部に「これがシネラマだ」があった。

小型宇宙艇が次々に発射されるシーンはテンポもよく上々。

大型パラボラ兵器も動きがギクシャクしておらず、上々の撮影。光線発射のテンポもよい。

ニューヨークの爆発カットは良くない。ビルが爆風で傾いてしまった。スタジオ然としている。

金門橋の倒壊シーンは上々。ただし照明が良くない。スタジオ然としている。

丁寧にパネルを張り合わせた格納庫が大爆発する。上々のシーン。ただし、こういうパイロはアボットやメディングスがもっとうまい。

|

« 宇宙大戦争 | トップページ | 青い山脈 »

特撮メモ」カテゴリの記事

コメント

 宮崎アニメ以外は邦画をほとんど観ないのですが、2日続けて紹介していただき、とても観たくなりました。レンタルがあると良いのですが。

投稿: | 2007年11月 8日 (木) 23時13分

コメントありがとうございます。
この映画は世界公開をねらい、極力日本の生活スタイルを排除していますので、ちょっとバタくさいですね。日本庭園が一部写っているだけです。 しかし、かなりの予算を使っています。
「スターウォーズ」の公開時、日本には20年前に宇宙戦争をやっているんだと、リバイバル公開するべきでした。
レンタル店にあるといいですね。

投稿: スタンリー | 2007年11月 9日 (金) 08時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/412224/8780747

この記事へのトラックバック一覧です: 宇宙大戦争:

» 宇宙大戦争 - Battle in Outer Space [OOH LA LA - my favorite songs [an annexe]]
宇宙大戦争丘美丈二郎 関沢新一 本多猪四郎 東宝 2004-10-29 1965年、地球の軌道上にある宇宙ステーションJSS-3が謎の円盤の攻撃を受けて破壊される。同じ頃、地球上でも世界各地で鉄橋や汽船が宙に浮き、凍りついた海水が舞い... [続きを読む]

受信: 2007年11月17日 (土) 23時22分

« 宇宙大戦争 | トップページ | 青い山脈 »