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大怪獣バラン

大怪獣バラン DVD 大怪獣バラン

販売元:東宝
発売日:2005/01/21
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 白黒映画であるが、意外なことに、カラー撮影の「地球防衛軍」、「ラドン」の後の映画である。TV映画用として予定していたためであろう。それならスタンダードサイズでよいと思うが、トイレットペーパーサイズなのは謎である。オープニングにTOHOスコーブでなく、パンスコープとあるので、そこに何かシカケがあるのかもしれない。

 少年時代、テレビで観ただけであり、以後印象になかったが、改めて、今回DVDで観ると、本多、円谷物では、佳作であると思う。 一匹の悪い怪獣を退治すべく、エンディングに向かって、いっきにシンプルなストーリーが展開していく。

 自衛隊の描写が秀逸である。実際の隊員出演とともに土屋さんが、違和感なく、テキパキと演技している。土屋嘉男さんは「七人の侍」のウジウジした利吉からクールな宇宙人までこなす、演技のキャパの広い人だ。

 本間文子さんが出演しているが、泣き叫ぶ演技が印象的な人である。黒澤監督によく呼ばれる、うまい女優さんです。

 千田是也さんは、博士役として出演するのは、初めてのような気がするが、以後お馴染みの、白衣の似合う演技です。 演劇界の大先生ですからね。 研究室に閉じこもる博士というのは、人なれしない、恥ずかしがり屋が多く、その相手の目を見ないで、顔をそらす演技がまたいいのです。 知らない方にお伝えしますが、この芸名は「千駄ヶ谷のコリアン」という意味だそうです。その理由は調べてね。

 バランの登場シーンから、羽田シーンまで、カメラの高速回転は、ほぼ一定であり、バランの動きに安定した巨大感を与えている。私はあれくらいの回転数がもっとも適切だと考える。 

 円谷さんの高速度撮影は、シーン、カットにより回転数が変化する傾向にあり、怪獣の動きや、ミニチュアの破壊、燃焼を観るとき、物理感覚やスケール感が混乱してしまうのだ。 時にはカメラを通常の速度で回してしまい、 観客を特撮スタジオに案内し、しらけさせてしまう。

 その極端な例が、「ゴジラの逆襲」にある。ゴジラとアンギュラスの格闘場面は、高速度撮影でなく、逆のコマ落とし撮影を行い、スタジオ然となってしまった失敗のシーンである。 一部の方は、迫力があるというが。

 戦車のミニチュア移動撮影。私ならカットしますね。キャタピラものは、円谷さん、どうもいけません。それを撮らせてうまいのは、「サンダーバード」のチームです。 これより随分後の作品ですが、「UFO」のシャドーモービルを参考にしていただきたい。 やればできるのです。 一部野外で撮影した自衛隊艦艇のシーンは、標準的です。上陸用舟艇描写が特に良い。

 一部、「ゴジラ」の特撮カットがあるが、いたしかたないか。他の映画でもあること。そういう例は外国映画でもある。「ゴシラ1984年」でも「日本沈没」のカットが流用されていた。円谷英二物でも以後、以前の映画の流用カットが相次ぐ。         

 でも、観客の立場から言わせてもらうと、買った新車に中古の部品がついてるみたいで、気分よくないですな。

 バランのしっぽで、羽田のDC6が跳ね飛ばされますが、実際は、しっぽが当たった時点で、コナゴナになるはずです。ヒコーキなんて、ペラペラの金箔で作ったようなものです。そんな演出をすれば、もっとリアルで迫力あるんですがね。

 伊福部昭さんによる、オープニングテーマは、以後、怪獣映画の登場シーンに使われます。 メロディーの一部は、「海底軍艦」ムー帝国の描写に使われます。  自衛隊の活躍シーンでも後の「宇宙大戦争」で入る音楽が登場します。本多円谷映画音楽の本店ですね。 今回、DVDを観てわかったことです。

 これも以前の映画の流用といえるが、伊福部さんの音楽がすばらしいので、許しちゃう。

 エンディングナレーションは要らないと思います。

 

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