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駆逐艦ベッドフォード作戦 THE BEDFROD INCIDENT

駆逐艦ベッドフォード作戦 DVD 駆逐艦ベッドフォード作戦

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2006/12/20
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恐ろしい話である。まったく駆逐艦の艦長などというチッポケな存在のエゴにより、世界を狂わすという、とんでもない話。

この映画は、高校生のとき、深夜映画で観て以来、ずっと気になっていた。

それは、船のミニチュア特撮がすばらしいからだ。

今回、DVDの注文により、再確認することが出来た。

1965年、コロンビア映画であるが、イギリスで撮影されている。

そのせいか、イギリスのエド・ビショップなどの俳優が出演している。

また、駆逐艦のミサイル発射安全装置のアラーム音は「2001年宇宙の旅」で爆発ボルトのリリースと同じ効果音であった。 その「2001」はイギリスで制作されている。

船のブリッジ上とバックの海の合成は明らかにフロントプロジェクションである。

駆逐艦のミニチュア撮影は霧のシーンを除いて、すべて実際の海で撮影されている。 それは光、影、空の雲、空気、海の色で判断できる。

水平線かなたの空は、けっして東宝プール撮影のように、カキワリバックではない。

駆逐艦は小モデルで2メートルくらい、大モデルもあるようで、5メートル近い。

波やしぶきの様子は的確で、ハイスピード撮影は回転数がまったく正しい。

カメラの位置は水面ギリギリで、駆逐艦が向こうから手前に接近してくるシーンは実写と見間違える迫力である。

太陽光での撮影であり、人工のライトによる、スタジオ撮影的なウソくささがない。

氷山群を駆逐艦が移動するシーンもあるが、これまたすばらしい。波がリアルである。こういう水物は火炎と同じく難しいのだが。

夜の霧の氷山群もよくできている。スモークによる霧の撮影では、風が吹く野外は困難で、スタジオ撮影をすることになる。照明弾に照らされて浮き上がる風景は実に自然だ。

夜明けの氷山群が美しい。

円谷特撮なども比較して、私の観た映画の中で、船のミニチュア撮影はこれが最高のものである。

次点は「海底2万リーグ」というところか。

リチャード・ウィドマークの演技にしびれてしまった。あのするどい眼光ににらまれたら、萎縮してしまう。 シドニー・ポワチエの演技は彼により霞んでしまっている。彼はプロデューサーでもあるが、スタッフに対してもあの艦長の雰囲気ではなかったろうか。

なお、まだかけだしのドナルド・サザーランドが細長い顔で写っている。

特殊効果担当の名前がエンドロールにも載っていない。いつも思うのだが、アメリカの特撮チームは、名も知れぬ、目立たない人たちが、大変いい仕事をしている。

いい仕事とは、観客に特撮と気づかれないことである。

アメリカの特撮マンは気づかれないことに誇りをもっている。

その点、日本の特撮は観客に見透かされている。

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コメント

やっぱ、スタンリーさん、詳しいなぁ。
私はミニチュアかどうかさえ、見分けられませんよ。
ご推薦の『赤い靴』のDVDを注文しました。
あと、『2001年宇宙の旅』が24日にBSで放送されますね。
恥ずかしながら未見です。難解だと聞いていたので、
今まで避けていたのですが、今回、挑戦してみます。

投稿: マーちゃん | 2007年10月21日 (日) 00時43分

マーちゃんさん。おはようございます。
「赤い靴」は終戦後のイギリスやフランスの町並みの映像をカラーフィルムで見られるだけでも貴重ですね。
当時の女性のヘアスタイルも見ものです。
「2001」はバレエのような映像の美しさ。
(これは淀川長治の言葉ですね。)
と完璧な特撮を楽しんでください。

投稿: スタンリー | 2007年10月21日 (日) 09時13分

リチャード・ウィドマーク!いいですよねぇ。
この人が出てるだけで映画が締まります。
特に軍服姿の彼はしびれます。
得難い人物です。(′∀`)

投稿: ぱんだうさぎ | 2007年10月21日 (日) 11時59分

これは潔癖艦長さんが凄かったですね。最後の落ちはちょっとつまらなかったような気もしますが。
実写に近似した違和感無いミニチュアでは、ライトスタッフのB29爆撃機や、トラトラトラでの北太平洋航海中の艦隊が印象的でした。

投稿: 小西六 | 2007年10月21日 (日) 12時53分

ぱんだうさぎさん。ありがとうございます。
ウィドマークの出演している西部劇を見たことがあります。
題名はわすれましたが、彼の顔は覚えていますね。
インパクトの強い俳優です。
彼の吹き替えも大塚周夫さんだったと思います。

投稿: スタンリー | 2007年10月21日 (日) 15時21分

小西六さん。ありがとうございます。
ほんとにガチガチの人格でした。
トラトラトラとライトスタッフの特撮はすばらしかったです。
そのシーンは目に焼きついています。
「ベットフォード」でポワチエの使っていたカメラは
ニコンF.ニコンフォトミック.ペンタックスでした。

投稿: スタンリー | 2007年10月21日 (日) 15時27分

ウイドマーク大ファンとして嬉しいな。褒められて。が、しかし、忘却の彼方だけど日米合作「あしやからの飛行」の今はないD社の特撮お粗末だったなー。確か「八十日間世界一周」と同じ監督なのに・・。

投稿: ロンリー・マン | 2008年1月21日 (月) 01時54分

ロンリー・マンさん。ありがとうございます。
そうですか。「あしや・・」は未見ですが、観たい映画でした。
特撮はあの会社ですか。撮影にムラが多いんですね。
良かったり、悪かったり。
取り直しの予算と期間が無いというのも理由なんですが。

投稿: スタンリー | 2008年1月21日 (月) 10時51分

見たのはウイドマークの西部劇の代表作は「ゴースト・タウンの決闘」、「ワーロック」、「アラモ」(リメイク版ではない)だから70ミリの「アラモ」ではないですか?。 ニコン・フォトミックは良いカメラでしたよ。

投稿: ロンリー・マン | 2008年1月21日 (月) 17時40分

ロンリー・マンさん。
ニコンを使っておられたのですか。
数年前、ニコンの復刻が出ましたね。50万円くらいでしたか。
キャパなんかが使っていたやつ。
ちょっと欲しかったです。

投稿: スタンリー | 2008年1月21日 (月) 20時32分

フォトミックはローマのレストランで最後に店から出てカメラをテーブルの下に置き忘れたのを気付いたから戻ったのですがないと言う。やられました。仕方なくアグファを買う羽目に。帰国したら巻き上げレバーが故障。
新しもの好きな私は長男誕生の時、初代キヤノン イオスを。フォーカスは甘いわ、レンズの収差はひどいわ、ありゃ詐欺商品。ただ高いのみ。
キヤノンはレンジ・ファインダー時代の製品のがクオリティー高かった。総合的にはスペックはニコンが一歩リードで画質も好きです。ごめんなさい、ここはカメラのコーナーではないですね。

投稿: ロンリー・マン | 2008年1月21日 (月) 21時00分

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