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ムービーカメラ

カルメン故郷に帰る DVD カルメン故郷に帰る

販売元:松竹ホームビデオ
発売日:2007/06/27
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ついでに映画のカメラについて。 ただし、ぜーんぜんその方に詳しくないので、ひょっとして、日大芸術学部映画科の学生さんや先生がこのブログを観たら笑止と一喝されることうけあい。

今の映画撮影は日本映画でもアメリカのパナビジョンを使っている。 これはどうやらレンタルだということだ。映画会社が所有しているものではないらしい。

それは映画のエンドクレジットの一番最後あたりに出てくるので分かる。 あのトルビーシステムやらアメリカの映倫のマークが出てくる時分だ。 

余談だが、終わりまで、几帳面にたくさんのキャストの名を追っていくと、おしまいの文字がストップしたとき、眼ん玉が上に寄ってしまう。

このパナビジョンというカメラのレンズがものすごくシャープなことは以前から感じていた。 日本映画でこのカメラか、それ以前のカメラを使っているかは、分かりやすいことである。 

これ以前の映画のカメラというと昭和30年ごろから、トイレットペーパーサイズ(溝口健二がそう呼んでいたそうである)のシネマスコープのものがその中の一つだ。

35ミリのフィルムに圧縮して焼くので、なにか歪みやボケがありそうだが、そんなことも感じない。 映写するときは逆に拡大するレンズが使われると思うが、どういうものか見てみたい。

問題はシネスコ以前の映画だ。スクリーンのサイズは「スタンダード」やちょっと横長の「ビスタ」である。 ビスタはどうなのか不明だが、35ミリフィルムのカメラでは、よくミッチェルという名が聞かれる。

例えば、スタッフのこぼれ話で「重いミッチェルを担いで山の中までロケに行った」など。 ま カメラはたいていみんな重そうですが。

そのミッチェルで撮られた望遠のショットが凄いんです。 グルグルと渦を巻いているのです。 

森の中のシーンだと林や葉っぱや枝が、ブラックホールの重力レンズで歪められた、はるか彼方の銀河のように渦状になっていて、今にもそこからワープできそう。

家の中のシーンで日本間を撮ると、障子の格子やタンスが膨らんで見えます。

あれはどこのメーカーのレンズなのだろうか。標準や広角ではそういうことはないのだが。 しかも松竹や大映の映画ではあまり感じられず、東宝の映画に多いような気がする。

日本には無かったように思うが(思うばっかりの無責任でゴメンネ)もっと昔には、テクニカラーという撮影方式があった。

ディズニーの映画や「風とともに去りぬ」などで使われた。

なんでも、一本のレンズからハーフミラーを通して、3原色に分解し撮影するという。 つまりフィルムマガジンが三ついるということである。

1本のフィルムは白黒と同じなので、色あせがなく、永遠に色彩を保てる。

しかし、ものすごくバカでかいカメラでしょうな。 残念ながらそのカメラを写真でも見たことがない。

カラー映画のことでは、日本での最初のカラー映画は松竹「カルメン故郷に帰る」で、普通のカラーフィルム(アグファカラー方式)を使い、当時コダクロームがあったにもかかわらず、フジフィルムが使われた。

ただし感度はASA10くらいのもので、撮影もほとんど昼のピーカン時ばっかり。 銀レフで俳優さんがまぶしそうである。

この映画のカラー撮影は実験的でもあり、撮影や現像がうまくいかないことが懸念された。それで万が一の為に白黒フィルムの撮影テイクもあり、そちらのほうが芝居や演出のできがよいということだ。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。非常に興味深いブログですね。
更新が楽しみです。

3ストリップ式テクニカラーカメラの写真です
http://www.widescreenmuseum.com/oldcolor/technicolor7.htm
他にも黎明期のカラー撮影法が載っていますよ。
http://www.widescreenmuseum.com/oldcolor/index.htm

日本にもコニカラーカメラという分解カメラがあり、映画製作やネガ複製に使われていたようです。
カルメンでの富士フィルムは外式で、カプラー内蔵のアグファとは異なるものだと記憶しておりましたが・・・

