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とんでもない兵器

 映画「2001」のディスカバリー号には原子力ロケットエンジンが搭載されていますが、原子力はジェットエンジンでも利用できるのです。

 ただし、飛行中の放射能の問題が解決したとしても、もしそれを搭載した飛行機が墜落したらたいへんです。

 というわけで、これも原子力ロケットエンジンが実用化中止となったのと同じ運命により、開発も50年位前に中止になりました。

 ところが、その後、 原子力を無人のミサイルに使おうという企画がアメリカで発足したのです。つまり、ミサイルならば人が乗っていないので、安全であるし、落っこちても、敵地内だから放射能も味方には影響ないという発想です。

 そのミサイルはラムジェットという単純な構造を採用しているのですが、それは前から入ってきた空気をそのまま原子炉で加熱し排気するという仕組みです。

 つまり大気に対して原子炉はむき出しになっていて、放射能に汚染された空気を撒き散らしながら飛行するのです。

 そもそも原子力を使う目的というのは、飛行時間が飛躍的に延びるという理由です。

 つまり、化石燃料だと、現在の巡航ミサイルでも、せいぜい数時間しか飛行できませんが、核燃料だと、数日間から、数週間、飛行し続けることが可能だからです。 

 ところでラムジェットエンジンが効率的に機能する飛行速度は、マッハ3以上です。大変な速度です。 

 この速度を達成するには空気抵抗の少ない、高度20キロメートル以上でなければ、通常のジェットのヒコーキでは無理です。 

 さらに、旅客機のコンコルドでもそうですが、その高度でも、地上にはソニックウェーブがやって来て、ガラスが割れたり、大きな破裂音が聞こえます。それだけ超音速は地上に影響を与えてしまいます。

 で、 この原子力ラムジェットエンジン搭載のミサイルは現在の巡航ミサイル「トマホーク」と同様に、地上数百メートルの上空を、なんと、無理やりそのマッハ3の速度で飛行するのです。 それも何日間も。

 当時のアメリカの仮想敵国はソ連です。 

 つまり、このミサイルはアメリカ本土から発射し、ロシア領土内のあらゆる数百メートルの上空を、放射能を撒き散らしながら、かつソニックウェーブで地上の建物・器物を破壊し、人間の鼓膜を破り、被爆させ、何日間も、散々ダメージを与えた挙句、クレムリンで水爆を破裂させるのです。

 なんという兵器でしょうか。 しかもこの原子力ラムジェットエンジンは高圧風洞による地上実験でも成功したということです。 

 こんなもの考えた連中は「しょうがない」ではすまされません。 まさにdoctor strange love ですね。

  参考資料: 雑誌 「Jウィング」 イカロス出版

 

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