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サンダ 対 ガイラ

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ DVD フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

販売元:東宝
発売日:2007/01/26
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「フランケンシュタイン 対 バラゴン」の続編である。

前作で死んだはずのフランケンの細胞が分裂し二匹蘇ったという設定。

英語版の一部を特典映像で観ると、ガイラはブラウンというらしい。そうするとサンダはグリーンだろうか。   英語版では彼ら二匹はひっくるめてガルガンチュアスと呼ばれている。

この映画にはゲストとしてラス・タンブリンが出演している。 「略奪された七人の花嫁」や「ウエストサイド・・」の人だ。 運動神経抜群であるが、今回の映画では博士役で、飛んだり跳ねたりできない。

ほんとうは、東宝は「逃亡者」のデビット・ジャンセンを呼びたかったのだが、スケジュールがつかず、彼が代役となったそうだ。 そのためか、声の吹き替えは睦五郎氏であり、声だけはジャンセンである。

映画の冒頭、また大ダコが登場する。これはどうも外国むけサービスカットではないか、かれらはどうもタコが好きだ、海のデッカイ化け物というとタコである。日本人は食うほうだが。

そのタコをガイラが襲う。タコもりっぱなタンパク源であるが、食わずに人間を襲おうとする。

その逃げる4人の船員をガイラが追いかける合成シーンはすばらしい。夜の場面であるから境目が目立たないのだ。

羽田空港にガイラが現れるシーンはスタジオ然としていて良くない。神さまの眼カメラで撮影している。 DC-8の飛行シーンもオモチャ然だ。

この映画で特筆すべきは、自衛隊の活躍であり、想像メカの殺人光線砲と、メーサー砲を、さも実際の兵器かのように、テキパキと設置準備し、頼もしい緊迫した画面を見せてくれる。 映画の中ではかなりの時間をさいている。

円谷パラボラ兵器では、このメーサー砲が一番のカッコイイものだ。車両として動くシカケになっているのは、明らかに「サンダーバード」のメカの影響を受けていると思う。

そのメーサーがガイラを攻撃するシーンは、これも円谷特撮史に残すべき、すばらしいシーンだ。 逃げ回るガイラを追う光線は、手前の樹木をなぎ倒す。光線の強力さを表現している。そのためガイラの痛々しさが強調されるのだ。

また、その樹木をなぎ倒す連続攻撃は、ミニガン(バルカン砲の小さいヤツ)を発射しているような、カタルシス的爽快感がある。 と同時にガイラがかわいそうにも見えてしまう。 実にうまい演出である。

この自衛隊の準備・攻撃シーンには伊福部昭氏のマーチが延々と流れている。

忘れられない印象的な曲で、「ゴジラ」に出てきた有名な海上保安庁のマーチのように、勇壮な長調の曲ではなく、トランペットを使った、すこし哀愁のある短調のマーチなのだ。

これは監督の本多氏も納得の上のことであろう。なにか怪獣とはいえ、生き物を痛めつけることへの罪悪や抵抗感を覚えるようにしたのではないか。

自衛隊の活躍では、相変わらす、ミニチュアのタンクがカタカタと動き、反動のない、物理感無視の砲弾発射をして、上記の名シーンをスポイルしている。

また、いつも指摘するように、怪獣の動きは、シーン・カットごとにカメラの回転がマチマチで、巨大感が安定していない。

そのハイスピード撮影で、すばらしいシーンはガイラが高圧電流で、のたうち廻るシーンで、中島春雄氏のダイナミックな演技で、飛び散る水の飛泡は見事な動きとなっている。

最後、海底火山の爆発では、再びトランペットの悲しい音楽が流れる。

オープニングの咆えるな音楽、自衛隊マーチ、エンディングと、この楽器が印象的だ。

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コメント

デビッド・ジャンセンですか。それ観たかったですね。
東宝特撮のアメリカ人役に、ニックアダムス以外の
選択肢があるんですね。。。と思ったら前作に別の役で
すでに出ておられたんですね。笑
失礼しました。。。^^

投稿: ぱんだうさぎ | 2007年10月 9日 (火) 01時01分

パンダうさぎさん。ありがとうございます。
タンブリンの演技はクールですね。
水野久美さんによると、撮影中の休み時間でもスタッフから離れ、浮いていたようです。
私はアダムスのほうが好きです。演技が自然ですね。
スタッフにも人気物だったようです。
水野久美さんにお熱をあげていたとか。
残念ながら、その後自ら命を絶ちました。

投稿: スタンリー | 2007年10月 9日 (火) 08時14分

初めまして。
私も「サンダ対ガイラ」は東宝特撮の中で気に入っている1つです。攻撃されるガイラを助けるサンダを見て分る通り、彼らは最初から敵対していた訳では無く、人間に対する価値の違いで争う事になります。

ガイラを手厚く介護するサンダの様子に、彼の「弟」に対する愛情を感じ、温かい気持ちにさせられるだけに後に来る悲劇が際立って感じます。独りぼっちで生きてきた彼らにとって「兄弟」というか「同種族」との出会いは、驚きと同時に喜びでもあったと思いますから。
サンダにしてみれば、人間を襲うのをやめない「弟」の所業に嘆き、ガイラにしてみれば、どうして「兄」は例の2本足の生き物の事になるとムキになるのか分らない。彼らは争いながらも、お互い苦しんでいたに違いありません。そう思うと、この悲しい「兄弟」を作り出した人間の罪深さを痛感してしまいます。

この物語を見て思った事は、人間にとって不死身の肉体なんかより兄弟・同族が仲良く生きていける幸せの方が一番大切なのだという事です。私達もコミュニケーションの輪を広げる為に、色々な人達と仲良くしていきたいですね。

投稿: A-chan | 2010年11月 4日 (木) 19時56分

A-chanさん。ようこそ。
過去の記事にコメントしていただき、ありがとうございます。感謝・感謝です。
貴方のこの映画の二体の生き物への感慨は、私も激しく同意します。私は8歳の時に映画館で見たのですが、今だに兄が弟のためにメーサーで火傷を負った傷に水をかけてやるシーンに感動したのを覚えています。弟が人間を食べて兄が怒っているシーンもです。最後、兄弟同志で戦い、海に消えていく哀しいシーンも昨日のように覚えています。大人になって再見しても、特にこの映画の優れているところがよく分かります。
また観たくなりました。メーサーの発射と音楽、かっこいい。

投稿: アラン・墨 | 2010年11月 4日 (木) 21時11分

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