投稿: 小西六 | 2007年9月19日 (水) 11時24分

小西六さん。情報ありがとうございます。
アグファ方式とは小生の乏しい知識では
一般の3色一層の感光方式で、アグファが最初に
商品化したものと認識しておりました。
また、いろいろ教えてください。

投稿: スタンリー | 2007年9月19日 (水) 21時11分

いえ、不完全なカラーフィルムなら20世紀初頭からからたくさんありますよ。大半は徒花になってしまいましたが。
この辺も調べていくと興味深いものがあります。

1936年発売の新アグファカラーの特徴としては、カプラーと呼ばれる発色剤が感色層に含有されていて、一現像で発色するところが画期的だったようです(内式)。今と同じく自家現像も可能です。

前年発売されたコダクロームは現像漂白が三工程あり、自家現像はほぼ不可能で、機械現像のみでした(外式)。 
三原色に対応した発色層をフィルムベース上に塗布する点では両者ともほとんど同じですが、発色現像のプロセスに大きな違いがあります。
日本のサクラや富士も、当初はコダクローム式のみでしたので、撮影後は現像所に郵送して現像してもらう方式でした。

投稿: 小西六 | 2007年9月20日 (木) 12時11分

小西六さん。ご説明ありがとうございます。
現像方式に、2種類あることは全く知りませんでした。
図書館やネットなどで調べてみます。
私は他の記事で書いていますが、ドラマのVTR収録が嫌いです。 フィルム撮影がいつまでも残ってほしいですね。

投稿: スタンリー | 2007年9月20日 (木) 20時07分

総天然色への一世紀 石川英輔

この本は大きな図書館に行くと所蔵されていることが多く、体系的で図版も多くお勧めです。あっけなく消えていった数多の無名天然色写真法も網羅してます。
写真史は技術史的な観点から捉えている本が少ないのですが、この本の著者は天然色写真が好きで印刷会社まで作ったお人ですから(笑)、空論や観念論は無く読んで退屈しませんよ。

VTR撮影も、最近フイルム風の処理をやったりしてますが、やっぱり味が無いですね。

投稿: 小西六 | 2007年9月21日 (金) 10時42分

小西六さん。情報の提供ありがとうございます。
石川英輔氏はテレビでおなじみの江戸事情に造詣のある方ですね。
こちらのほうにも精通している人とは知りませんでした。
テレビ「水戸黄門」はVTR収録をイマジカでフィルム処理しているのでしょうか。 いずれにしても時代劇でVTRは合いませんね。

投稿: スタンリー | 2007年9月21日 (金) 20時26分

そういえば、石川氏はお江戸のリサイクルの話とかしてましたね。
写真関連の本は芸術をとうとうと語るばかりで、基本原理や技術面に不正確な本しかなくうんざりしてましたが、氏の本はバイブル的です。
軍事ネタ的には、外式の発色現像の複雑さとカラー印画紙の欠如が、旧軍であまりカラーフィルムが使われなかった遠因だったりします。感度も低く、モノはあっても使いにくかったようです。

投稿: 小西六 | 2007年9月22日 (土) 10時26分

そういえば、日本軍が撮影したカラー映像というのは
トンと見たことがないですね。
黒澤の「我が青春にくいなし」のロケを進駐軍がカラーフィルムで撮った映像は新鮮でした。原節子が花畑で輝いていました。

投稿: スタンリー | 2007年9月22日 (土) 11時52分

日本側の物も少しはあるんですが、欧米に比べると寂しい数ですね。この分野での遅れを物語ってます。
http://www.ijaafphotos.com/jbwki491.htm
http://www.ijaafphotos.com/jbwki454.htm
http://www.ijaafphotos.com/jbwki451.htm
スタンリーさんお好みの飛行機ものです。
撮影者は菊池俊吉氏で、当時は陸軍の報道班員をされていたようです。

投稿: 小西六 | 2007年9月22日 (土) 12時42分

小西六さん。 War Birdpixのページの紹介ありがとうございます。
秋の夜長、ヒコーキ写真を楽しませていただきます。

投稿: スタンリー | 2007年9月22日 (土) 19時38分

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