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花のお江戸の無責任

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販売元:東宝
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 ご存知、植木等の無責任シリーズの一つであるが、特筆すべきは監督が山本嘉次郎であることだ。 

黒澤監督が助監督時代についていた監督である。 

黒澤が監督となって、マルチカメラを採用するヒントはそのときに得たといわれる。

また山本監督「馬」ではほとんどのシーンを黒澤が演出したという。

余談でこういうことを書いてはまずいかもしれないが、このときの出演者、高峰秀子は黒澤にぞっこんで、その後二人は婚約寸前まで話がいったが、高峰側の親族から交際を断られてしまったのである。 

閑話休題  

以外なのは、山本は黒澤監督の師匠的存在なので、一回りほど年齢差があると思ったが、山本は1902年生まれであるから、ほぼ同年代であることだ。

であるから、この映画が制作された1964年はまだ62歳であり、映画監督としてはまだ現役バリバリだということだ。 

「無責任シリーズ」の監督としては、ムチャクチャに破天荒な演出の古澤憲吾監督のもの。 少々常識的な坪島孝監督(つい最近亡くなった)のものがおなじみだが、ヤマカジさん演出とは。 もう引退していると思っていたので、正直いって以外であった。

山本監督はオールマイティの監督で、1940年「孫悟空」などでもそうだが、お笑い、ミュージカル、アクション、シリアスと、そつなくこなせる人である。

「無責任」はいきなり、植木が歌いだしたり、大勢で踊って歌うなど、彼向きといえるかもしれない。だから、東宝も彼に依頼したのであろう。

画面のサイズは現代調のシネマスコープの横長だが、なんというか、やはり戦前・戦中のヤマカジスタイルを感じてしまう。 といっても、私は彼の作品を5本しか観ていないのだが。 

例えば、有島一郎が高勢實乗(アノネのオッサン。知ってますか?)調のメークをして、大げさなアクションで笑わせる(大して面白くない)のは、エノケン映画を感じてしまうのだ。

また吉原で、三味線囃子や花魁、太鼓持ちが大勢で、スクリーンいっぱいで踊るところや、終盤の歌舞伎・助六のシーンなど、「孫悟空」調を感じる。

黒澤助監督もたぶん、当時、ああいうシーンがうまくはかどらないと、ヤマカジさんから「デコスケ!」と怒鳴られたんでしょうな。

なお、この映画では、植木は憧れの吉原一番の花魁(団玲子)を呼ぶのに、数十両の小判を渡してすぐ会っているが、実際は、そのクラスの花魁(太夫)と二人きりになるには3回ほど吉原に通って宴会を開き、百両近い金を使った挙句、ようやく側でご対面できたのである。    

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