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青島要塞爆撃命令

青島要塞爆撃命令 DVD 青島要塞爆撃命令

販売元:東宝
発売日:2006/06/23
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円谷特撮物で唯一未見のものであった。昭和38年制作。東宝

監督は「無責任」の古澤監督で、やっぱりどこか豪快で、無責任である。

第一次大戦、1914年ごろの、唯一日本としてドイツ軍と戦った中国、青島の戦いにおける大手柄の話で、古澤監督だけにホントカイナ、というところである。

あの当時の時速100キロも出ない「ファルマン」という複葉飛行艇が登場する。

その実物大模型はよくできているが、予算と時間があれば実際に飛行できたであろう。惜しいことだ。プロペラは電気モーターで回しているのだろう。

東宝の実物大飛行機としては「太平洋の嵐」などに、ゼロ戦がやはりモーターのプロペラを回して写っているが、プロペラスピナーがブヨブヨとアンバランスに回っていて、ヒコーキファンには耐え難いシロモノであった。

ミニチュア撮影は過不足ない。 良いシーンは列車が鉄橋を渡ったと同時に飛行機が頭上を追いかけるところ。そして 青島要塞を俯瞰から撮影したシーン。

今回の飛行機のミチュア撮影は、実機の飛行速度が遅いため、円谷独特のチョコマカした飛行でなく、実際の動きに見合ったものである。

以前の円谷が演出する第二次大戦の戦闘機の飛行速度はジェット機並に速くチョコマカしている。それは操演が速すぎたり、ハイスピード撮影が適切でなかったり、24コマで撮影したりする為でもある。

丁寧に作りこまれた、結構大きいミニチュアの機関車、列車が走っている。

やはり、カメラの回転速度が遅い。資料によれば野外で撮影しているが、曇り空のようで、太陽光線の効果が出ていない。

ただ、その列車にカメラを乗っけて撮影したシーンは上々である。

円谷は自他認めるヒコーキファンであるが、この仕事は楽しかったであろう。

ファルマン機は水上飛行艇で、ミニチュアのその発進、着水シーンは上々の撮影である。円谷渾身の演出。

やっぱり古澤監督ということで、ホンマカイナの爆笑?シーンがいくつかある。

池部良や藤田進、清水元などのマジメな俳優のマジメな演技もあるが、一方、夏木陽介、佐藤允、加山雄三などが豪快?にトボケてみせる。また、はらはらドキドキもある。 兄を夏木に殺された中国娘の浜三枝が、また日本兵に協力するという説明不足があるが、これも古澤監督らしい。細かいことにこだわらない。

ネタバレだが、私がイスから転げ落ちたシーンは米軍ジープが出てくることだ。大正3年ごろの話なのである。

この映画、古澤憲吾監督と円谷英二特技監督という異色のコンビによる、特撮史にのこすべき傑作である。

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コメント

青島要塞~に母船役で出てくる貨物船は、大戦中の戦時標準船なんですよね。
アメリカのリバティシップに対抗して、数年持てば良いと粗製乱造で造られながら、それでも戦後ながらくお勤めしてますね。
ブリッジが資材難からか木で出来ていたり、船首がスッパリ切って落としたような形状をしていて特徴的です。

投稿: 小西六 | 2007年10月13日 (土) 12時50分

小西六さん。ありがとうございます。
戦時標準船の存在を知りませんでした。
教えていただきありがとうございます。
戦時中は、そのような大型工業製品にしても、お上の指示があったのですね。
私の知っている限りでは、国民ラジオがあります。
トランスレスで真空管3本の並3型で、回路がものすごくシンプルですね。と言って音を聴いたことはありませんが。

投稿: スタンリー | 2007年10月13日 (土) 13時45分

戦時標準船やリバティ船は構造がぜい弱で不評だったようです。嵐で真っ二つになったり、座礁しただけで沈没したり・・・

国民ラジオはたまにヤフーオークションにも出てますね。
ジャンク品は戦前ものでも非常に安いですから、レストアして聞けるように出来れば楽しいでしょうね。

規格統制は身近なものでは日本標準規格(JISの前身)や、戦車の統制型エンジンなども有名です。
住宅営団の標準住宅なんてものもありましたが、普及したのかどうかは判りません。

投稿: 小西六 | 2007年10月13日 (土) 16時35分

円谷特撮物を全部見たのですか?!
ということは、相当お詳しいでしょうね。
出演者が凄いですね。豪華絢爛。
イスから転げ落ちて、怪我はありませんでしたか?(笑)


投稿: マーちゃん | 2007年10月13日 (土) 18時42分

小西六さん。こんばんは。
規格統制品というのは、なんとなくプワーな感じで、
車なら昔のパプリカ800のイメージですね。
国民ラジオなど当時のものは再生式だったので、電波も発射してしまい、今なら近所から苦情が来るかもしれません。

投稿: スタンリー | 2007年10月13日 (土) 20時36分

マーちゃんさん。こんばんは。
ハイハイ。円谷物はだいたい頭に入っています。(鼻天狗)
だけど、下手なシーンばっかり覚えていますね。
根が小姑なのです。これは必ずしも彼のせいでないのですが。
イスから転げ落ちて「三途の川や」、「渡りー」。

投稿: スタンリー | 2007年10月13日 (土) 20時47分

たしかに統制品というとチープな感じもしますけど、戦前の日本の生産システムで世界に比べ遅れをとっていた、規格化や品質管理を根付かせたという効用は大きかったようです。
安かろう悪かろうを意味していたメイドインジャパンが品質優良の代名詞になった素因だと思います。

投稿: 小西六 | 2007年10月14日 (日) 19時12分

小西六さん。ありがとうございます。
なるほど。もっといいものを造ろうという
棒高跳びのパーの役割を担ったのですね。

投稿: スタンリー | 2007年10月14日 (日) 21時08分

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