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ゴジラ2000 ミレニアム

ゴジラ2000〜ミレニアム〜 DVD ゴジラ2000〜ミレニアム〜

販売元:東宝ビデオ
発売日:2000/12/21
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 1999年制作の映画である。 「ガメラ1999」の公開以後の制作かどうかは不明であるが、 結論から言うと「ガ級」ではない。

 しかし、平成ガメラの影響をうけていることはうかがえる。 ミニチュアセットは過去の東宝作品より質が向上している。 ビルディングのウェザリングも丁寧に施されるようになった。 でもまだまだ箱を並べた感じが否めない。 そう見えてしまうのは、ビルの窓の描写で、過去のまずいやり方をそのまま踏襲している。 

 窓というのは、ブラインドが降りていたり、閉まっていたり、机やパソコンが見えたり、人の労働の場として一番生活感の現れる場所であり、人間の目もそこに向けられるものだ。 それをただ壁に穴を開け、スリガラス(アクリル?)一枚を内側に貼り付け、大きな電球で中から点灯させ、まるで江戸時代の行燈みたいな造りなのでは、「こんなものでいいでしょう。ビルディング一丁あがり」という態度が感じられる。 これは一種のサボリであり観客をみくだしている。 東宝のミニチュア特撮のビルは昔からこの方法である。 

 ビルの窓一つ一つに細工をするのは大変であるが、(ワンカットのみ、シルエットで表現してあった)それが無理でも今ならCGなどで処理できるのではないか。 あの中野・川北特撮から続いてるやり方はもう止めるべきである。

 CG.VFXもレベルが低く、稚拙である。ゴジラの東海村上陸は実写動画映像にハメ込んであるが、境目の処理がまずいうえに、微妙にブレており不自然である。   物理感覚にも首をかしげる。 軍用ヘリといえども、あんなに速い速度で急旋回できるだろうか。ゴジラにミサイルを発射して退避するシーン。 ミサイルの噴射ガスの描写も素人レベルだ。 7年前のCGはあの程度だったろうか。 とにかくこの映画のCGは拙速としか思えない。

 とクソミソに書いてしまったが、好きなシーンもある。冒頭の根室にゴジラが上陸する一連のシーンは「ガ級」に匹敵する。特にトンネルでの描写。 ゴジラ第一作へのオマージュと感じられるカットもあり、私は最初大いに期待した。それだけに後半にはガッカリさせられた。

 それにどうも脚本が良くない。 異星人が侵略するのに、ミレニアムもくそもないであろう。その理由性がわからない。親子の関係もアヤフヤに終わっている。グズグズと話が進み、緊迫感がない。 それを増長させるのが音楽で、伊福部氏のテーマ以外、血沸き肉踊るようなメリハリのある楽曲がなく、ただダラダラと鳴っているだけである。

 たとえ優れた映画監督でもいい脚本でなければいい映画はできないというが、この映画はそれを実証している。

 

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