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ゴジラ 1984年版

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 この映画公開時、わたしはサイクリングのヘルメットみたいなのが出できたところで映画館を出たと記憶している。 この映画については、良い印象がなかったが、改めて観てみると、テンポが良く、演出も結構冴えている。 が、それはベテラン俳優陣にささえられているが。

 核爆弾の使用を即時主張する二国の論理展開は、少し幼くないか。 脚本家は、戦略や防衛の専門家へ取材し、シミュレーションしてもらっただろうか。 だが小林桂樹さんの抑えた演技で、緊張感は出ている。

 制作当時、平田昭彦さん、志村喬さんが故人となられたのは、まことに惜しい。出ていただきたかった。宝田明さんはスケジュールの都合があったのか、これまた残念である。きりがないが、河内桃子さん(後に出演)や、先ごろなくなった村上冬樹さんなども。 

 沢口靖子さんの演技、公開当時、いろいろ言われたでしょうが、まだ若いしね。必死になって芝居しているので、むしろ好感がもてる。現在、彼女は円熟した女優になられた。「千と千尋」のアフレコで判ります。

 中野昭慶さんの特撮演出は、「日本沈没」より拝見しているが。感心したシーンは、わずかしかない。この映画について重箱のスミ的指摘をすると。

 相変らずわらず、スモークを焚いているのに空気感がない。ミニチュア然としている。ミニチュアにあたった光や、ビルの窓、街路樹灯、看板灯、ネオンの光に生活感を感じるような艶、にじみが無い。

 人間の目の高さからのアングルが少なく、ゴジラも高層ビルも巨大感が無い。つまりスタジオの三脚で据えたカメラの高さの撮影が多い。これを「神様目線」というが、よく指摘されていることである。この目線では、観客は特撮現場に立たされてしまう。

 物理的、工学的に説得力がない。 スーパーXというのは、重量100トンを超えると思われるが、どのような理屈で空中に微動だにせず、静止できるのだろうか。自衛隊は反重力エンジンを開発していたのか。 あ いや、機の底にリフトファンが三つあるので、空気を噴射して浮いているのでしょう。だったら、ルーフに大きな吸入口がなければならないが。

 中野さん。 スーパーXの真下で、噴射の風圧で、砂塵が舞い、樹木がなびく演出はできませんでしたか。 スーパーXが前進や旋廻するとき、機がすこし傾く操演はできませんでしたか。 ホバリング中、機を少し揺らす操演はできませんでしたか。

 この映画の特撮において、一番の功労者はキグルミに入っている薩摩剣八郎さんです。 彼の演技は、他の足らない部分を補っている。 撮り直しのきかない特撮現場で、一番胃が痛かったのは彼でしょう。

  この映画の特撮で唯一好きなシーンは、ビルの窓ガラスにゴジラが映るところです。

 

 

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» 1984年新作『ゴジラ』を考える [マムやんの不定期便]
 もう「新作」と言っても、20年以上前の映画となってしまったが、いわゆる『'84 [続きを読む]

受信: 2007年6月28日 (木) 20時54分

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