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2001年宇宙の旅  HAL

 回転する遠心ブロック(直径11.4メートル)には、当初、卓球台、ピアノ、シャワー室が設定されていましたが、撮影時削除されました。幅3メートルと狭いですが、ピアノキーボードは設置できそうである。

 いろいろなディスプレイのフラットな画面は、バックから映写機により投影している。 これは照明とともに、あの回転部分に大変な熱を発生させるため、撮影時は送風ダクトにより内部を冷却している。

 このフラットディスプレイは時代を予見した、センスのいいアイデアですね。 現在ならプラズマディスプレイなど使えますが、当時ではソニーなどに小型のCRT(ブラウン管)しかなく、それを使わずリアプロジェクションにしたのは、大正解です。 ところが映画「2010」では、CRTを使ってしまっています。直接コンピュータ画像を表示できるとはいえ、曲面のあるブラウン管では時代遅れに見え、周辺のソリッドな感じとマッチしない。 あれはスタッフのサボリであり、せめてフラットブラウン管を使用すべきであった。(当時ソニーが造っていたはず) 私はどうもあの映画のシドミード(レオーノフ号内部)のデザインも好きではない。

 HALはIBMの次のアルファベットにしたとよくいわれますが、真相は偶然の一致だそうです。 IBMは撮影に協力体制でしたが、後に自社のコンピューターの設定であるHALが反乱し、危害を加えると分かると、この映画への協力から全面撤退しています。 そのためIBMというロゴはパンナムシャトルのコクピットのデイスプレイ部分にしかない。 ほかにありましたっけ。

 HALの声を担当しているのはダグラスレインですが、マーチンバルサムも声の候補に上がっていました。 結局演技しずぎるということで、レインとなったようで、そのレインも予定ではカットされたナレーションが担当だったのです。

 カットされたといえば、重要なシークエンスが削除されました。プールがHALに質問するシーンです。次の会話

 プール 「この任務については、何か知らされていないものがある。我々以外の乗員(冬眠している3人)は知っているし、それに君も知っているはずだ。本当のことを知りたい。」

 HAL  「申し訳ないがフランク、その質問については、あなたが知っている以上のことは答えられそうにない」

 で、つまりボーマンもプールもこのミッションになにか秘匿性があることを感じていて、HALにもその重圧があることを匂わせています。

参考資料: メイキング・オブ・キューブリック「2001年宇宙の旅」 

          ジェローム・アジェル編 山川コタチ 私訳

         未来映画術「2001年宇宙の旅」 

          ピアース・ビゾニー著 浜野保樹・門馬淳子 訳 

 

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コメント

フラットディスプレイは、時代を先取りしてる~とプチ感動でした。
あと、体が浮かないようにするための吸盤靴に笑いましたよ。
茶目っ気あるなぁと思って。
HALの声が優しかったので、、回路を切られるシーンが切なかったです。カットされた部分は、重要なセリフだったのですね。

投稿: マーちゃん | 2007年10月26日 (金) 21時34分

マーちゃん。ありがとうございます。
「2001」のコーナーは乱文、駄文でごめんなさい。
(他も同様ですけど) 笑
私自身、いまだ混乱しております。
よく観ておられますね。ディスプレイは形も、表示も、今でも通用しますね。あの先見性。特許も取れたはずです。
吸盤靴は苦肉の策ですね。「アポロ13」のように実際に無重力で撮影できればよかったのですが。
ハルの声は仰るとおり、さほど低音でなく、いい響きの声です。
回路切断のシーンで悲しく聞こえるのはマーちゃんさんの豊かな感性のためです。

投稿: スタンリー | 2007年10月26日 (金) 22時41分

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