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Doppelganger 決死圏SOS宇宙船

 アンダーソン作品であり、サンダーバードのスタッフが制作している。原題の別タイトルは「Journey to the Far Side of the Sun」で、ネタバレしてしまっている。 それにしてもなんたる邦題であるか。巨人大鵬卵焼き、カレーハンバーグラーメンではないか。 が、このつけ方もわからなくもない。 ドッペルゲンガーではお客も来そうもない。 

 アンダーソン夫妻はスーパーマリオネーションで大成功をおさめたが、人形による表現から人物実写物に挑戦したいと考え、これがその第一作である。 以後実写物としては、TV「SECRET SERVICE ロンドン指令X」、「UFO 謎の円盤UFO」へと続く。

 暗い内容の映画であり、ラストは哲学的で、なんとなく「2001」に似てなくも無い。 だいたい役者のロイシネスからして「インベーダー」いらい、陰鬱としたキャラクターである。 あの人、お笑いでもやったらどうか。 今はどうか知らないが。

 この映画、決して家族一家で観る娯楽映画ではない。 子供ができないのは、こっそり薬(避妊薬)をのんでいるからだ。というシーンもありSFなんだか、シリアスホームドラマなんだかわからない話なのだ。 これは子供むけのマリオネーションばかりやってきたことへの反発かもしれない。

 ただし、ミニチュア特撮がすばらしい。特撮監督はアンダーソン夫妻の右腕であるデレクメディングス。 さらに「2001」の制作に呼ばれたスタッフが戻ってきて仕事をしているはずだ。その影響大である。 それは後のTV作品「UFO」、「SPACE1999」でもみられる。

 デレクメディングスは「サンダー」いらい、しだいに腕を上げてきており、特に映画「サンダーバード6号」のミサイル基地爆破シーン、そしてこの映画で最高の仕事をしている。まさに世界でも1960年代ピークのミニチュア特撮である。

 特にパイロテクニックがすばらしく、小さなミニチュアで大きな効果を発揮させている。カメラの高速回転や照明も適切で、どのシーンも実写に近い安定感がある。 私が日本の特撮と比較するのは、この部分である。

 またミニチュアセットの生活観ある汚しのテクニック(ウェザリング)も「サンダー」いらい非常にうまい。 ビルディングや道路などの建築物も、本物かのように見える存在感である。 あれはかなり小さいセットなのだ。

 圧巻はロケットの発射塔のセットで、あんなに造りこまれたミニチュアはちょっとない。 その発射塔でNASAのサターンに似たロケットが大爆発するが、おそらく野外で撮影したと思われる、ハイスピードで撮影したそのシーンは大変な迫力である。 現場では一瞬のことであり、タイミングが問題となる困難な撮影である。

 宇宙空間での描写も真空感があり、きわめて「2001」的リアルさだ。そのシーンでのバリーグレイの音楽もすばらしい。

 残念なのは、この作品のDVDがないこと。ビデオテープではあるはずだが、入手は困難であり、中古でもかなり高い。世界のアンダーソンファンがDVD化を望んでおり、発売が期待されるところである。

 

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